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寺田本家24代目のブログ

寺田本家の24代目当主の発酵日記。
心を込めた自然酒造りや発酵の里へをめざす町おこしへの取り組みをご紹介しています。

一粒の籾

2013-04-10 18:41:09 | Weblog

たった一粒の籾(モミ)から芽と根を出し、稲の苗が育って行きます。

たった一粒の籾から一本の苗が育ち、田んぼの中で分けつして茎が20本以上にも増えます。

たった一粒だった籾は秋には素晴らしい苗姿となり、2000粒以上の籾となります。

私たちがいただくお茶碗一杯のご飯は2000~2500粒と言われます。

太陽と土と水と、そして人が心を込めた時間が重なって命を育み、かけがえない恵みを与えてくれるのです。

匡画廊

2013-04-02 05:46:23 | Weblog

先日、知人の写真展を見に佐倉の匡画廊さんをお訪ねしました。
歴史民族博物館のすぐ脇にあって、民家を改装した空間と、広いお庭がとっても素敵な場所でした。

「この庭に惚れこんで」
知人ここで個展を開いた訳をそう話してくれました。
カフェも併設されていて、お庭で子どもたちがハンモックで遊んでいるのを見ながら心地よい時間が過ぎていきました。

寺田本家の生産者さん紹介その①

2013-03-26 19:42:17 | Weblog


もうすぐ田んぼ作りが始まります。
これから生産者さんを少しずつご紹介していきます。

トップバッターは東町自然有機農法さん。
東町自然有機農法さんは、ミルキークイーンを全国で初めて栽培された農家組合さんです。
寺田本家の原料になる酒米のほか、もち米も無農薬有機栽培で作っていらっしゃいます。
リーダーの大野さんは、ご自身のミルキークイーンを酵素玄米にして食べるようになって、半年で10キロも体重が落ちたそうです。
「ミルキークイーンは炊飯器で炊いても、もっちり炊きあがっておいしいんですよ!」
ご自身で玄米のすごさを体感された大野さんからは、お米への愛情がひしひしと伝わってきます。
http://sizen-yuuki.com/

高野竹工さんがいらっしゃいました!

2013-02-19 09:47:49 | Weblog
昨日、京都の高野竹工という竹工房の方が寺田本家にいらしてくださいました。
茶筅などの茶道具や、寺社の調度品、蒔絵などの漆も手掛けるそうです。

ウチでは麹室に炭を敷いているというお話しをしたら、金閣寺や銀閣寺も床下に炭が敷いてありますよ、と教えてくださいました。
高野竹工さんには炭窯もあって竹炭を作っているそうです。
そんな工房があると伺ってワクワクしました。
ぜひいつかお訪ねしてみたい!
http://www.takano-bamboo.jp/

発酵がつなげたご縁

2013-01-26 22:42:35 | Weblog


お酒造り体験にベルギー人のラフさんとギリシャ人のスタブロスさんがいらっしゃいました。

日本在住のマクロビオティック講師・パトリシオさんのご紹介です。

お二人とも日本は初めてで、日本語は全く話せませんが、マクロビオティックを10年以上実践されていて、玄米や梅干しが大好きで、マクロビオティックを学ぶ中で日本の発酵文化に興味を持ち来日されました。

寺田本家に来る前は、岡山の「まるみ麹」さんをお訪ねになられ、味噌作りを体験してきたそうです。

スタブロスさんはギリシャのラフカディオ島というところにお住まいで、あのラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の生まれた島だそうです。

時代を超えて、日本とギリシャを発酵文化がつないでいます。

能登はやさしや土までも

2013-01-08 21:17:53 | Weblog


「この時期に青空が見えることはとっても珍しいことなんですよ」
そう言いながら、能登で地域起こし協力隊をしている志野くんは懐かしい人好きのする笑顔を見せてくれました。

寺田本家の原料米も作ってくれている「あいよ農場」の一員として、千葉の有機農家の旗振り役でもあった志野くんは、急に能登に移り住むといって皆を驚かせました。
でも、まだ能登に来て4カ月ばかりなのに、地域の方にたくさん繋がりを作って、地元出身の方が驚くほどの能登の話をいろいろときかせてくれました。

能登島は能登半島の真ん中あたりにある周囲72キロの島です。
自分は正直に言うと、今まで能登半島の真ん中にそんな大きな離島があることを知りませんでした。

昔はフェリーで能登島に降り立つと匂いがしてくるほどたくさんの松茸がとれて、周りの海は鰤や蟹やカキなど豊饒の恵みが溢れています。
まさに里山・里海の地で田畑も広く、ミカンとリンゴと両方収穫することができ、オリーブ栽培にも挑戦する方がいるそうです。

