月の岩戸

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ひとつの星

2013-01-03 06:17:51 | 月夜の考古学

実はわたしにとって、もっとも苦手なものは、「片づけ」ということです。何せ、次から次へと絵を描き、詩文や物語など書くものの、それをきれいに分類して片づけるということが、できない。で、絵や、詩を書いた紙やノートなどを、気軽にそこらへんにおいて、なくしてしまい、いつの間にか忘れてしまうことなど、よくあることで。

ですが先日、どうしても、書斎にしている部屋を片付けねばならない事態になりまして、わたしなりに片づけをしたところ、いや、出てくるのですな。昔描いた絵だの詩だのが。これがけっこう、いいものでして、それでわたしはしばし、自室の引き出しや、部屋の隅に山積みにしている絵の束や、書棚や、同人誌の箱を押し込んである、押し入れや、机の下の籠の中だの、いろいろ発掘してみたのです。そしたら、いろいろなものが出てきまして。

で、その発掘品のひとつがこれ。詩人を名乗るわたしの、唯一の詩集、「ひとつの星」です。南野珠子の名前で作ってあるから、たぶん四十代はじめころの制作ではないかな。(あ、今見てみたら、二〇〇六年11月の発行と書いてある。)表紙の切り絵も、中身の挿絵も詩も、製本にいたるまで、すべて手作り。世界でこれ一冊しかない代物です。表紙に描いてあるのはうさぎ竜です。



最初のページを開けると、こういう絵があります。私には珍しく、三色の紙を使った切り絵です。本のサイズが文庫本サイズなので、かなり小さな切り絵ですが、細かなところも丁寧に切ってあります。日、月、星、樹木に天使。なんとなく、自分の中にある、まだ整理しきれていなかったイメージが描かれている。



またページを開けると、こういう絵が出てきます。ご承知のとおり、これはもちろん、受胎告知の図です。タイトルと木を挟んで、右側が聖母マリア、左側が大天使ガブリエル。

この小さな手作りの詩集の中には、六編の小さな詩と、それに添えた小さな切り絵があります。

明日は、この詩集の中から、一編だけ、切り絵と詩を紹介してみましょう。

カテゴリ「月夜の考古学」は、わたしの部屋を発掘して出てきた昔の作品を紹介するというテーマでお送りします。
昨日なんか、めったに開けたことのない引き出しの底から、かなりきれいなイラストを見つけました。わたしの部屋は謎の記憶の地層だ。どんなものが出てくるか、これからもお楽しみに。

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