「白川古事考」という、戦国時代の歴史資料を集めて編纂し、考察を交えて発表したのは江戸時代中期の奥州白河藩松平定信公が隠居してからで、老公の命を受けた老臣広瀬典によって序巻から六巻までを編集したもの。この歴史書を通読してみると、歴史書が世に出ることで快く思わない人もいたようである。広瀬典が藩内を初め諸藩の関係先を訪ね行きした折りに、古文書収集または事績確認の過程で困った様子がチラと見える。「この者親戚多し」を類推すると、抵抗もあったとみる。謎は「巻ノ四 その3」にある大塚氏の菩提寺にあるようだ。今更歴史を引っくり返すつもりもなければ、世に問うことも皆無であるが、ただ存在を否定されては困る。如何様な状態であれ人格の存在は認めなくてはならない。この白河古事考をほぼ現代文に訳出したことで、不当な非難にあっているのであれば、ユダヤ人呼称のイスラエル人とユダヤの血を受け継ぐパレスチナ人との関係、現在ではロシアによる侵攻と迫害に遭うウクライナの存在の危機と類似する問題でもある。ブログには様々な創作物や転用作品があふれているけれど、意図した誹謗中傷は最近では見られない。口伝てに広がる誹謗中傷の闇の中に広がる不条理こそ、古代インドのアショカ王とダイバダッタの関係に似て、見苦しい妬みそねみが潜んでいるのである。
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