知らない世界へ帰りたい(日本探求)

自分の祖先はどんなことを考えていたのか・・・日本人の来し方、行く末を読み解く試み(本棚10)。

「戦争に勝ち 平時に負けた政治家、チャーチル」

2015年08月07日 08時09分35秒 | 戦争
 チャーチルは政治家として有名ですが、私には彼が愛した嗜好品の数々に興味あり、どちらかというとヘミングウェイや開高健のような存在です。
 一方、地元イギリスでは、現在でもチャーチルの政治家としての評価は分かれているそうです。
 その様子をNHK-BSのドキュメンタリーで扱っていました;
 
■ チャーチル 戦争に勝ち 平時に負けた
2015年8月6日:NHK
 20世紀の偉大な政治家の一人と称されるウィンストン・チャーチル元首相。彼がナチスドイツに勝利した直後の選挙で敗北を喫したのは何故だったのか、その理由を探る。
 チャーチルは1945年の総選挙で大敗。福祉国家の充実を掲げた労働党のアトリーが首相の座についた。戦争に勝利した宰相はなぜ、平和を取り戻した国民に疎んじられたのか。上流階級出身のチャーチルは労働者の権利を認めず、戦前から組合との確執が続いていた。「戦争がなければチャーチルは平凡な政治家で終わっていた」という歴史家もいる。総選挙前後のチャーチルの言動を読み解き、知られざるチャーチル像に光を当てる。

 原題:Churchill: Winning the War, Losing the Peace
 制作:Oxford Film and Television (イギリス 2015年)


 チャーチルを評価する歴史家、評価しない歴史家、中立の評論家たちが次々とコメントを述べていく構成なので、聞いている方はちょっと混乱します。
 無理にまとめれば、チャーチルは戦争時に力を発揮した政治家であるが、平和時には時代遅れの考えのため役に立たなかった、という論調です。
 それは貴族階級出身という出自も影響し、労働者の気持ちを理解できなかったことが大きいようです。

 ポツダム会談でスターリンとトルーマンと3人で写真に納まった時、チャーチルは総選挙の結果待ちの状態でした。当選を疑わなかった彼は「また会おう」と軽く挨拶を交わして各国首脳と別れましたが、イギリスに帰ると保守党大敗という現実が待っており、その後歴史の表舞台から消えたのでした。

 確かに、政治家の適材適所、あるいはタイミングというのは歴史上あるようですね。
 ソビエト連邦崩壊にゴルバチョフは尽力しましたが、新しいロシアを造る能力はなく、エリツィンに取って代わられた経緯を思い出します。

 それにしても、ポツダム会談に集まった3首脳(トルーマン、スターリン、チャーチル)は戦争だから力を発揮できた指導者という感が無きにしも非ず。
 みんな変人です。
コメント
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