こころがかるくなる心理カウンセラーかきかわのブログ

山口市で心療カウンセリングルームを営みながら日常のエピソードをまじえて泣いたり笑ったり感情を動かすお話を掲載しています。

他人の言動に振り回されずありのままに生きていく方法

2015-10-12 11:34:28 | 日記
「私は...」ではじまる文章を10個書いてみてください。

私は、欠点だらけの人間だ
私は、太っていている
私は、神経質だ
私は、人の評価を気にする
私は、大らかだと思われていたい
私は、犬が好きだ
私は、優柔不断だ
私は、読書好きだ
私は、人ごみが嫌いだ
私は、小さなミスでも気にする

今、私が思いつくところで書いてみました。実際に、講座やミニセミナーでは性格的特徴を書かれることが最も多く、次いで身体的特徴、そしてごく少数が、好みについてでした。

また、性格的特徴については、自分では弱点、欠点と思う部分を書かれます。

さて、私が書いた10個の文章を読んで、私をご存じでない方はどういう人物像を思い描かれたでしょうか?
内向的で、神経質で、いじけていて、暗い感じ?
「私と近いかも...」「こんな人がカウンセラーで大丈夫?」

あるいは、私をご存知の方はどういうふうに思われましたか?
「やっぱりねえ」「そんなふうに見えない」
色々とご意見はあると思います。(笑)

ありのままで生きていくというのは、現状で満足しなさいと言っているのではなく、弱みは弱みとして「そういうところがあるんだよね」と受け入れるということです。

そもそも、欠点だらけの、欠点とは何のこと?
太っているって誰と比べて?日本女性の標準値?
神経質とはどんな感じ?

ひとつひとつの言葉について突き詰めて考えていくと、どれも基準は曖昧なのです。
おそらく、無意識のうちに判断基準にしているのは、自分の周囲の人々でしょうか?

「もう少し、楽に考えてみたら」「ちょっとぽっちゃりした?」「細かいこと気にしすぎなんじゃない」

たとえば、こんな言葉をかけられていたとしたら、知らず知らずのうちに、「私は神経質」「私は太っている」と自己暗示にかかるかもしれませんね。それだけだと良いのですが、他人からこのように指摘されると、「それは欠点なのだ」と思いこむことが、問題なのです。

ありのままで生きていくためには、「他人から言われたことについて、それは直さないといけないことなのだろうか?変える必要があることなのだろうか?」これを考えてみることです。

どう考えてもメタボ体型で、このままだと不健康。生活習慣病も気になる。ならばダイエットに励むもよし。一方で、健康診断では、標準で、着たい洋服もそこそこに着ることができている。そして健康体。だけど、職場のイケメンの〇〇君に言われたから・・・、こうした理由でやみくもに、それを欠点と認識するのはいかがなものでしょうか?

性格的な面では、神経質だからこそ、活かされる面もたくさんあると思います。

明るくてハキハキして、気配りはできるけど、人の欠点については大らかに認めてくれる、いわゆるいい人。
それを目指すのはやめてみませんか?

ただし、ソーシャルスキルとして、そういう仮面をかけることは、賛成です。

どういう意味かというと、他人にとってのいい人とは、その人の話しをよく聞いてくれて、批判をせず、受けとめてくれる。そして、求めることについて、出来る限り気配りができて、過去の失敗、失言については許してくれる。こういう人になるためには、何も性格を変えなくても、共感力を身につけるだけで十分対応できます。

共感力とは、相手が言ったことに対して、「あなたは、そう思われるのですね」と相手の意見として聞くだけで、同意とは異なり、相手に合わせて自分を変えることではありません。

「この部屋暑いですね」
→「(あなたは)暑いのですね」

と、受けとめることです。この時、自分が暑いと感じているか否かは関係ありません。この例だと、自分のことを直接言われていないので、理解できても、直接自分への意見を言われると、違って聞こえてきます。

「君、太ったんじゃない?」
→「・・・」

あなたがそう思っただけで、私はそうは思わないと割り切れないのです。性格的なことも同様です。相手に好まれるためには、変えないといけないと考えるからです。

しかし、冷静に考えてみてください。身体的特徴については、挨拶がわり程度に言われていることも多く、それほど意味がない場合もありますし、性格的なことに関しては、「私にとっては、寛大であってほしい」という願望を言われていることや、価値基準が自分と同じだと関わりやすいと求められているに過ぎないのです。

また、元々自分が欠点だと気にしていることを指摘されて、ダメ意識を強化している場合もあります。

だとすれば、「あなたの気持ちとは同じではないけれど、あなたの気持ちは理解しているよ」という意味の共感で十分なのです。

これ、全部私の特徴ですが、それが何か?
胸をはって、生きていきませんか。そう、ありのままで。


緑豊かな自宅で営む小さな心療カウンセリングルーム
かきかわ統合医療相談室






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