9月27日午後、上海市地下鉄10号線で追突事故が発生し、260人超の負傷者が出た。
死者がひとりも出なかったことは、まさに不幸中の幸いといったところか。
筆者はたまたま一時帰国中だったため、現地の状況を肌で感じることはできなかったが、実際のところ、1年ほど前にも地下鉄1号線で事故が発生しており、大きな驚きを感じることはなかった(これも現地化の一種かも・・・)。
しかし、日本の報道ぶりは凄まじかった。
その速報ぶりには現地のメディアも舌を巻いたとの話があるほどで、こちらに駐在している日本人よりも情報入手が早かったという話も多く聞かれた。
これは素晴らしいことではあるが、もっと報道すべき問題もキチンと報道すればいいのに・・・とも感じてしまった。とにかくゴシップネタに飛びつく姿勢だけは尋常ではないので。
現地では、先日の新幹線事故と同様、微播(マイクロブログ)が威力を発揮し、メディアの取材を待つことなく、現場の状況がリアルタイムに報じられたわけなので、本当にIT社会畏るべしである。
ちなみに、筆者は先日、台風が東京を襲った際に日本でも同じような経験をした。
台風の接近に伴って、どんどん公共交通機関がストップしていくわけだが、公式HPやポータルサイトの情報はリアルタイムではなく、正確さに欠ける。
現場に居合わせた人間にとっては、5分の違いで電車に乗れるか、乗れないかの切迫した問題であるにもかかわらず、このあたりの対応は日本でも未だに後手後手なのだ。
これをカバーしたのは、やはりツイッターだった。
実際の駅から発信される現場感のある情報によって、どれだけの人が助けられたか、想像に難くない(結局、筆者は帰宅難民となったが・・・)。
日本のメディアは一斉に「新幹線事故の教訓が生かされず、またも同じミスを繰り返した」との報道を連呼している。確かにごもっともな指摘である。
ただ、新幹線と地下鉄が同じ鉄道だからという括りで論じるのは、少々乱暴な面もあろう。
例えば、日本でJRが事故を起こした後、私鉄が別の事故を起こしたとしても、同じような報道は起こらないはずだ。
とりわけ、この広い中国において、一元的に責任を負わせるのは無理な話なのだ。
日本に住んでいる皆さんは、中国は共産党独裁政権だから、公共インフラは何でも国が運営していると誤解しがちだが、実際はその逆と思っていいくらいだ。
勿論、鉄道部が運営する鉄道(日本の国鉄に当たる)は国有だが、上海市地下鉄などは日本の東京メトロなどと運営形態が似通っている。
その他、市民の足であるバスも民間事業者が運行しているし、高速道路に至っては香港市場に上場した企業が運営を行っている例さえある。
まさに「知らぬは恥」の世界である。
現在、事故原因の究明が行われているが、またもや信号設備の不具合で片付けようものなら、あまりにも露骨な「トカゲのシッポ切り」なので、さすがに市民も黙っていないだろう。
とはいえ、日本の原発事故報道はどうだったのだろうか?
冷静にふり返ると、海外への正確な情報発信などの点で恥じるべき点が山ほどある。
他国の欠点の指摘するのも必要だが、自国の状況をいま一度検証し直すという真摯な姿勢も必要ではなかろうか・・・。
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最近ニュース以外見たい番組もなくて、困ったもんです。「時代劇、サスペンス、お笑い」以外はあまりないです。
結局、情報が欲しかったら、自分でなんとかするほかないです。まあ、当たり前といえば、それまでですが。