月の岩戸

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タラゼド・7

2018-08-16 04:13:21 | 詩集・瑠璃の籠

焦って見栄えをよくするでない

人間は自分がいやなあまり
無理によいものになろうとして
見栄えばかりをことさらに磨くが
それはもうよしたほうがよい

もうどんな人間にも
その人間の本当の姿が
本当の心が
みぬけるようになったからだ

天使が美しいからと言って
天使のように自分を
美しくしすぎたり
高くしすぎたり
するのではない
それはあまりにも恥ずかしいことだ

見栄えは天使のように美しく整いすぎているのに
中には猿のように寂しい心が見える
そんな姿をみなにさらしているというのに
馬鹿なものはまだやめられない

気違いかと思えるほど
肌を白くする
髪を清くする
まなこをみがきあげる
もうやめなさい

本当の自分をいためつけてまで
自分を天使にしたがるのは
あまりにも自分を馬鹿だと思いすぎているからだ
逃げることはできない本当の自分から
永遠に逃げようともがいているからだ
それは苦しみしか呼び出さない

神の与えてくれる
人間にちょうどいい美をよろこびなさい
それを天使と比べて
愚かなものと言ってはならない
人間には人間らしい美があるのだ
人間は人間らしいのが美しいのだ

天使のように見せようとして
みっともないことをするのではない
さみしい自分の心があからさまに見えるのを
まだわからないか




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