Adagietto

アダージェット 
大人だって毎日いろんなことを発見し、経験するのだ。
心にのこる 毎日を♪

○ カミーユ・ピサロと印象派展~永遠の近代~ 兵庫県立美術館

2012年07月01日 | 美術館へ出かけて



   

   久しぶりの兵庫県立美術館。
   神戸に毎月研修に来てた頃は足しげく通っていたけど、その研修も午後からに
   なって、ついには研修も定期的には行かなくなってしまい、ここへ来るのが
   久しぶり。その久しぶりな私を迎えてくれたのは、このカエル。
   「美(ミ)カエル」というらしい。絶妙な素晴らしい名前だな(笑)


   

   久しぶりに来たら、なんかカエルといい、LEDライトといい、以前とは
   雰囲気が全然違っている。館内の空気も全然ちがうものになってた。
   
   なるほど・・・・
   あとで知ったけど、あの金沢21世紀美術館の館長だった蓑(ミノ)豊 氏が
   館長に就任していたのだ。ちょうど私がここに来なくなった2年ほど前から。

   今の美術界を、この経済状態のなかでひっぱっていけるのは、
   この蓑豊と、アートディレクターの北川フラムくらいではないかと思う。
   この2人は「信念」と「行動」と空気を変える力が半端ではない。


   

   ピサロって印象派の画家について勉強してるとき、いつも印象のいい人として
   あちこちに脇役で登場する画家だけど、こうしてピサロを中心として観賞できる
   っていうのは楽しみだなぁ。

  
   

   さぁてケーキを食べてと・・・・


   

   階段を上がって企画展示室に来ました。
   ピサロの生涯をたどりながら、運動不足のため、多少息も切らしながら。


   

   ピサロ。いつ見ても穏やかな絵で、穏やかな人なんだろうなって思ってたけど。
   2000通にも及ぶ書簡から浮かびあがる、苦悩、絶望、模索、葛藤・・・・
   あの穏やかな色の中にある「影」、「思想」
   考えたこともなかったな。ピサロが実は過激なところがあるなんて。

   「印象派とはなにか」について常に考え続けたピサロ。
   印象派展然8回にすべて参加したのはピサロ。
   無政府主義者「アナーキスト」だったピサロ。
   子だくさんで生活に困窮していたピサロ。
   ポルトガル系ユダヤ人としてのピサロ。
   エッフェル塔を鎌で刈ってやりたかったピサロ。
   ゴッホやセザンヌ、みんなピサロが好きだった。

   一人の人間てのは複雑なんだなぁ。
   生きて何かを極めるというのは、途方もなく大変なんだなぁ。


   

   「誰も見向きもしないような辺鄙な場所に美しいものを見る人こそ幸福である」

    ピサロの生涯や当時のパリの社会的状況を考えると、
    この言葉の意味や、ピサロの描く穏やかな色合いは、
    深い意味があるように思う。
   
    自由と平等と。
    今の世の中ではなんか違う響きに聞こえるけど。

    あの穏やかな色合いの向こうに見えてくる願いは、
    ピサロの描いた夢は、今、この世界に在るだろうか・・・


○ 永遠の永遠の永遠 草間彌生

2012年04月20日 | 美術館へ出かけて



   

   国立国際美術館の草間彌生展に行ってきました。


   

   幼い頃から身の回りの机や壁が、水玉や編み目などの模様で覆いつくされる
   という幻覚にたびたび襲われた草間彌生。


   

   襲い来る恐怖から逃れるために、そのイメージを絵にしていく。
   強いな。


   

   「悪魔が根負けするまでは、私の仕事もつづくのです。なぜなら悪魔は
    芸術の敵であり、それ以上に戦友だから・・・・。」 by草間彌生


   

   草間彌生の世界に包まれる。なんて強いんだろう、イメージとして。


   

   「わたし大好き」という草間彌生が創りだす強烈なイメージたち。
   自己愛を超えてたくさんの人を喜ばせ、別世界へと連れ出してくれる。


   

