はこがゆく

~ フランスからモーリシャスへ ~

出産ー陣痛開始から無痛分娩麻酔まで

2008-07-29 15:17:02 | Weblog
これから暫くは出産関連のフランスならではの
エピソードを中心に書いていこうと思う。

無痛分娩は日本でもある方法なので
それ自体はフランスならでは、とは言えないけど
無痛分娩が主流の国、ということで今回はこのトピック。

私は公立の総合病院で無痛分娩で出産した。
フランスでもこだわりのある人は様々なほかの方法を
選べるけれど、私にとっては異国の地での出産なので
現地の王道コースにしたほうが安心できるし、
特にその方法に違和感は感じなかったのでそのようにした。

医者からは陣痛が10分間隔、1時間継続したら
病院に来なさいと言われていた。
私の場合は21日朝、陣痛で目が覚めて、
間隔を測ってみたらすでに10分間隔だったので
これからの大仕事に備えてさっさと朝ごはんを済ませて
Hの運転する車で病院に向かった。
月曜朝ということもあり、通勤の車で若干渋滞していたけれど
問題なく病院まで到着。

病院について、まずは待機室(分娩室の隣にある部屋で母親の血圧やら
胎児の心拍を測る計測器が備えられている部屋)に通される。
そこで子宮口の開き具合を見る。
この時点ではまだ麻酔はかかっていないので
自然分娩と状態は変わらない。

陣痛の間隔が予想以上に早く短くなって、
3分間隔ぐらいになってくると痛みも増してきた。
「全然無痛じゃないじゃん」と思いつつ。
Hが痛みをやり過ごすには痛みから意識をそらすことだ、
というアドバイスをくれる。そして陣痛が来るたびに
世界旅行をすることにした。

陣痛がくるとHが私に
「僕らは今マダガスカルの海辺にいる。太陽はさんさんと輝き、
海は青く透き通っている。君は砂浜をあるく。とてもきもちがいい、、」
とか何とか言ってくれている間、私は必死でそれをイメージして
気を紛らわせるというもの。で、陣痛の合間に私が
「次はマレーシア」とかリクエストする。なかなか有効だったけれど
陣痛が続いてくると、なかなか海辺をイメージするのも厳しくなってくる。

更に陣痛が進んできたところで、Hに呼吸に集中したほうがいい
と言われ、今度は陣痛の度に「吸って、はいて」に集中する。
これは案外有効だった。麻酔までの辛抱、と言い聞かせつつ。

3分間隔が暫く続いたあと、Hが助産婦さんを呼んできて
やっと麻酔をかけてもらえることになった。
麻酔を打つ処置の間はHは見ないほうがいい、ということで
部屋から出される。若干不安になる。
麻酔医がやってきて、背骨の下のほうに数箇所注射をされる。
10分で効いてくる、と言われたけれど気分的なものか
麻酔をかけられた直後から楽になったような気がした。

麻酔医からボタンを渡され、もしお腹が収縮するのを感じたら
ボタンを押すように、といわれる。
痛くなったら押すのではなく、収縮を感じ出したら押す。
その理由は麻酔は効くまでにタイムラグがあるので
痛くなってから押したのでは遅い、ということだった。
また、仮にボタンを押しまくっても許容量以上は注入しないように
制御されているので心配ない、と言われた。

麻酔のあと、腰と足のあたりに重たい感じはあるものの
うそみたいに楽になった。
自然分娩で最後まで、なんて私には無理、と心底思う瞬間。

出産の間、この麻酔の副作用で肩の辺りに震えがきて
とまらない、ということも一時期あったけれど、
それでも12時間以上痛い思いをするよりは体力の消耗も少なく
最後にいきむときも冷静にいきめるので楽だったんだろうと思う。

産まれました

2008-07-26 20:17:30 | Weblog
7月21日22時59分、赤ちゃんが産まれました。
体重3610グラム、身長52センチの男の子です。
赤ちゃんも私も元気です。

今日赤ちゃんと私はHとHのお父さんに連れられ
退院、家に戻りました。

まずは速報まで。

呼び方

2008-07-20 17:26:28 | Weblog
赤ちゃんが産まれたら、Hはパパ、私はママになる。
フランス語ではパパはパパ、ママはマモン。

ではおじいちゃんとおばあちゃんは、というと
パピーとマミー、というのが一般的。
ぺぺとメメ、という言い方もあるらしいけれど
とても年寄りっぽいニュアンスになるので
昔は使われていたけれど今はあまり使われないらしい。

Hに私が「日本だとじぃじとばぁばっていうのもあるよ」
と言ったところ、もしかしたらHのお父さんはじぃじのほうが
パピーよりも気に入るかもしれないなぁ、と言っていた。

さぁ、Hと私、それぞれの両親
どういう呼び名にしてほしいかなぁ。
もしかしたらHの側はじぃじとばぁば、
私の側はパピーとマミー、とかなるかも?

