ソフィア郊外のボヤナ教会へ来た。
東ヨーロッパの中世美術の中でもっとも保存状態が良いとされる世界遺産だ。
敷地に入ると、アメリカから贈られたというセコイヤの木が天へと視線を誘う。
なんて気持ちのいい緑。
少しひんやりしてて、きれいな空気。
西に中国ありきの日本では、たとえ田舎に行ってももう味わうことのできないような
新鮮な空気に感じる。
そして聖堂が見えてくる。
ビザンティン美術の旅の最も興奮するところだ。
聖堂が見えるか見えないかの心の高揚というのは、なんとも言えない。
中の写真は撮れないし、10分くらいしか入れてくれない。
(といってもねばって20分はいたなぁ)
地元の人に愛され、10~11世紀に起てられてから14世紀、16世紀と
増築されてきた。東側のアプシス、こちらがもっとも古い部分。
この色を見るだけで嬉しくなる。
とても愛おしい。この無駄な凹凸が。
とてつもない大きさじゃなく、小さな宝箱の宇宙のような。
そんなビザンティン聖堂が大好き。
11世紀のフレスコもうわさ通りの保存状態。
最後の晩餐のユダがテーブルの上にごろーんといておもしろい。しかも
最後の晩餐は大根とねぎ!?!?最後の晩餐もご当地編があるのですな。
聖堂の番犬くん。名前呼ばれてたけど忘れてしまった。
「おっそいなー日本人は。10分以上入ってはならぬ。」と言いたげだ。
その後、聖堂のガイドブックを売っている小さなお店のところまで
ついてきている番犬君。
「やや!?あらたな外国人客がきた!」
「こうしている場合ではない。聖堂の前を護らなくては!」
・・・と聖堂のある奥へと去っていった。
そして彼は今日もこうやって聖堂の番をしているに違いない。
ご苦労様。
それにしても13世紀に増築された部分の18場面にも及ぶ聖ニコラオスの
フレスコも素晴らしかった。
いいところだったな。ヴィトシャや山のふもと。ボヤナ聖堂。