光の帝国 常野物語

恩田陸さんの短編集。
短編がキライだった私が、「短編もいいかも」と思えた一冊。

膨大な書物を暗記する力、遠くの出来事を見通す力。。。常野からきたといわれる人々は、不思議な能力をもつ。それぞれ違ってはいるが、不思議な力を持ちながら、普通の人々との間に、ひっそりと暮らしている。。
「不思議な力」とあるが、ファンタジー的なものではないです。もっと、人間の心、本質の奥に迫ってくるもの。
一言で言えば、奥が深い。(まんまじゃん。。)

初めて、本で泣いた。作られた「感動」「悲しみ」ではなく、読み進めていくうちに、「あれ？私、泣いてる？」という感じのもの。

やはりすきなのは、「常野物語」。次に「草取り」「黒い塔」「国道を降りて・・・」どれも、心の中に、たしかに残る話でした。