   魂の灯という光の作品。
   もっとその空間にずっといたかったけど。


   

   あーー楽しかった。


○ ウィーン静物画展

2009年02月18日 | 美術館へ出かけて


   とてもとても寒い1月の末の日曜日。
   いつものように神戸で研修。雪が降るかもしれないっていう予報だったけど、
   朝目覚めたら晴れてた。朝の6時過ぎの気温は痛いほどだった。

   
   

   徳島から明石海峡を渡るまではすごく晴れていたのに、
   須磨のトンネルをぬけたら、あたりは真っ白~。これには驚いたなぁもぅ。



   

   最近すっかり美術史の勉強を怠っていたので、久しぶりに刺激になりました。
   チューリップバブルとその崩壊。静物画に秘められた意味。
   今の世界の厳しさを含め、いろいろ考えさせられるエキシビションでした。


   

   美術館のレストランもしっかりウィーンモード。
   迷わず懐かしいウィンナーシュニッツェルをオーダー。
   ちょっと味は残念さんでしたが、まぁいいです。


   


   カフェに行こうとしたら、こどもたちのアート発見。
   廊下にテープ貼るわ貼るわ・・・・・楽しいけど・・・・。
   誰がはがすの??



   

   とっても寒い日だったけど、今日もきて良かったって思った。


◇ コロー展 ~神戸市立博物館~

2008年11月01日 | 美術館へ出かけて

ブリジストン美術館でコローの描く緑に悩殺されて数年、
突然コローびいきになった私は、今回の神戸での「コロー展」をとっても楽しみにしてた。




最近は兵庫県立美術館に行っていたから、神戸市立博物館は久しぶり。
そんなにまじまじと観たことがなかったけど、裏から建物を見たらパリっぽい。




あ~この何気ない光。描かれた場所も知らないのに懐かしい感じがする。
コローの絵を観ていつも感じることは、描かれた場所の温度や、風のながれ、
その土地の「匂い」がただよってくるような・・・なんともいえない感じ。




この小道におちる木漏れ日は、革命的なものだと思う。
(画像の質が悪くてすみません)




都市景観図も結構な数をみてきたけれど、コローの絵の前に立っていると、
教会から鐘の音が聞こえてくるような気がするので不思議です。




これ観たかった~。思っていたより小さかったけど、悩殺されます。




今回神戸展では観られなくて残念だったけど、
私の大好きなブリジストン美術館のコロー作品。
すごく会いたかったのに、なくてとても残念でした。


あ~~~コロー素晴らしかったです


◇ 冒険王 横尾忠則

2008年09月05日 | 美術館へ出かけて




レストランで食事して、冒険にいく準備はととのった。





エキシビション会場に突入するなり、さまざまなY字路の大きな世界が出迎えてくれた。
人生の岐路・・・・かつて横尾忠則自身が激しく葛藤したらしい。

この作品の最初の印象は、「あっっゴッホ」だった。
走ってくる汽車に、無意識に大好きなポールデルヴォーを想う。
左の道をたどっていくと、その向こうの夜景はなんとなくフォロロマーノに見える。
道ばかりたどってたら、真ん中に誇らしげにあるデ・キリコになかなか気づかなかった。

この絵の前で10分くらいあれやこれや考えていた。




「あっここ・・・・なぜか知っている」と見た瞬間に感じた。
まさかなって思っていたら、建物に広島警察署って書いてある。
そうだ、現代美術館に上っていく道。なつかしい~。こんなとこでまたこの道に出会うとは。
自分で運転した道はどこでも愛おしい。
遠くに原爆ドームみたいなのが見えるけど(大きな作品なのでわりとはっきり本当は見えます)
この方角には見えないだろうな~実際は。でもおもしろい。おもしろすぎる。


    

