こころがかるくなる心理カウンセラーかきかわのブログ

山口市で心療カウンセリングルームを営みながら日常のエピソードをまじえて泣いたり笑ったり感情を動かすお話を掲載しています。

桜の写真集でのつながり

2012-01-06 21:50:40 | 日記
私が初めて医療の世界に関わった時最初にお世話になった京都の耳鼻咽喉科の院長先生とは16年のお付き合いになります。

そこでのお勤めは4年程でした。

10年前に山口に引っ越してきてからは実際にお会いしたのは2度程でしょうか?

桜がお好きな先生で、ロータリークラブで植樹されることをライフワークになさっていました。


昨年には、

「 あの頃植えた桜がこんなに大きくなったんだよ・・・。」 

と記念に作られた写真集をお送りくださいました。



懐かしい宇治川の流れ。

川面を見つめるように植えられた滝桜。


京都府南部を中心に、植えられたところは数多くどこも懐かしい景色で心があたたかくなります。

伏見にある本院と京田辺市の分院との間を電車で通っておられましたが、ある時は背丈ほどある桜の木を

電車で抱えて持って来られて驚いたこともありました。


木のことになると、一生懸命なのですね。


とてもお元気だった先生が、数年前に脳梗塞で倒れられ、右半身が不自由になられてからも、左手で筆をとられて

必ず年賀状を頂戴していました。



ところが昨年写真集をお送りいただいた際には、来年は賀状は失礼するかもしれません・・・と書かれていて。

そして、今年はその予告どおりに、届かなかったのです。


近況を知人に尋ねることは可能です。

私はそれをせずに、写真集を懐かしく眺めています。


写真集には、写真だけではなく私にはカメラを構える先生のお姿が目に浮かびます。

どのお写真にもすべて存在するのです。


次に京都に帰る折には、写真集の場所を歩いてみたいです。


出会いはすべて尊いです。


思う存分不妊治療に力を注げたのは、この先生のおかげです。

京都市街地にある不妊専門クリニックに通うためのお金を稼ぎ、毎日注射に通わねばならないため時間も

必要でしたが、それも叶えてくださいました。


子供を産むことはとうとうできませんでしたが、出来る限りのことが出来たことへの感謝の思いは

私の生きる礎になっています。


歩んでいる時は、苦しい日々であったのかもしれませんが、越えてきた今はすべて思い出です。

桜が大きくなるように私も少しは成長したのでしょうか?


時に災害にあって枝が傷ついても、一生懸命自分で手当てをしようとして、残る枝で精一杯

花を咲かせて実を結ぼうとする。


おそらく、その一冊の写真集は私にとっては一冊でも先生は相当な数を発送されたのだと想像します。

残る左手で懸命に鏡文を添えて、ご縁を絶やさず繋ごうとしていただいたこと・・・


決して忘れません。

ありがとうございます。


春は必ずきます。

冬のあとは、春がきますね。

春よ来い、早く来い。



かきかわ統合医療相談室

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする