こころがかるくなる心理カウンセラーかきかわのブログ

山口市で心療カウンセリングルームを営みながら日常のエピソードをまじえて泣いたり笑ったり感情を動かすお話を掲載しています。

自分のしたいことが見つからない人のために

2013-12-24 21:33:49 | 日記
親から勉強する意味は、

「社会に出たとき困らないように」

日常生活でほとんど使うことのないような難しい勉強については、

「将来、進路を選ぶ時、自分がしたいことができるように」

などと、言われてきた人が多いのではないでしょうか?

ところが、実際に社会に出てみると、クローゼットの中から今日着て行く洋服を選ぶように、枠はありません。
クローゼットの中という決まった枠がないのです。

たとえば、私はバリバリと営業の仕事がしたい。出来れば、なるべく安定している大きな自動車会社に入社したいと希望しているとします。車が好きだから車を売りたいと思っても、自動車メーカーへの就職が出来ない場合もあるでしょう。

仮に、自動車メーカーに就職できても、販売ではなく、製造部門に配属されるかもしれません。

「自分が目指すことをすること=勝利」

「自分が目指すことが叶わないこと=敗北」

だと捉えている限りは、本当の意味で自分のしたいことが見つからないと断言します。

私たちは、あたかも自分の考えで動いているように普段は思えていても、環境や成長過程の教育など様々な影響を受けながら、実は他人が作り上げた基準を取り入れ、自分の準拠枠(価値、基準、常識)も決めているのです。

その物差しが通用するのは、あくまでも「自分の周囲」ですから、例えば、外国に移住すれば通用しないこともあるでしょう。

では、どう気持ちを切り替えていけばよいのか?

「与えられた場所で努めてみること、ご縁を大切にすること、思うようにいかない中で何ができるかを考えること」

これに尽きます。

「それでは、いつまで経っても、自分のしたいことにはたどりつけない、生きている意味がない・・・」

と、どうか嘆かないでください。

自分のしたいことが、変わる可能性もありますし、変わらなければ、そこにたどりつくための道順が、異なっているだけかもしれません。今、思っておられることが強い信念で、変わらないビジョンであれば、道順が違っても追い求めて叶える、あるいは、

「どうして、それがしたいのか?」

と自問自答されたとき、その職業、役割、以外の選択肢が新たに見えてくる場合もあります。
つまり、何になりたいか?よりも、なぜなりたいか?の動機づけの部分が重要なのです。

~☆~

私は3年前42歳で心理カウンセラーになりました。
昔から、心理カウンセラーになりたかったわけではありません。

最初に就職したのは飲食のサービス業に就きました。就職理由は食べていくためです。

子供のころから、自分は虚弱で、父は常に入退院を繰り返してきて医療と関わりが深く、福祉分野の仕事がしたいと思っていました。
結婚、離婚、二度目の結婚を経て、たくさんの仕事を経験しました。その中でやはり医療に関わりたいと思い、医療事務に就いたのが20年前のことです。それからも、医療事務だけでは物足らなくなり、患者さんのために何ができるのか?と考え続ける中で、諸先輩方との出会いなどがあり、心理を学ぶことに繋がりました。

私が心理カウンセラーになりたいと思った動機は、

「私らしく、ただ純粋にクライアントさんと向き合いたいから」

です。そのためには、組織の一員としてではなく、独立という形をとる必要がありました。

父親の会社倒産、一家離散という憂き目がなければ、順調に大学進学後、心理職や福祉職に就いていたかもしれませんが、いきなり独立起業するというような大勝負に打って出ることは出来なかったと思います。

組織という仕組み、きっちりしたことは好きですが、結果的に好きな組織がなかった・・・という経験を経ているから、それならば、自分で一から作り上げようと覚悟が出来ましたし、それが自然な流れでした。

すべては必然なのです。

自分の心の声に耳を澄ませてください。

「誰かがそうすることが良いと言ったから」

といった理由に振り回されず、自分の感性に触れることです。あなたが、今与えられた役割の中でベストを尽くすことは、あなたの魂に喜びを与えます。魂の喜びは、あなたに生きる力をもたらします。

本当の意味での自分のしたいことは、懸命に生きる中で自然に見えてくるものだと思います。

年末年始、休まず営業いたします。心も一新しませんか?自己啓発目的の方も歓迎いたします。

山口市宮野の自宅で営む小さなカウンセリングルーム
かきかわ統合医療相談室





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うつになりにくい暮らし方

2013-12-02 10:05:41 | 日記
日照時間が短くなり冬季うつにかかりやすい季節になりました。
今日は、うつの予防についてお話したいと思います。

~☆~

私がカウンセラーになる前のことですが、病院勤務時代の6年前にうつ病にかかり、およそ2年余り、治療を受けていました。現れた症状は不眠、倦怠感、虚無感、焦燥感、不信感、自殺念慮などさまざまで、休職せずに越えてきたことが不思議なほどでした。

