黒い嘘
3分06秒の動画です。
馳大臣が、ブラック・タイディングスを電通に推薦された経緯が述べられています。
五輪招致委員は、コンサルタント業については素人のために、専門の人に相談せざるを得なかった。
それが電通であった。
ブラック・タイディングスに対する竹田会長の「ペーパーカンパニーではない」、「合法である」という発言が、海外に流れていますが、失笑を買っています。
古い公営住宅のアパートの写真が同時に掲載されておりますので、バカにしているようです。
世界は、五輪招致委員会が贈賄のために利用したぺーパーカンパニーとしか見ていないということです。
また嘘をついているといった感じでしょう。
それを裏付けてしまいました。
東京五輪招致疑惑 JOC幹部「国際陸連前会長に近いと知って契約」 FNN
衆議院予算委員会の参考人招致では、こんなことを言っていたのです。
ところがこれは嘘であると証言するJOC幹部が出てきました。
どちらかが嘘をついているということです。
上の動画の後半に竹田会長が証言していますが、やたら証言を無意味な言葉を使って、不自然に費やし、時間稼ぎをしている点に違和感を感じていたのですが、さもありなんと言ったところでしょうか。
もし竹田会長が嘘をついていた場合、ブラック・タイディングスへの送金は、賄賂であることを初めから知っていたことになります。
送金したお金が、パパ・ディアク氏に渡ることを、あらかじめ承知していた、つまり賄賂を意図していたということになります。
また「2億3000万円の使途も知らない」と言った発言も同様に嘘だったことになる。
竹田会長が言う、
「ブラックタイディングス社は実績がいろいろあり、決してペーパーカンパニーではない。
2015年に北京で開かれた世界陸上の招致コンサルタントなどを務めている」
と言いますが、これはAMS社のコンサルタント時代のブラック・タイディングス代表、イアン・タン・トン・ハン(イアン・タン氏)の実績です。
AMS社は電通の関係会社ですから、出来レースです。
電通にも色々と矛盾した発言が出てきています。
電通は以前、
AMS社は我々の子会社ではなく、出資もしていない
と言っていました。
ところが電通に詳しいこの方のブログにはこうあります。
スポーツ局は、FIFAクラブワールドカップの業務から制作費名目でスイスのスポーツマーケティング会社AMSに毎年数千万円を上納しているという。
同社は01年にアディダス創業家ダスラー一家と電通の合弁会社ISLが破綻した後、ISLの陸上担当者が電通の出資を受けて設立した会社だが、畑違いのクラブW杯にも数人を派遣、電通の業務委託費をもらっている。
これがトンネル会社を使った資金還流だという告発である
これは電通内の複数の内部通報者によっても裏付けられた。
今回、電通がAMSには出資していないと主張したとすれば、2年前のこの記事でヤバイと思って足跡消しをしたからにほかならない。
AMS社は、電通の出資を受けて設立されたと明言しており、今回、電通がAMS社には出資していないと発言したならば、それは足跡を消そうとしていたことになる。
これもどちらかが嘘をついていることになる。
東京オリンピック買収疑惑 電通に渦中のコンサルタントとのつながりを聞いた
BuzzFeed Newsの取材に、電通はこう答えています。
複数のロビイストについて招致委から、その都度、電通に照会を受けており、その中にイアン・タン氏がいたのは事実だ。
イアン・タン氏を含むロビイストについて、電通の知見の範囲内で実績を伝えただけだ。
招致委とイアン・タン氏の契約について、電通は関与していない。
ブラックタイディングス社とイアン・タン氏の関係も今回の報道ではじめて知った。
電通とイアン・タン氏、ブラックタイディングス社との間に、過去に取引は一切ない
馳大臣は、電通からブラック・タイディングスを推薦されたと言いました。
個人ではなく、会社と2億3000万円の契約を結んだ、と。
だから招致委と契約したならば、契約書はあるかもしれません。
あるいはないかもしれないけれども、契約書の守秘義務を盾に公開しないか、限定的な公開になるかもしれません。
竹田会長が、知っていて嘘をついていた可能性が出てきているからです。
電通はイアン・タン氏という名前だけを推薦したことになる。
ブラック・タイディングスとイアン・タン氏の関係を知らなかったと言っているわけですから、個人のみを推薦したことになります。
電通は、イアン・タン氏は知っていたけれども、ブラック・タイディングスとそのイアン・タン氏との関係は知らなかったというのも疑問です。
電通と極めて密接な関係にあるAMS社が、そのような者をコンサルタントに雇うとも思えないからです。
しかして馳大臣は、何度も会社と契約したと言い、会社を電通に紹介されたと述べています。
電通の発言と食い違っています。
電通は、ブラック・タイディングスという名前の会社を、報道に触れるまで知らなかったと言っている点、ここでも黒い嘘がうかがわれます。
電通はラミン・ディアク氏とは深い関係にありました。
ラミン・ディアク氏の単独の決定ゆえに2029年までの包括的スポンサー契約を、電通は延長できたわけです。
商業利権を延長できた。
上記の電通に詳しい方のブログには、
日韓サッカー・ワールドカップ大会後から日本は徐々に脇役に転じ、電通も国際陸連のディアク前会長取り込みに傾斜した
ラミン・ディアク氏と二人の息子、パパ・ディアクとカリル(他の記事ではハリル)・ディアク親子のことはよく知っていたはずです。
AMS社も同様ですが、このコンサルタントであるイアン・タン氏は、電通が推薦したわけですから、これもよく知っているはずです。
従ってディアク親子とイアン・タン氏の関係も知っていた可能性が高い。
当然、ブラック・タイディングスのことも知っていたと思われるわけですが、電通は知らないと言っている。
すべてを知って招致委に推薦したならば、贈収賄を意図して推薦した可能性が浮上してきます。
招致委は、コンサルタント業に暗いわけであり、イアン・タン氏を初めから知っていた人は少ないかもしれません。
みずから招致委に売り込みにきたと言っているわけですから、知らなかった人も多いでしょう。
知らなかったがゆえに電通に実績を問い合わせた。
IAAFの元会長であるディアク親子のことにも無知な人が多かったかもしれない。
しかして初めからすべてを知っていたと思われる組織が一つだけあります。
ディアク親子とイアン・タン氏とその関係、その両方ともを、初めからよく知っている存在は、「電通」以外にはありません。
だから海外では、贈収賄の中心として疑われている。
ただ発言が食い違っている「黒い嘘」が、多方面において目立ってきています。
今後、まだしばらく「黒い嘘」を聞かされることになりそうです。