はこがゆく

~ フランスからモーリシャスへ ~

ベルヴィル・ランデブー

2008-07-11 23:59:53 | Weblog
久しぶりに妊娠に関係のない話題。

フランスでは2003年に公開された映画で
原題は"Les Triplettes de Belleville"という。

パリにもベルヴィルという地域があるけれど
それとは何の関係もない。
50年代のフランスと架空の都市ベルヴィル
(と言っても明らかにイメージはアメリカ)
を舞台にしたアニメ。

まず、この映画のテーマソングとも言えるスウィングジャズ
をはじめ、音楽が効果的だし私の好み(以下リンクは
そのスウィングジャズが使われている場面の抜粋)。

http://www.youtube.com/watch?v=uldPmr6L3mg

映画自体は人物その他あらゆるものが
極端にデフォルメされていてグロテスクなんだけど、
ただ「悪趣味」と切り捨てられない。
よく考えるとストーリーは単純だし
観ているときはちょっとブラックすぎなんじゃぁ、
と思ってしまう部分もあるけど
見終わったあとで思い返すとディテール含め見どころ満載。

でもフランス人ならもっと楽しめるんだろうなぁ、とも思う。
というのもディテールの面白さ、というのが
当時のフランスへのオマージュ的なものだったり、
フランス語の言い回し・習慣・ステレオタイプなど
フランス人なら共有してるものをベースにしているものが
多くあるため。

例えば体が極端な四角いシルエットで
いつも2人組で左右対称に動くマフィアが出てくるのだけど
それはフランス語(俗語)で
がたいのいい筋骨隆々な人を指して”armoire à glace”
-直訳で「鏡付きたんす」というところから来ている。
そんな言い回し、今まで知らなくて映画を見ながらHに
「この人たちなんでこんなに四角いの?」と聞いて初めてわかった。

万人向けじゃないし、私自身がこの映画の見どころを
全部分かっているとは全く思えないけれど、
たぶんするめのような、見れば見るほど発見がある
そんな映画。