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Adagietto

アダージェット 
大人だって毎日いろんなことを発見し、経験するのだ。
心にのこる 毎日を♪

◇ 雨の効果

2009年07月02日 | 名画に出会う

 
   


     やっと梅雨らしく雨が降っているような気がします。
     夜に音をたてて降る雨の音に、なぜか癒されます。
     乾いているからな~この頃。いろいろ。ちょっと潤ったかな。

     雨を描いた絵の中で一番のお気に入りは、
     カイユボットの「雨の効果」
     ときどき画集でこの絵をぼ~っと眺めています。
     オリジナルを観にいきたいものだな~。




○ 雨の音

2009年02月27日 | 名画に出会う


  

  さっきから雨が降りはじめました。
  学生の頃はものすごく雨が嫌いでしかたなかったのに、いつのまにか
  好きになっていた。

  雨が降ったら、ときどきこの絵を思い出す。
  カイユボットの絵、好きだな。
  印象派の画集をみていても、「あ、これ好き」って思ったらカイユボット
  だったってことがよくあった。
  
  この絵、雨のにおいがします。

  そうだ、今年はもう考えちゃったから仕方ないけど、来年は雨をテーマにした
  イベントを考えようっと。

● 北方の衝撃 『ポルティナーリ祭壇画』

2007年09月27日 | 名画に出会う


イタリアにルネサンスが花開いていた頃、フランドル(ベルギー西部からフランス北端)地方は、
貿易業などで栄え、イタリアとはまた違った美の世界が展開していました。



(ヒューホ・ファン・デル・フース 「羊飼いの礼拝」 ウフィッツィ美術館)(大塚美術館ルネサンス5 複製)


このポルティナーリ祭壇画(羊飼いの礼拝)は、メディチ銀行ブリュージュ支店の
支配人トンマーゾ・ポルティナーリが、当時フランドルで活躍していたフースに注文しました。


ヒューホ・ファン・デル・フースはとても名声もあって、一時はヘントの画家組合長になるなどの
活躍ぶりだったのに、「ファン・エイクを超えられない・・・・」という苦しみから、
この祭壇画を制作した直後(1475年頃)、修道院に入ってしまいます。
その後もボチボチ制作はしていたけれど、1481年に精神錯乱で自殺未遂をします。


ところで祭壇画の注文主のトンマーゾさんは、この作品を船に乗せて1483年に
フィレンツェに帰ります。そしてサンタ・マリア・ヌオーヴォ病院内にあるサン・テリージオ聖堂の自分専用の
礼拝堂に飾ったところ、これがまたタチマチ大評判になったのです。


フィレンツェの画家たちに衝撃を与えた理由はいくつかあるけれど、
そのひとつがキリスト降誕のお祝いに駆けつける羊飼いたちの姿です。


       

理想化をしない庶民の姿。
フースによって描かれた羊飼いたちは、救世主の誕生を純粋に喜び、
好奇心に満ちた興味津々の表情でのぞきこみ、驚いています。
天使たちのポーカーフェイス??とは全然違います。
この表情の差によって位を描き分けているそうです。


この羊飼いたちの絵に強く影響されたのが、初期ルネサンスの画家ギルランダイオと、
レオナルド・ダ・ヴィンチです。


        
        (ギルランダイオ 『老人と孫』 ルーヴル美術館)
        (大塚美術館 ルネサンス12 複製)


この作品はフィレンツェ初期ルネサンスの肖像画の中では、特別な一枚です。

加齢を理想化することなく、写実主義の名の下にいかなる部分も
詳細に描かれています。

ギルランダイオが北方の絵画のリアリズムにいい影響を受けることで、
それまでのフィレンツェの絵の最大の特徴であった『無表情』が、次第に変化
していくようになります。
レオナルド・ダ・ヴィンチも、ポルティナーリ祭壇画の羊飼いの表情に
影響を受け、「人相学」を研究したと言われています。