    知っているイメージを見つけるたびに楽しくなります。
    ベックリンやルノワールやポンペイの死体みたいなのもあるぞ。


少し忙しさが落ち着いてきたから、ビールでも飲みながら図録で横尾忠則の世界に
再び冒険に出かけることにしよう。楽しかったな~このエキシビション。


○ ムンク展

2008年03月31日 | 美術館へ出かけて

2月は本当に自分でも驚くほど休みなく頑張ったから、
3月はぼちぼち平日に3日くらい休みをとった。
平日に休みなんて、なんだかどきどきするものです。

だから3月11日の火曜日、私はルンルンでした。
午前11時まで仕事をしたあと、ポールスミスの服に着替えて、いざ神戸へ


        

今まで兵庫県立美術館ってあんまり好きじゃなかったけど、今回のムンク展で
好きになってきました。ムンクと安藤忠雄の建築がいい具合にマッチして、
心地よく鑑賞できました。
エキシビションなんて久しぶりだったから、ほんとうに心が満たされました

3月に入ってからの勉強のテーマが、風景画の歴史だったので
ムンクを観ていても、背景に描かれる風景がどんなものかということにばかり
気をとられていたような気がします(笑)

作品を観ながら、ムンクの絵の構図で写真を撮ったら笑えるな~と、
うっすら笑いながら鑑賞していました

    

    


それにしても絵を鑑賞した後のビール、おいしかったな~~幸せ



◆ 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

2007年08月14日 | 美術館へ出かけて


JR丸亀駅の駅前広場に堂々と建てられた美術館。
ここに出かけるのはこれで3度目になる。
私が愛する美術館のひとつで、何度訪れても感動がある美術館です


   

丸亀市の地下駐車場(安い!)の暗い階段をのぼると正面に美術館が見える。
この彫刻を目にした瞬間からドキドキがはじまるのだ
それはまさしくこれから触れる一つの世界への期待感。
「小さな宇宙」へ入っていくような感覚なのであります







「現代アート」は私にとっては元気の源。

      まったく知らない世界に迷い込む・・・
    日常に革命をおこしたくなる(笑)
        純粋に笑う・・・
     分かるはずもないことを真剣に考える・・・
              突然「哲学脳」になる瞬間がある・・
   勝手にウンチクをならべる・・
          また笑う。

という感じでいつも適当に楽しんでいるから、あまり疲れない




なんとこの美術館、ノーフラッシュなら全館写真が撮影できてしまう
つい嬉しくなってほかの鑑賞者の方も撮ってしまう。
みんなそれぞれ一人ひとりが絵になる、そんな空間です。

猪熊弦一郎の常設展は、毎回テーマを決めて展示替えされるから、
いつも違う作品に出会えます



  丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 MIMOCA HomePage

http://web.infoweb.ne.jp/MIMOCA/




◆ エルネスト・ネト展 ~香川・猪熊弦一郎美術館~

2007年08月14日 | 美術館へ出かけて


今回『猪熊弦一郎美術館』に出かけた目的は『エルネスト・ネト展』を
どうしても見てみたかったからです

国際的にとても活躍しているブラジル人アーティストで、日本国内では初めての
大規模な個展なのだそうです。
美術館のHPで写真を見て、一瞬で惹かれてしまいました
何年か前にパリのポンピドゥーセンターで見たお気に入りの作品にそっくり
だったのが、心惹かれる理由かもしれません。


 『エルネスト・ネト』の世界へ  


まずエキシビションの入り口に到着したら、靴を脱いで足を拭きます(笑)

    

今回は両親とこのエキシビションに来ましたが、普段美術になどさらっさら興味
などない父も、ひっぱってみたり寝転がったりして遊んでいました


          

        このような瞑想的な空間も突然に出現します


    

        子供たちもカップルも家族もみんな嬉しそう


   

          床には謎の物体が・・・・


    

        テントの天井からもあやしい突起物が・・・


    

      そしてあやしい物体を装着してみたり・・・・・


ああ楽しかった 家にこんな空間があったら癒されるなぁ


【エルネスト・ネト展】
2007年7月15日(日)~10月8日(月・祝)
開館時間:10時~18時   観覧料:一般950円