高知の二日目

馬路温泉は、少しアルカリのとっても気持ちのいいお湯。
肌がぬるぬるしていつの間にかすべすべでした。
シャンプーもリンスも石鹸も、馬路村ブランドの柚子入りのモノ。
この村の至るところまで行き渡った統一感がだんだん心地良くなってきました。
けんど、たった二日の高知滞在。ゆっくりしていることもできず、朝早くに出発です。
木造りの素敵な電卓をお願いして、記念のお土産にしました。
昨日はクネクネと山へ山へと走った道を、今度は反対に海へと下っていきます。
新緑の木々が萌え、キラキラとした陽光に照らされています。
前方には好夢員の木下さんが先導してくれ、あちらこちらへ連れて行ってくれます。
柚子を搾った残り滓を発酵させてたい肥にする場所。動物性の資材が入っていないので堆肥場特有の香りもせず、不思議なキノコがたくさん生えていました。
それから、自然栽培でトマトを作るおばあちゃん。肥料も水もやらないで、ハウスの中でそれはそれは美味しいトマトを作っていました。
好きなだけ取って、自分で重さを測ってお会計。「この気楽さがいいんやき」と木下さん。
またまた県道を下って、海までくると素敵な酒蔵さんに到着。「南」で知られる南酒造さん。貴重なお時間を頂戴して、蔵の中を見学させていただきました。ほとんどが純米酒で特定名称酒ばかりです、とご主人の南さん。蒸し上がったお米を甑から取り出すときに毎回重さを測って吸水歩合を確認すると聞きました。とても丁寧な作りから、あのキレイな味わいのお酒が生まれるんだと納得しました。

続いて「道の駅やす」で若い女性にお会いしました。
東京生まれでいつの間にか高知に住み、自然栽培でミカンを作る手つなぎ農園の海島さん。
「木村秋則さんが畑に来て剪定を教えてくれたんです。そしたら弱っていた木がみるみる元気になっていたんです」
人の都合でなく、自然の流れを読み取る。
「本物を作ることで一次産業を元気にしていけたら」
と話す海島さんのミカン畑をいつの日か見せてもらうことを約束しました。
慌ただしく移動して次は、三浦水産というじゃこ屋さんへ。そこで天日干しする前の生のじゃこ(ドロメというそうです)を買って、近くのスーパーで白飯をゲットして即席ドロメ丼でお昼。木下さんたちとお別れして、今回の旅のもう一つの目的地、大豊町にむかいました。

大豊町はとても珍しい発酵茶の「碁石茶」を生産している町です。
徳島県と県境、四国の真ん中あたりに位置し、町には吉野川が流れラフティングのポイントとしても知られているそうです。

碁石茶は乳酸発酵するため酸味がある独特の風味のお茶です。

瀬戸内周辺でよく飲まれていたそうです。昔は大豊町周辺の地域で2,000軒の生産者さんがあったそうですが、一時はわずか1軒だけになっていたそうです。それが近年、微生物発酵茶としてコレステロールを下げる働きや乳酸菌の効用などが注目され作る方も数軒まで広がってきていると伺いました。
作り方は
●6月か7月に枝ごと葉っぱを収穫してきて蒸します。
●それを室のムシロの上に広げ、1週間ほど寝かせてカビを付けます。(菌は特に添加するでなく、ムシロの菌が生えてくるまさに天然発酵。新しいムシロをいれるときはしばらく古いのと合わせて置いておき、菌をなじませると伺いました。)
●カビ付けされたものを木樽の中に重ねて、重石してしばらく寝かせじっくりと乳酸発酵。
●8月9月の晴天が3日続く日に天日に干し、出来上がり!

干している様子を上から見ると碁盤に黒い碁石が並んでいるようなので、碁石茶と名付けられたそうです。
二段階の発酵過程を経て作られるお茶は世界的にも珍しいそうです。
いつか、作る時期にもぜひ伺わせてくださいとお願いしてきました。
たくさんのご縁をいただいた高知。
また近いうちに訪れることになりそうです。