雨の日にはJAZZを聴きながら

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HR Big Band 『 Once In A Lifetime 』

2007年10月05日 23時56分21秒 | Large Jazz Ensemble
明日から「横濱ジャズプロムナード2007」が始まります。街吹く風も涼しくなり、街路樹の葉が色づきはじめるこの季節に、みなとみら地区を気ままにぶらつきながらライブをハシゴする。ジャズ・ファンにはたまらない秋の風物詩です。僕も明日は仕事で行けないものの、明後日の日曜日はぜひ出かけたいと思っています。遠足前夜の子供のように、今からわくわくしているのですが、実は、今年はいまひとつ盛り上がりに欠けるんですよね、個人的には。

というのも、今年の参加バンド中、本当に聴いてみたいと思わせるバンドはクリスチャン・ジェイコブ・トリオぐらいなんですよ。というか、今年って、邦人バンドばかりで、外国人バンドがほとんど参加していないではありませんか。こんな外産バンドが少ない横濱ジャズプロムナードって初めてではないでしょうか。毎年、入場者数が増加しているのですから、もう少し欧州のミュージシャンを招いても採算とれると思うんですけどね。でもまあ、クリスチャン・ジェイコブだけでも十分もとは取れそうなので行きますが。それにティネカ・ポスマのバンドにロブ・ヴァン・バヴェルも参加しているみたいだし。

さて、今日も引き続きビッグバンド作品を聴いております。HR Big Band は前述したように、フランクフルトに本部を置く HR ( Hessischer Rundfunk : ヘッセン放送協会)が運営するビッグバンドですが、他の公共放送局専属のビッグバンドよりもかなり “ Polystyle ”で “ Versatile ”な集団として本国でも人気を集めている名門ビッグバンドです。本作『 Once In A Lifetime 』も、ハモンドの名手、ジョーイ・デフランチェスコをソリストに迎えて制作された珍しい作品です。僕の知る限りデフランチェスコがビッグバンドと共演した作品は本作だけですし、そもそもビッグバンドとオルガンの共演自体、ほとんど類を見ない形体ではないでしょうか。

ヨルグ・アヒム・ケラー( Jorg Achim Keller )率いる鉄壁のビッグバンドをバックに、デフランチェスコは水を得た魚のように流暢に鍵盤を転がし、時には情熱的にレスリーをグルグル回転させ盛り上げていきます。演奏される曲は ≪ I'm a Fool to Want You ≫ や ≪Everything Happens to Me ≫ などのスタンダード。ジョビンの ≪ Once I Loved ≫ と ≪ Meditation ≫ が作品全体の中で一服の清涼剤的役割を果たしています。本作ではデフランチェスコはベース・ペダルを一切使用せず、ウッド・ベース奏者を置いているのも彼にとっては珍しいことではないでしょうか。

全体的にビッグバンド陣のソロが少なく、バランス的にはデフランチェスコに重心が置かれた作風ですが、ハモンドとホーン・アンサンブルが醸し出す音の陰影感が素晴らしい、クオリティーの高い作品ではないでしょうか。


HR Big Band 『 Once In A Lifetime 』2006年 TBC 26502
Jorg Achim Keller (arr & cond)
Heinz Dieter Sauerborn (ts,as, ss, cl, fl)
Tony Lakatos (ts,ss,fl)
Harry Peterson (ts, cl, fl)
Steffen Weber (bs,ts,as,cl,b-cl,fl)
Rainer Heute (bs,b-cl,fl)
Paul Lanzerath (tp,flu)
Martin Auer (tp,flu)
Thomas Vogel (tp,flu)
Axel Schlosser (tp,flu)
Gunter Bollmann (tb)
Peter Feil (tb)
Christian Jaksjo (tb)
Manfred Honestschlager (b-tb)
Werner Vetterer (g)
Thomas Heidepriem (b)
Joey DeFrancesco (Hammond)
Jeff Hamilton (ds)





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