この『老人と孫』は、とても温かい絵です。
おじいさんと孫の信頼関係まで感じ取れるような気がします。

● ミッデルハルニスの並木道

2007年09月22日 | 名画に出会う
   ホッベマ『ミッデルハルニスの並木道』 ロンドン・ナショナルギャラリー



中学生のとき、学校の授業でこの絵で一点透視図法を勉強し、実際に描いてみた記憶がある。
私はこの並木道を「ビル群」に変えてしまった・・・。

この「ミッデルハルニスの並木道」は、遠近法の典型的な作例だけれど、それだけではなく、
この作品には17世紀オランダに生きた人々の「誇り」が描かれている。

描かれている並木は、今日の都会での「景観をよくする」とか「空気をきれいにする」
という目的でもなく、田舎の畑に日陰を作る目的でもない。
この木々は、道の両側にある人の手によって作られた水路に対して道を守るという大切な
お役目がある。水の力はすごいから、根っこをはらせて土が流されないようにしいる。

絵の手前(右)に描かれているのは、苗木を植えている人。
道に植えられている大きな木と同じ種類の木を植えているんですね。
小さい苗木のときから木の先端だけにモジャッと葉っぱがついているのは
道の大きな木と同じです(笑)
それにしてもヨロヨロとして、たよりなさそうな木だな~。
根っこはすごいのかしら・・・・。

この風景を通して画家が主張したいのは、木や水路だけが人間によって作られたのではなく、
土地を含めて、ここにあるすべてのものを自分たちの手によって作ったのだ・・・ということ。

オランダという国は、国土の何十パーセントかの部分は、水面下にあった。
オランダは、水と戦い、国土をつくり上げてきた。
もともと水面下であったところを、堤防で海水が入り込まないようにして、そこを干上がらせて
土を入れて干拓する。農地や牧草地にするために。

このような大々的な干拓が17世紀オランダで行われていた。


      港も船も、水路も土地も、すべて自分たちがつくり上げた。
      海であったところを我々は緑ある豊かな土地に変えたのだ。

  そんな17世紀オランダ人の「自信」と「誇り」が、この作品に秘められている。

○ 高い場所からの眺め

2007年09月16日 | 名画に出会う
        


       印象派の画家たちのなかでは、それほど有名とは言えないけれど
      私はフレデリック・バジールの絵が好き。
      特にこの『キャステルノー=ル=レズの村の眺め』は素敵だなと思う。
      私が肖像画を依頼するなら、是非この絵のように「高い場所からの景色」
      を背景に描いてほしい(誰も肖像画を描いてくれないと思うけど・笑)

○ 祈る人

2007年07月30日 | 名画に出会う
     【祈る人(キリスト)ソルソーナ美術館】



一年前に初期キリスト教美術の本を読んでいたときに発見して、
ばか笑いをしてしまったフレスコ壁画(スイマセン)


「祈る人」というタイトルがつけられているが、
その顔は贔屓目にみても祈っているように見えない

バルセロナの北、ペデレットにあるサン・キルセ聖堂のフレスコ画で、
現在は美術館に所蔵されているらしい。
オランス(祈り)のポーズで十字架を形作り、復活の象徴である鳥を描き
キリストを表現しているものらしい。

スペインのカタルーニャロマネスク。
愛すべき図像たちだ
「聖なるもの」と「粗野なもの」の驚くべき共存が
スペインの中世美術にはあるような気がする。

◇ 銀色のお気に入り  アルマ=タデマ

2007年06月15日 | 名画に出会う
何年か前の猛暑日に、大塚国際美術館の近代展示のところで
発見して心惹かれた作品。
この絵を見つけた瞬間、すごくさわやかな気分になって、
小さな作品だけれど、世界が開けていく感じがした

アルマ=タデマが大理石を描くと、本当に美しい。
大理石の温度や柔らかさも伝わってきそうだ・・・。