デジタル・データが女子高生をやっている――
その事は瞬く間に広まり、近隣の生徒も彼女を見にやってきた。
彼女の人気はもの凄かった。
その事は嬉しい。
でも、それが、かえって彼方と夕愛が一緒に居る時間を奪ってしまっていた。
人に囲まれて、夕愛が思うように、彼方の方に歩み寄っていけないのだ。
人をすり抜ける事も出来るが、人として生活している以上、それをやるわけにはいかないのだ。
そんな気持ちとは裏腹に、彼女をアイドルとしてデビューさせようという話まで持ち上がっていた。
だが、夕愛にとってアイドルになるという事は彼方との時間を奪われるという事に他ならない。
夕愛はその事に対して首を縦に振ることはなかった。
だが、連日湧いて出てくる野次馬が彼方との時間を妨げていた。
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