週末

2008-07-19 15:12:22 | Weblog
今週も週末がやってきた。

どうも金曜夜から土日は赤ちゃんの胎動が増す気がする。
週末は日中もHが一緒なので私の安心感が増すのが
赤ちゃんにも何となく伝わっているのかなぁ、と思う。

18日は満月だった。
満月には出産が増える、と聞いていたので
もしかするともしかするかも、と思っていたけれど
結局18日に産まれることはなく19日を迎える。

べべはかに座になるのか、しし座になるのか
どっちかしらん?

検診

2008-07-17 22:08:08 | Weblog
予定日の1週間前の検診。

うちの病院では相変わらず大した検査がない。
いつもの通り検尿、採血、体重測定、血圧測定の後
子宮口の開き具合、赤ちゃんが降りてきているか、
そして赤ちゃんの心音、を確認するぐらい。

先生曰く、子宮口はちょっと開き始めていて
赤ちゃんも降りてきているけどまだすぐ出産、
という感じではないとのこと。

そして、「そろそろ産まれてきてくれてもいい頃
なんだけど(はやく産まれなきゃのニュアンスで)」とか。
、、、そんなこと言われても、ねぇ。

でも何となくそう言われるとかえって
赤ちゃんを急かしたい気にはならず、
「まぁ、先生あぁは言ってるけどべべは
自分のペースで産まれてきたらいいからねー。」
と心の中で言ってみる。

次の来院は来週。

母きたる

2008-07-17 10:48:28 | Weblog
15日夕方、日本から母が来てくれた。

さすがに日本からだと陣痛が始まってから連絡、
というわけにもいかないので、予定日からみて
ちょっと余裕を持って渡仏。

場合によっては来る前に出産とか来ている間に出産もありえるか
とも言っていたけど、結果的には出産前に到着し
母が体調回復する日もあってよかった。

いやぁ、なんだかいよいよだわぁ~。
っていってもまだ「おしるし」とかそれらしい兆候はないけれど。

ちょっと前から気になっていたお米

2008-07-13 18:01:14 | Weblog
日曜は休みの店がほとんどのフランスで
日曜でも開いているのがアジア食材屋。

お米が残り少なくなってきたので
前から気になっていたお米を買ってみる。
「ゆめにしき」というイタリア産コシヒカリ。
イタリア産とはいえパッケージは明らかに
日本人をターゲットにしている。

いつも食べている「日の出米」みたいに
あやしいお侍さんの絵と共に
"Shinode"とか江戸っ子訛りの綴りで
名前が書いてある米とは違う。

新米か古米かとか有機栽培の米が選べるとか
胚芽米やら発芽玄米もあります、とか
そういう次元ではないけれど
やっぱりちょっと期待してしまう。

ベルヴィル・ランデブー

2008-07-11 23:59:53 | Weblog
久しぶりに妊娠に関係のない話題。

フランスでは2003年に公開された映画で
原題は"Les Triplettes de Belleville"という。

パリにもベルヴィルという地域があるけれど
それとは何の関係もない。
50年代のフランスと架空の都市ベルヴィル
(と言っても明らかにイメージはアメリカ)
を舞台にしたアニメ。

まず、この映画のテーマソングとも言えるスウィングジャズ
をはじめ、音楽が効果的だし私の好み(以下リンクは
そのスウィングジャズが使われている場面の抜粋)。

http://www.youtube.com/watch?v=uldPmr6L3mg

映画自体は人物その他あらゆるものが
極端にデフォルメされていてグロテスクなんだけど、
ただ「悪趣味」と切り捨てられない。
よく考えるとストーリーは単純だし
観ているときはちょっとブラックすぎなんじゃぁ、
と思ってしまう部分もあるけど
見終わったあとで思い返すとディテール含め見どころ満載。

でもフランス人ならもっと楽しめるんだろうなぁ、とも思う。
というのもディテールの面白さ、というのが
当時のフランスへのオマージュ的なものだったり、
フランス語の言い回し・習慣・ステレオタイプなど
フランス人なら共有してるものをベースにしているものが
多くあるため。

例えば体が極端な四角いシルエットで
いつも2人組で左右対称に動くマフィアが出てくるのだけど
それはフランス語(俗語)で
がたいのいい筋骨隆々な人を指して”armoire à glace”
-直訳で「鏡付きたんす」というところから来ている。
そんな言い回し、今まで知らなくて映画を見ながらHに
「この人たちなんでこんなに四角いの?」と聞いて初めてわかった。

万人向けじゃないし、私自身がこの映画の見どころを
全部分かっているとは全く思えないけれど、
たぶんするめのような、見れば見るほど発見がある
そんな映画。