月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
コメントはゲスト・ルームにのみお書きください。

アルデバラン・53

2021-11-16 05:19:22 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿が天使の真似をして
自分はきれいになれたつもりで
気取って世間を歩いている
それがどんなにおかしく見えるか
馬鹿はまるで気づいていない

普通それだけきれいになれば
虚栄などとっくに脱ぎ捨てているものなのだ
それなのにおまえは
ごてごてといらぬものをつけて着飾る
化粧をし服を選び
いやらしいほど表面を磨き上げる

本当に美しいものは
真面目に自分を勉強し
こつこつと段階を上がっていくものなのだ
それなのにおまえは
盗みで一足飛びにきれいになろうとする
ゆえに修行の足りない歪んだ心が
目からきつく突き出ている

そのなりが
きれいだと思っているのか
天使の外面だけ盗んで
自分ばかりきれいにしている心が
醜いということにいつ気づくのか
いつ心に入るのか

美とは心の宝なのだ
よきものに神が与える喜びなのだ
それを横から盗み
自分だけの幸せのために利用するものは
寒気がするほど醜い

馬鹿はやめよ
せっかくきれいになれたのにと
嘘の美貌を惜しむな
そんなものはかなぐり捨て
本当の自分に戻れ

その形が今は
どんなに未熟であろうと
そこから
本当の自分の美が始まってゆくのだ





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トリアングルム・49 | トップ | テッラ・22 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

詩集・瑠璃の籠」カテゴリの最新記事