ギョレメの街に泊まったから、目指す聖堂「大鳩小屋の聖堂」までは
タクシーを使ってすぐに行くことができた。
少し小雨が降っていたけれど、聖堂の中に入ってしまえばこっちのもの。じっくりゆっくり。
もとあった階段は崩れ落ちたので、金属製に代えられています。
木のドアの向こう側に、大塚美術館に複製のある場面「キリストの埋葬と復活」がある。
こちらがその「キリストの埋葬と復活」の場面。私のしょぼいカメラではぼやけているけど。
柱の中の場面が「埋葬」。いつものようにアリマタヤのヨセフとニコデモがキリストの遺体を
抱えている。そしてその右側が「復活」。聖女たちがキリストのお墓を訪ねてきたら、天使が
すわっていて、「ここにはいないよ」とお墓の中に残された屍衣を指差している。
天井は筒型になっています。フレスコ画の保存状態がいいと言われている聖堂のひとつだけど、
現地のガイドには、トカルキリッセ(ギョレメにあるトカル聖堂)の幼稚な真似だと書かれてる。
すごい言いようだなぁもぉ。
こちらは「キリストの洗礼」。このカッパドキア独特の五右衛門風呂
のようなヨルダン川がめちゃくちゃ好き。
ここは963-969年にビザンティン帝国の皇帝であったニケフォロス2世に
捧げられた聖堂。カッパドキア出身の有能な軍人皇帝だったニケフォロス2世は、
妻テオファノに疎まれて暗殺されてしまうけれど、帝国を強大に拡大していくために、
素晴らしく力を発揮した皇帝でした。そんな皇帝の夢は帝位を退いて修道院に入ること。
戦場でも宮殿でも修道士のように暮らしていたそうです。
妻テオファノ。夫を暗殺するくらいなら修道院にいれてやればよかったではないか。
そういえるのは平和な世の中で権力が何かも知らず暮らしている人間の発想か。
チャウシンの村にポツンとあるこの聖堂に佇んで、ひんやりした空気の中で
歴史を想ったら、なんともいえない感動がこみあげてくる。
あ~再び私はこの地に立っているんだ。カッパドキア二日目の朝。
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