東京五輪にまた問題発生です。
発端は5月11日付け、イギリス「ガーディアン」の報道です。
Tokyo Olympics: €1.3m payment to secret account raises questions over 2020 Games
2020年の東京五輪は、お金で「買った」のではないかという強い疑念が提起されています。
ここでキーとなる人物は、
1 ラミン・ディアク(父)
2 パパ・ディアク(息子)
3 イアン・タン・トン・ハン(イアン・タン氏)
4 東京五輪招致委員会
5 電通
一つ目の「黒いおもてなし」は、オリンピックの東京招致のために、日本が裏金2億2000万円を使い、贈賄したのではないかという疑惑です。
票を買収するために、強い影響力を持っていたディアク親子と贈収賄の関係を築いていたのではないかという疑念です。
二つ目の「黒いおもてなし」は、IAAF前会長ラミン・ディアク氏の任期が切れる直前に、電通はIAAFのスポンサー契約関連の権限を2029年まで延長しています。
この決断はラミン・ディアク氏単独で行われています。
これも贈収賄の匂いがしますが、ガーディアンもそれを指摘しているのですが、日本ではこの報道はありません。
The seven-figure payment from Tokyo 2020 also raises questions about the role of Dentsu
東京五輪招致委員会からの7桁の支払いは、電通の役割についての多くの疑念が生じている。
この電通に対する疑惑が、日本の報道では見かけません。
一つ目の「黒いおもてなし」は、東京五輪招致委員会が、ブラック・タイディングスの秘密口座に2億2000万円を振り込んだ。
口座名義人はイアン・タン氏ですが、ガーディアンの記事では、この秘密口座はディアク氏の息子であるパパ・ディアク氏とダイレクトにつながり、リンクされている。
秘密口座の真の所有者は、このパパ・ディアク氏です。
彼が受け取った。
振り込まれたのは東京に決定した2013年9月の前後、7月と10月に振り込まれている。
「・・・あやしい・・」
フランス検察の捜査のきっかけは、このパパ・ディアク氏の9月の爆買いでした。
ラミン・ディアク氏の息子、パパ・マッサタ氏は2013年9月ごろ、パリで高級時計など2000万円近い買い物をしたということです。
検察当局は、買い物に使われた金の流れを調べた結果、東京の招致委員会側が振り込んだ約2億円が代理店などを介してパパ・マッサタ氏に渡ったとみられることを確認したとしています。
また、この高級時計などは東京招致に協力した複数のIOCメンバーに渡されたとみて捜査しているということです。
ここで言う代理店とは「ブラック・タイディングス」のことです。
日本から送金された金がパパ・マッサタ・ディアク氏に渡ったことが確認されています。
このブラック・タイディングスの秘密口座は、過去にも使用されており、ロシアのマラソン選手のドーピング疑惑のもみ消しでも使われています。
この件でラミン・ディアクは逮捕されています。
今はフランス国外に出国することは禁止されています。
息子のパパ・ディアク氏も、インターポール(国際刑事警察機構)から国際指名手配されています。
セネガルにいるようですが、犯罪者ですね。
このインターポールに国際指名手配されているパパ・ディアクに、東京五輪招致委員会が送金した2億2000万円が手渡された。
イアン・タン氏は、このディアク親子と親密な関係にあり、ロシアのドーピング隠しにまで使用された犯罪性の強い同社の秘密口座に、何故、東京五輪招致委員会が大金を送金したのでしょう。
日本側は、納得のいく説明をしていません。
東京2020組織委員会は関与していないと、関与を否定しています。
五輪招致委の金銭支払、正式な業務契約の対価=竹田JOC会長 ロイター
招致実現は、フェアな招致活動を行った結果であり、招致計画が正当に評価されたものであると今でも確信している。
招致計画づくり、プレゼン指導、国際渉外のアドバイスや実際のロビー活動、情報分析など多岐にわたる招致活動の業務委託、コンサル料などの数ある中の1つであり、正式な業務契約に基づく対価として支払った。
さらに契約した会社は実績があり、それに期待して契約しており、何ら疑惑を持たれる契約ではないと主張している。
いいのでしょうかね、こんなこと言って。
NHKのチームが、このブラック・タイディングスを訪問しています。
この会社の所在地として、シンガポール東部にある公営住宅の1室が記載されていて、NHKの取材班がこの場所を訪ねたところ、男性の家族とみられる女性が応対し、男性が住んでいることを認めました。
そのうえで、「自宅にはめったに帰ってこない」とだけ話して、それ以上の取材には答えませんでした。
また、近所に住む女性は「家族は知っているが男性に会ったことはない。
この公営住宅で会社を経営している人がいるなんて聞いたことがない」と驚いた様子で話していました。
つまり完全なペーパーカンパニーであることがばれているわけです。
そしてこのブラック・タイディングスは、今はもうありません。
「(Q捜査当局と話した?)全面的に協力しています。
(会社は?)もうありません」-会社の元代表を名乗る男性はこのように話す一方、業務内容や日本側から受け取った金額については「話したくない」などとして答えなかった。
JOC(=日本オリンピック委員会)は支払った2億円あまりについて「招致活動のコンサルタント料だった」と説明しているが、フランスの金融検察当局は民間組織間の贈収賄などの疑いで捜査している。
「話したくない」お金なのですね、分かります。
竹田JOC会長は、「正式な業務契約に基づく対価として支払った」とも述べていますが、その契約書がありません。
Q.契約書そのものは存在しないんですか?
