こころがかるくなる心理カウンセラーかきかわのブログ

山口市で心療カウンセリングルームを営みながら日常のエピソードをまじえて泣いたり笑ったり感情を動かすお話を掲載しています。

夫婦、恋愛カウンセリングを通して五月病を考える

2013-05-06 20:57:32 | 日記
カウンセリングでは、誰にも言えない悩みを個人でご相談におみえになられることも多いですが、ご夫婦、恋人同士、ご家族など複数でこられることも増えてきています。


また、最初はお一人でおみえになられても、悩みの多くは対人関係の問題につながるため、解決していく段階でその方を取り巻く周囲の方々をまじえることが有効な場合もあります。


~☆~☆~☆~


五月病の要因でもありますが、こころの健康に与える影響として、何らかの変化に適応するためのストレスがあります。


さまざまな研究からは、「配偶者の死」「離婚」「配偶者との別れ」「親密な家族メンバーの死」「怪我や病気」「結婚」

「失職」「職場の異動」「経済上の変化」「仕事上のトラブル」「配偶者、パートナーとのトラブル」「妊娠」「特別な成功」


など、悲しいことだけでなく、一見すれば、うれしい出来事にもストレスは生じるわけです。

つまり、変化するということはそれがどんな出来事であれ、適応するため、ストレスは生じます。


様々な変化に適応するためには、変化した現状のありのままの自分を受けいれることを支えてくれるパートナーの役割は大きいと言えます。

誰かに話すという行為で、自分の状況を客観視することができるということもあります。

とはいえ、これを読まれて、自分はパートナーを頼りにしていないし、相談もしないとおっしゃるかたもおられるでしょう。特に男性の場合、

パートナーに相談しないことも多いようです。



親子や兄弟と違って、夫婦や恋人とは育ってきた環境が異なるわけですから、価値観も違って当然です。その「違い」は元々あるものですが、

交際期間中、特に互いに気持ちが高まっている時=ラブラブの時は相手に対して譲歩しあうため、目立たなくなっています。


違い、ズレを互いに尊重し合える時は、良いのですが、人生山あり谷あり・・・いつも寛容にうけいれられるとは限りません。


ズレというものは、互いにそれを埋める努力をしていないと どんどん広がっていくとも言えます。ところが、実際に近しい存在になれば、

「 これぐらいは、相手がわかってくれるだろう。」

と考えがちになります。


カウンセリングでは、特別なことをするわけではなく、元々あった互いの価値観、考え方の違いやズレを明らかにして、素直に向き合うお手伝いをさせていただきます。


例えば実際のやり取りでは、

「 お隣のご主人なら、家事もやってくれるし、子供の勉強もみてくれる。センスのいい洋服を着て、テニスも出来るし。」

「 ・・・。」

「 ねえ、聞いてるの?」



カウンセリングでは、一番最初からパートナーと揃って来られることは稀です。最初は女性お一人で来られることがほとんどです。

実際にあったやりとりを詳細に再現していただいたあと、本当に言いたかったこと、気持ちを整理していくと、

「 君も疲れているんだよね。ありがとう。」

と言ってもらえるだけでもいい。そんなふうに落ち着くことがあります。

では、その求めを素直に表現していますか?と尋ねると、口を開くと喧嘩になるとおっしゃいます。


実際に、互いにピリピリしていると、自分が何を本当に求めているのかが感じられなくなることもあります。

言われた側は、言葉をそのまま解釈して、隣の旦那のように出来るか!!

となりますし、責められたと感じれば防御本能が働くでしょう。


よくあることですが、女性の本音

聞いてもらえるだけでいいの。結論も意見も求めているわけじゃないの。


そして、これもよくあることですが、男性の本音

聞くだけでは、何の解決にもならんだろう。俺が意見を言ってやらんにゃあ。


お互いにこうした考え方のズレがあると、かみ合わないわけです。

これを修正する方法で、最もシンプルなのは、自分がこうしてほしいと伝えること。そして、相手に対してどうしてあげればよいのか

迷った時は、率直に聞くことです。


「 聞いてくれるだけで気持ちが楽になるから。」

「 あなたのために、どうするのが一番いいかしら?」


五月病は、正式な病名ではなく、環境の変化にともない、最初はやる気があったのに慣れないことで不安がつのり、お仕事や勉強に

意欲を失ってしまう状態です。


その状況を解決するには、パートナーや親、身近な人々に不安を話すことも大切なことです。

新しい環境になじめずストレスを感じている時は、古い友人と連絡をとるなど、視点を変えてみることも良いでしょう。

心配をかけたくなくて話さずにいても、ため息が増えたり、家に帰ると常にイライラしたり、態度に出ていれば、これまでは上手くいっていた関係性にヒビが入ることもありますし、互いに相手のためにどうすればいいのか対処法がわからないためこじれてしまうこともあります。


今、何らかのネガティブ感情にとらわれているなら、それは、現状を変えて成長するチャンスです。


悩みの種を発見して、自分のいつもの考え方や捉われに気づき、ベクトルを修正していきましょう。

爽やかな季節になりました。

野鳥がさえずる森に囲まれたルームに、お気軽にお訪ねくださいませ。


HABAHABA5月号に掲載していただきました。
電子ブック版はこちら
http://habahabawebbook.soreccha.jp/



かきかわ統合医療相談室


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