日々の出来事を写真と共に

身近に起こる出来事、感想を写真と共に綴ります・・・

心地よく引き込まれる

2015-02-17 | 読書
【2015.02.17(tue)】
頭の中に想い浮かべる風景

・昨年(2014年)のことですが、雑誌・文學界の6月号で興味を引かれた作品がありました。



・ちょうど村上氏の<女のいない男たち>を読み終えた頃だったので、評論家の方達がこの短編集の書評を寄せられていたのを読みました。ちょっと解釈が難しい。

・もう一つは柴崎友香さんの<春の庭>
文學界に発表された後、第151回芥川賞を受賞した作品ですが、当時は未だ単行本にはなってませんでした。
(その後2014/7/30に発売)

・舞台は東京世田谷。
高級住宅地の側面を持ちながら、入り組んだ路地の中に様々な建物が混在する街。
この地域を走る為にナビが開発されたという話が真実味を帯びてきます。

・「春の庭」というのは、主人公が知り合うことになった漫画家の女性が持っていた“写真集”の題名であり、
これが話の流れの中でずっとキーになっている。
なんの変哲もなさそうな日常シーンから話はスタートします。
随所にユーモアが感じられる彼女の文体は、心地よく感じられ一気に読んでしまいました。

・空間や、物体の位置関係の描き方に独特のセンスがあるのでしょう。
ふつう情景描写の文章は情報が足りなかったり、逆に冗長だったりすれば直ぐに考える気が失せます。

・彼女の文章は飾りも無駄も感じられず、極めて歯切れがいい。
作り手がどんな情景を描こうとしているのかを頭の中で思い浮かべ、
自分もその空間を共有してついて行こうと努力させられる…これが作者の筆力なのですね。

・少し前、<NHK短歌>を見ていましたら、柴崎さんがゲストで出演されていました。短歌と短編小説は作り方に共通点があるように思う…と言ったお話をされていました。とても穏やかな語り口です。
益々ファンになりました。

・今は1月に発行された<パノララ>を読んでいます。
この話の中にも又おかしな建物が登場し、それを想像してみる楽しさがありそう
400pを超す長編です。恐らく借り直しをして読むことになるでしょう。



・上の作品にも関係しますが、彼女はパノラマ写真を撮るのがお好きなようですね。

I think her sensibility so great.

I.O
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