月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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レサト・3

2019-04-25 04:30:50 | 詩集・瑠璃の籠

終末の風の中にひとり立ち
夕暮れを見る目の中に林檎を生む
永遠の喉の奥に生えた茸を食べ
何者かに変容していく自分を憎む

何をしてこうなったと呪う舌が
灰のリボンのように風の中をさまよい
沈黙の荒ぶる夜の中に
這いつくばる罪を踏み潰す

あこがれの神の巨体を蟻で作り
永遠の虚無をつめて自分の影にした
群盲の太陽が溶ける前に
月を自分の女にしようとして
天地をひっくり返した

たまごがつぶれるように
おまえのさみしさがあふれ出てくる
深更の叫びの中に倒れる
意地汚い自分のすべてを埋めるために
おまえは世界のすべてを欲しがった

おまえは
永遠の死の巨岩となるために
永遠に自分をふさいだのだ
永遠に出てくるなと言って
永遠の岩に自分をはりつけたのだ
あほうめ

銀砂の降り注ぐ世界の境界で
鉛の味のする孤独をなめながら
しびれていく舌をひきちぎり
ひきちぎり ひきちぎり
何枚もひきちぎり

おまえはすたれていく自分を
砂の蟻にあぶりつづけているのだ

永遠に苦しむ




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