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フランスの新進気鋭のトランペッター、Nicolas Folmer ニコラ・フォルメルの最新作がやっと手元に届いた。VENTO AZUL RECORDS さんに注文してから待つこと2カ月。待った甲斐があった。深い余韻を残す実に素晴らしい作品に仕上がっている。ミシェル・ルグラン作品集というのもいっそう心惹かれる。
ルグランの映画は恥ずかしながら一本も観たことがないが、その音楽は今までに数多くのジャズ・ミュージシャンに取り上げられてきたので、大部分は耳に馴染んだ楽曲ばかりだ。
『華麗なる賭け』に使われた≪ The Windmills of My Mind ≫ (邦題:風のささやき)はフィル・ウッズの演奏が思い出される。 ≪ The Summer Knows ≫ (邦題:夏のおもいで)はアート・ファーマーのEast Wind 盤が心に残っている。 ≪ Watch What Happen ≫ はウェス・モンゴメリーの『 A Day in The Life 』のメロディーが蘇ってくる。 ≪ Once Upon a Summer Time ≫ はチェット・ベイカーの感傷的な名演があった。 ≪ What Are You Doing The Rest of Your Life ≫ はミルト・ジャクソンの『 Sun Flower 』のでフレディー・ハバードの演奏が懐かしい。そしてビル・エバンスの奏でる ≪ You Must Believe in Spring ≫ は、エバンスの世界そのものであった。
ニコラは、これらの名曲を最新流儀のアレンジで料理し、深い愛をもって、ルグランへ捧げたのだ。無駄な装飾は一切ない。カルテット編成でシンプルに、自由奔放に吹き切っている。近年の米国人トランペッター達の作品にみる思索的、理知的な気難しいコンセプトなど一切ない。ただ単にルグランの物悲しい名曲を感情込めて歌いきる。それだけ。非常に明快な方向性をもった作品だけに、聴き手も音だけに集中できる。聴き終えた後の寂寥感がなんとも心地よい。メロディーの持つ求心力。やっぱり音楽の魅力はこれに尽きる。
メンバーで注目したいのは、ピアノの Thierry Eliez ティエリー・エリエとドラムのBenjamin Henocq バンジャマン・エノクの2人。ティエリー・エリエはアンドレ・チェカレリやディー・ディー・ブリッジウォーターの作品などに参加している知る人ぞ知る技巧派ピアニスト。ディー・ディーのDVDでその姿を拝める。一見、軽薄ナンパ風だが、演奏は超絶技巧で凄い。バンジャミンは元プリズムのドラマーだった人。プリズムでの演奏は今や伝説的。ミシェル・ルグランもピアノでちょっとだけ参加している。≪ Summer 42 ≫ ではボーカルも披露して花を添えている。
Nicolas Folmer のデビュー作『 I Comme I Care 』 の記事はこちら。
2 songs upload by criss
1) Once Upon A Summertime
2) You Must Believe In Spring
今日の歩数 : 6930歩 体重 : 69.5kg
フランスの新進気鋭のトランペッター、Nicolas Folmer ニコラ・フォルメルの最新作がやっと手元に届いた。VENTO AZUL RECORDS さんに注文してから待つこと2カ月。待った甲斐があった。深い余韻を残す実に素晴らしい作品に仕上がっている。ミシェル・ルグラン作品集というのもいっそう心惹かれる。
ルグランの映画は恥ずかしながら一本も観たことがないが、その音楽は今までに数多くのジャズ・ミュージシャンに取り上げられてきたので、大部分は耳に馴染んだ楽曲ばかりだ。
『華麗なる賭け』に使われた≪ The Windmills of My Mind ≫ (邦題:風のささやき)はフィル・ウッズの演奏が思い出される。 ≪ The Summer Knows ≫ (邦題:夏のおもいで)はアート・ファーマーのEast Wind 盤が心に残っている。 ≪ Watch What Happen ≫ はウェス・モンゴメリーの『 A Day in The Life 』のメロディーが蘇ってくる。 ≪ Once Upon a Summer Time ≫ はチェット・ベイカーの感傷的な名演があった。 ≪ What Are You Doing The Rest of Your Life ≫ はミルト・ジャクソンの『 Sun Flower 』のでフレディー・ハバードの演奏が懐かしい。そしてビル・エバンスの奏でる ≪ You Must Believe in Spring ≫ は、エバンスの世界そのものであった。
ニコラは、これらの名曲を最新流儀のアレンジで料理し、深い愛をもって、ルグランへ捧げたのだ。無駄な装飾は一切ない。カルテット編成でシンプルに、自由奔放に吹き切っている。近年の米国人トランペッター達の作品にみる思索的、理知的な気難しいコンセプトなど一切ない。ただ単にルグランの物悲しい名曲を感情込めて歌いきる。それだけ。非常に明快な方向性をもった作品だけに、聴き手も音だけに集中できる。聴き終えた後の寂寥感がなんとも心地よい。メロディーの持つ求心力。やっぱり音楽の魅力はこれに尽きる。
メンバーで注目したいのは、ピアノの Thierry Eliez ティエリー・エリエとドラムのBenjamin Henocq バンジャマン・エノクの2人。ティエリー・エリエはアンドレ・チェカレリやディー・ディー・ブリッジウォーターの作品などに参加している知る人ぞ知る技巧派ピアニスト。ディー・ディーのDVDでその姿を拝める。一見、軽薄ナンパ風だが、演奏は超絶技巧で凄い。バンジャミンは元プリズムのドラマーだった人。プリズムでの演奏は今や伝説的。ミシェル・ルグランもピアノでちょっとだけ参加している。≪ Summer 42 ≫ ではボーカルも披露して花を添えている。
Nicolas Folmer のデビュー作『 I Comme I Care 』 の記事はこちら。
2 songs upload by criss
1) Once Upon A Summertime
2) You Must Believe In Spring
今日の歩数 : 6930歩 体重 : 69.5kg