10月になると、やはり秋の気配が強く感じられるようになりますね。
この季節の変わり目でもある時期は、腰痛を訴える方が多くなる季節なんです。
これは夏の〈暑さ疲れ〉による、内臓疲労からのものが多い。
特に夏は内臓の中でも、腎臓が一番疲れてしまう季節です。
腎臓は泌尿器系をコントロールしてくれる臓器ですが、腎臓はただ尿を作るだけの臓器ではなく、人間が生きる上で大切な仕事をいくつも受け持っています。
良く知られているように腎臓の主な仕事は「尿」を作る事です。
これは血液を濾過する事により、老廃物を排出する働きな訳です。
老廃物とは窒素を含んだ窒素系老廃物で、クレアチニン、尿素、尿酸などで、これらはタンパク質が体の中で利用された後の分解産物であり、有害物質なんですね。
人間の体の中で濾過された水分の99%は、体の中に再吸収されます。
この働きにより体のさまざまな電解質の濃度は一定に保たれています。
血液の白血球や赤血球は骨髄で作られているのですが、これには腎臓も一役買っていて、造血ホルモンであるエリスロポエチンを腎臓から分泌する事で、骨髄に働きかけ赤血球の生産を促すしくみになってます。
つまり赤血球を作る指令を出しているのです。
腎臓は血圧も調節しています。
レニンと呼ばれる一種の酵素を出すことで、血液中のタンパク質に働きかけアンジオテンシンと呼ばれる物質を作ります。
この物質は血管を収縮させて血圧を上げる働きを持っています。
この様に腎臓は体内に於いて、様々は水分調整・水圧調整をしてくれているのです。
夏は冷たいものを摂りがちですから、どうしても排尿の回数も多くなりますし、今年の様に余りに暑い時は、汗の分泌もかなり活発だったでしょう。
そうした時に一所懸命に働いてくれていたねが、この腎臓なのですね。
腎臓は丁度、身体の両腰の上部辺りの位置にあります。
この腰の位置にある腎臓が疲労を起こす事で、急性の腰痛が引き起こされてしまうと考えられます。
慢性的に腰痛のある方や、年に何回かぎっくり腰を起こしてしまう方は、秋のぎっくり腰予防の為に、ちょっと早めにご来院下さいませ。