休職しなかったことが結果的に良かったのかと考えてみれば、自分でもよくわかりません。当時は、休めば職場での評価が下がり、居づらくなる。すると、ますます仕事をすることが辛くなり、一度休めばきっと自分はずっと行けなくなってしまう。

そうなれば、経済的に破たんして生きていけなくなるとすべては悲観的でした。

今になって思えば、このような思考に至ることがうつ病の症状なのですが、当時は自分の思考を客観視することが出来ず、苦しみぬきました。

職場では、なるべく元気に振る舞っていましたが、言動が空回りすることもあり、他人への不信感から人の言動を過度に悪く受けとったり、攻撃的、感情的になることもありました。そのことで人間関係も悪化しました。

加えて、薬の影響で、急な眠気で仕事中に揺さぶられても起きられないほど眠りこむこともありました。

当時、同僚から、
「完璧な状態で患者さんに向き合えないなら、現場に立つべきじゃないと思うよ」

と言われ、深く心に刺さった記憶が鮮明に残っています。私は直接医療行為を行う立場の職種ではなく、接遇や事務が主たる仕事ですから、直接事故に繋がることは少ないものの、確かに心身が弱っている状態では、良い仕事ができないのは事実です。

元気な時の私はとても仕事が好きでした。そして全力で仕事をしてきました。誰よりも、病気になって、それが出来ないことが苦しかったので、いっそのこと消えてなくなりたいとも思いました。

当時の話はこれぐらいにいたしましょう。

~☆~

うつ病にかかってしまうと、いくら「こういうふうに考えた方がいいと思う」と人から言われたり、自分自身でもそう思っても、気持ちの切りかえが難しくなります。身体症状も、自分ではコントロールできません。

よく一般的に言われることですが、
「眠れないなんて、日中運動していないからじゃないの?疲れたら眠れるんだから気にするからダメなのよ」
こうしたことです。また、睡眠時間が短くても苦にしない人もおられるでしょう。

うつになりにくい暮らし方で、最も気にしてほしいことが
「気にすること」「気のせい」なのです。

例えば、うつの症状で自殺したくなることを、単なる「気のせい」で片付けていいのでしょうか?

カウンセリングでは、「自分の気持ち」を最も重視します。

うつのような状態では、周囲の状況や他人の言葉、常識、一般的といった、漠然としたものに捉われ、身動きが取れなくなりますので、それはいったん脇に置いて、ひたすら 「自分の気持ち」「自分の感じ方」に意識を向けるのです。

うつにならないためには、普段から、「自分の気持ち」「自分の感じ方」を大切にすることです。

誤解があってはいけないので、付け加えますが、うつ病となれば、それは病気ですから、他の病気と同様、どんなに予防していても、かかる場合もあります。考え方次第で絶対にかからないということではありません。

家族に糖尿病や高血圧症の人がいれば、自分もそうなる可能性が高い。だから普段から運動したり塩分を控えたりするように、落ち込みやすい傾向がある人。神経質な人。思いこみの強い人。ストレスを感じる機会の多い人は、予防策として考えていただきたいと思います。

シンプルに言葉にしてみます。

「眠れないなんて気にするからだと言われるが、自分は眠れないことが辛いのだ」
「普段は普通にこなせていたことができないことが辛いのだ」

これが、追い詰められている時は、

「眠れないぐらいで日常生活に支障をきたすなんて自分はダメな人間だ」
「なんで、この程度のことができないのか?自分はもっと頑張らねばならない」

となったりします。また、周囲から、自分の観念を強化するように、叱咤激励されている場合が多いと言えます。

私たちは普段、職種や立場、さまざまな影響を受けながら、固定観念を練り上げています。
「医療者たるもの」「教師たるもの」「主婦たるもの」「社長たるもの」

それが悪いと言っているわけではなく、病気の予防あるいは治療と捉えたとき、社会的な役割は外して感じることも大切だと思っていただきたいのです。

そして、一人が一つの役割だけを担っているわけではなく、職業人で、妻で、母で、娘で、地域人で・・・と同時に何役もこなしていることでしょう。このように、役割を演じ分けることができるのは人間だけです。とても高度な技術ですなのです。

「眠れないだけでも今は、辛い」
「本当はこれをやりたいのに今は、できないことが辛い」

暗いトンネルの中にいるような感覚かもしれませんが、「今は・・・」と付け足して、言葉にしてみてください。

「ずっとこのままかもしれない」
「今は」感じておられるかもしれませんが、今の感覚が未来もずっと続くわけではないのです。過去の自分と今の自分が異なるように、必ず癒えていきます。

そう、
「今は休もう」
「今だけは休もう」

それを自分に許してあげられるのは自分自身です。

庭のシャラの木は葉を落とし、春を待っています。森の木々は紅葉していた葉を落とし始めました。
季節は巡ります。

山口市宮野(緑ヶ丘)で営む小さなカウンセリングルーム
かきかわ統合医療相談室

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする