<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

上海での日本食材や物価の現状って・・・②

2011-06-15 | 中国社会学
せっかくなので、前回に続いて上海での物価状況をレポートしたいと思います。
調査対象は前回と同じ某日本食材スーパー。

まずは野菜の価格。





有機野菜でも何でもない人参が2本で7元(約88円)。
ジャガイモもこれだけの量で8元(約100円)
どうですか? 日本とあまり大差ないですよね。
最近また高くなったような。。。

これが完全無農薬野菜(真偽は定かではないが、一応それっぽい)だと・・・



キュウリ3本で12元(約150円)。
だいたいフツーの野菜の1.5~2倍ですね。
中国の一般庶民が買っている野菜市場と比べると、3~4倍の価格です。
「安いほうを買えばいいじゃん」と思うかも知れませんが、毎日口にするものだけに判断は難しいですね。
もっとも外食すれば、どんな食材かなんて不明なんですけどね。

輸入調味料にいたっては、画像のとおり。



ソース(大)が32元(約400円)、マヨネーズ(500g)が45元(約570円)といった具合で、もはやチョビチョビ使おうかっていうレベルの価格ですね。
マヨネーズやケチャップは、同等品が中国でも生産されていますが、例外なく味、品質とも日本製に見劣りします。
日本だと特売品の常連なので、価格差は3~4倍に拡がってしまいます。
なお、ソースや醤油は、現地生産の同等品が見受けられません。

次に、牛乳。
朝日ビールが2年前に生産を開始した「唯品」が日本家庭ではメジャー。



こちらも1本23~26元(300円前後)。
うーん・・・、改めてみるとホントに高いですね。

ちなみに余談になりますが、こちらの牛乳はまだまだ復元乳(濃縮還元のイメージ)が主流で、こちらの製法であれば1本10元前後まで価格が落ちます。
ただ、味、風味とも、成分無調整とは比較にならないほど落ちてしまいます。
日本に居るときは、もはや成分無調整が当たり前なので、こんなことまで考えることはなかったですね。そう思えば、良い機会をもらったとも言えますが。

なお、派生品のヨーグルトもほとんどが復元乳を原料としています。
しかも、味付けが人工的なので、甘ったるくてイヤだという日本人も多いですね。

以上、このままでは悪いことずくめのようになってしまいますので、次回は「安い物価の良い面」を中心にレポートしたいと思います。

上海での日本食材や物価の現状って・・・①

2011-06-14 | 中国社会学
東日本大震災による放射能漏れで、日本食材が中国に入ってこない状況が続いている。「日本産の新鮮な海鮮を売りにしていた高級日本食料理店が、震災を機に中国産を謳い文句にしている」といった声も聞かれる。
実際の売り場はどうなのか・・・、現場取材を試みた。

某日本食スーパーの一角には、いつもと変わらない光景があった。
上海で「刺身」といえば、「長崎鮮魚」と相場は決まっている。



しかし、実際の棚を拝見してみると・・・、おやっ





「台湾産」の文字や、「日本産」の表示が無い鮮魚類がズラリ。

うーん、やっぱり入ってこないんですね。
先日の温家宝首相の言葉を信じたいもんです。。。

ついでに、日本の方々には分かってもらいにくい「物価状況」もあわせて調査。
「海外生活」と言えば聞こえはいいが、食の観点に立つと、実際には食材が違ったり、安全・安心な食材が入手困難だったりと、苦労が耐えないものだ。
おまけに、中国は物価が安いと思っている向きが多いが、安心して食べられる食材は日本よりも高い(選択肢も少ない)のが現状なのだ。

例えば、卵。
街の野菜市場などでは超安価な卵が山積み状態で売られているが、こうした卵は当然ながら生食は厳禁。どのように衛生的に生産されたかも不明。
こうした卵を日本人がバクバク食べる姿を想像できるだろうか・・・?
ということで、下の画像は日本大手のイセ食品が販売している卵。



10個で26元(約330円)・・・。
日本ではプレミア卵に匹敵する価格ですね。
このスーパーで売られている卵は他にもあるが、価格はほぼ同じだ。

そして、この卵の棚の上には、食材洗浄用の洗剤が並んでいる。



野菜も安心して食べられないんですよ。。。
中国国内でも「日本の放射能汚染を気にする前に、国内の農薬や添加物汚染を何とかすべき!」との声があるくらい。

こうして考えると、日本はホントに生活しやすい国だ。
卵は150円くらい出せば、安心して食べられるものが手に入るし、スーパーには豊富な種類の食材が効率よく並べられている。店内も清潔感に溢れている。

日本の皆さん、いまの快適な暮らしは当たり前のモノではないんですよー。

上海のタクシー、運賃値上げの動き

2011-06-09 | 日記
ちょっと忙しくて、ブログ更新がおろそかに。。。反省、反省

6月13日、上海科技館でタクシー運賃値上げに関する公聴会が開催されることになった。乗客の負担は、4~5%ほど増える見込みとのこと。
改正にあたっては、初乗り料金を現行の12元から13元に値上げする案、1キロあたりの料金を現行の2.4元から2.7元に値上げする案、上記2案を組合わせた案の3案が候補になっている様子。

もともと上海は物価が高く、タクシー料金も中国国内で最高水準にある。
約2年前にも値上げが実施されており、市民感覚からすると、タクシーがだんだん身近なものでなくなりつつあるといったところか・・・。
もっとも、物価高に慣れている日本人からみれば、今回の値上げも大した変化ではないとの受け止め方が大半だろう。
延々と30分近く走って、60元(約750円)しかかからないなんてことは、日本では想像できないわけで・・・。

せっかくなので、北京を例にとると、初乗り料金は10元と格安(にみえる)。
わざわざ(みえる)を付けたのは、1メーター以外の場合、燃料高を考慮した付加金:2元を別途支払う必要があるからだ。
正規の運賃でもないのに、全利用者が謝礼のようなお金を強制的に支払わされるというのが、いかにも中国的で興味深い。日本だったら、反対運動のオンパレードでしょうね。。。

もっとも、タクシー運転手の不満も相当たまっているようで、車内ではあからさまに中国共産党を批判する運転手が後を絶たない。
特に上海では、万博開催時に車両台数を増やした影響もあって、朝夕のラッシュ時以外は比較的スムーズにタクシーを拾える状態が続いている。
昨今の原油高の影響もあって、以前は花形とも言われたタクシー運転手の収入は日を追うごとに減る一方のようだ。

同時に、こうした状況を反映してか、メーターの違法改造が報道で取り上げられることも再び増えてきた。
また、最近めっきり減っていた乗車拒否(長い距離じゃないと断る)や交渉乗車(メーターを下ろさず、事前交渉で運賃を決定)なども、多くは無いが見受けられるようになってきた。
「上に政策あれば、下に対策あり」ということか・・・。

一方、北京に来ると、いつもタクシーを拾うのに苦労させられる。
北京五輪の開催で増えたはずなのに・・・と思いたくなるが、北京の渋滞は半端じゃないので、どうも当局が台数を制限しているように思えてならない。
いまも北京に出張しているが、昨日もタクシーがつかまらず、徒歩と地下鉄を組合わせて倍以上の時間をかけてホテルに到着するはめに。。。(さすがに疲れた)

もっとも、筆者は常々、こうした不自由さも含めて、中国生活を満喫したいと思っている。日本の快適さが世界のスタンダードというわけではないんだから・・・。