月の岩戸

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カノープス・60

2021-06-05 05:06:46 | 詩集・瑠璃の籠

いまだに
その程度なのか

この美しい神の世界に住み
何もかもを神にやってもらいながら
おまえはいまだに
人の心もわからず
嘘で作ったはりぼての自分で
神をだまそうとするのか

おまえは
だれも愛してはいない
人も 神も
自分自身でさえも
その憎らしい孤独を癒し
唯一神のように自分だけを高くするために
おまえは神を利用しているのだ
神のように高くなれば
すべてを馬鹿にすることができると

あほうめ
神のように高くなりたいなら
自分を下げよ
人を愛し
下僕のように仕え
隅々まで心をめぐらし
人が生きやすいように
すべてを整えていくのだ
それができるのが
神というものぞ

孤独を気取り
神の高みを目指すつもりで
あほらしい知恵を回すでない
傲慢の鼻を自ら折り
人に頭を下げていかねば
神にはなれぬのだ

おまえは
万年の試みを尽くしても
いまだに人の心がわからぬのか
嘘で気取ったその人生を生きるために
どれだけの人間を馬鹿にしているか
まるでわからないわけでもあるまい

奥底の痛みをごまかし
あくまでも嘘で
自分を高くしようとするものを
もう神は拒否される
二度と愛しはすまいと

二度と愛しはすまいと





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