「契約書は保存されていると思います」(JOC側)
Q.どこに?
「JOCにはございません」
「正確な場所は我々も聞いていません」(JOC側)
フランス当局とシンガポールの汚職捜査局が協力して捜査を開始したようですが、汚職捜査局は、警察から独立しており、首相直属の組織のようです。
汚職とマネーロンダリング(資金洗浄)で捜査しているようです。
不正を働いて得たお金を、あたかも正当に得たお金であるかの如くお金を洗う資金洗浄です。
第二の「黒いおもてなし」は、日本の報道では出てきませんが、「電通」です。
仏検察は、ディアック元会長の息子であるパパ・マッサタ・ディアック(Papa Massata Diack)氏の所有するシンガポールに拠点を置く会社に対し、2億円を超える金が振り込まれたとしている。
ラミーヌ・ディアック氏とIAAFのコンサルタントを務めていたパパ・マッサタ・ディアック氏は、フランス当局から汚職の罪ですでに起訴されている。
日本政府はこの発表を前に、東京五輪招致は「クリーン」なものだったと見解を述べている。
ガーディアンは、IAAFとの契約にも疑問を投げかけています。
2029年までの包括的スポンサー契約を結んでいる電通は、その契約をディアク氏単独で決定しているからです。
ここでも贈収賄の匂いがするために疑念をもって報じられているのです。
2029年までIAAFと包括的なスポンサー契約を結んでいる日本の広告代理店電通(Dentsu)の役割にも一石が投じられる。
シンガポールの銀行口座は「スイス・ローザンヌ(Lausanne)に拠点を置く電通の子会社であるアスリートマネジメント・アンド・サービス(Athlete Management and Services、AMS)社のコンサルタント」が所有するものだと伝えている。
電通側はAFPの取材に対し報道を否定。広報担当者は「AMSはわれわれの子会社ではなく、コンサルタントを雇ったことは決してない。フランス当局から捜査も受けておらず、協力の要請も無い」としている。
AMSは電通の子会社ではなく、コンサルタントを雇ったこともなく、出資もしていないと言っています。
自分は無関係と言っているわけです。
つまりお金で五輪を買う時、まず電通の関係会社であるAMS社を使い、ブラック・タイディングスの代表であるイアン・タン氏を、コンサルタントとして雇った。
何故、AMS社は、あえて黒い疑惑と犯罪性のあるブラック・タイディングスの代表をコンサルタントとして選んだのでしょう。
ディアク親子とコネクションを持ち、親密な関係があったからでしょう。
ディアク親子と関係の強い、人脈をもつイアン・タン氏の秘密口座が必要だったからでしょう。
黒いお金を振り込むのに必要であった。
そのために電通が動いた。
電通は無関係を装っていますが、AMS社を子会社とガーディアンが報じたのは、根拠のないことではなく、AMS社のホームページに、
2001年設立の「スポーツ・マーケティング代理店」と説明。
「電通のため、同社の代理」として創業以来、国際陸上競技連盟(IAAF)やアジア・オリンピック評議会(OCA)にサービスを提供してきたと記載している。
この記載があるためです。
電通は14年9月、IAAFが29年までに主催する大会の世界独占マーケティング権と放送権を取得したと発表した。
これが第二の「黒いおもてなし」です。
贈収賄の疑惑をもたれても仕方がないのではないか?
あやしいわけですね。
犯罪性のあるブラック・タイディングスの代表をコンサルタントとして雇ったり、東京五輪招致委員会が、わざわざ黒い秘密口座(シークレット・アカウント)に大金を振り込んだり、犯罪者として逮捕された父ディアク氏とインターポールから国際指名手配されている者の独断で包括的スポンサー契約を結んだり、黒すぎてフェアには見えないわけです。
疑念が生じるのは仕方ないのではないか。
これがもっと問題が大きくなってきますと、東京五輪の辞退もあり得るかもしれません。