湾の中にあるから日本海なのに海が鏡のように穏やかで、イルカも住みついていてシーカヤックなどで回っているとよく目撃されるそうです。
ちょうど道路の一周が50キロくらいなので、3月にはマラソン大会も開催されていて、でもなんでそんな寒い時にやるのかを地元の人に尋ねてみると、だってその時が旨いものがたくさんあるからよと答えるそうです。
能登の方たちは人が優しくて挨拶だけでとどまらないで会話が拡がり、少しでも来た人の心を掴んでしまうことを
「能登はやさしや土までも」
と言いならわしたそうです。
出会った方が口々に「能登はやさしや土までも」と話しのどこかしらで仰っていたのが印象的でした。

七尾市の造り醤油屋「鳥居醤油店」さんもお尋ねしました。志野くんがお母さんと慕うおかみさんのお人柄や、センスがあふれる店構えの素敵さ、国産大豆にこだわった本物の醤油造りにかける姿など、とても魅力にあふれたお醤油屋さんでした。

能登はおどろくほど魅力にあふれる土地でした。

加賀竹の浦夢創館

2013-01-08 11:48:23 | Weblog


加賀に来ています。
発酵サミットでパネリストとして、ご登場いただく加賀竹の浦館さんに、ご挨拶と打ち合わせに伺いました。
廃校になった小学校を拠点に「へしこ」や「味噌」などの伝統発酵食作りや、教室などで年間1万3000人が訪れるそうです。
売店と加工場とキャンプ場と食堂を機能的に設備して、しかも古い建物を生かしたとっても素敵な場所でした。
夜はあいよ農場にいて今能登で地域起こし協力隊している志野くんと合流します。

ハクチョウ

2012-12-29 08:57:34 | Weblog


寺田本家の原料米を作って下さる、不耕起栽培の藤崎さんの田んぼに今年もシベリアからハクチョウが飛来しました。
冬の間も水を張るので、生物が豊富でちょうどいい寝ぐらになっているようです。
自然環境が戻っている指標ですね。

ニースの有機農家さんを訪ねました

2012-10-31 04:25:19 | Weblog


ニース郊外にピエールさんという有機農家さんを訪ねました。
地中海が見える丘の上で、1.5haの畑で色んな種類の野菜や果物を作っていらっしゃいます。

トマトだけでも70~80種類のものを育てているそうで、柑橘類もたくさん植わってて32種類あると言っていました。時期的に端境期で畑にはソラマメの発芽したのとか、レタスとか葉物が少しあるだけで、これから冬野菜を播きはじめるところだそうです。ピエールさんは、ひとつひとつの野菜を「食べてみろ」とちぎってくれたり、香りをかがせてくれたり、情熱的に畑を案内してくれて、本当に育てるのが好きなのが伝わってくる素敵な農家さんです。

フランスは有機農業が盛んかと思っていたら、そうでもないらしく人口が30万人を超えるニースに数えるほどしか有機農家さんがいないそうです。
日本と同じで工業化を進める大規模農家には手厚い保護があるそうですが、少量多品目の有機農家にはあまり助成などはなくって大変だと言っていました。

それでもピエールさんは野菜が美味しいということで、アラン・デュカスなど有名なシェフたちがこぞって料理に使ったり、個人宅配で100軒以上もお客さんを抱えているそうです。
農家さんの個人宅配のシステムって日本で発明されたものだとピエールさんの奥さんから教えてもらいました。へえー!

畑のお手伝いをしてもらう代わりに宿と食事を提供する「wwoof」の制度もとりいれて、ときどき日本人もお手伝いに来るそうです。それでもとっても忙しくて、週7日殆ど休みがないと言っていました。
日本の農家さんと同じだなあと思いました。

近い将来、家族で日本を訪れて色んな農家さんを訪ねてみたいと仰っていました。ウチに来てもいいという農家さん、手を挙げて!!

日本の発酵とイタリア食材の融合

2012-10-25 16:52:28 | Weblog


イタリア・ミラノの郊外に来ています。
スローフードの祭典「サローネ・デル・グスト」に参加する前にプレイベントを開催しました。

日本の発酵とイタリア食材の融合
直前までメニューは練りに練られて、こんなラインナップになりました。

【食前酒】
醍醐のしずく ―できたての栗の香りのする麹と一緒に―

【スープ】
イタリアのポーロネギと昆布の醤油スープ

【前菜1皿目】
・人参とほうれん草のクルミ味噌和え
・ロマネスコの梅肉和え
・酒粕のパントースト トマトの塩麹漬けのせ
・パプリカの胡麻和え

→【お酒】五人娘の冷(常温)

【前菜2皿目】
・生ハムの味噌漬け
・柿の羊チーズ和え
・人参の味噌漬け
・豆腐の味噌粕漬け
・鮎の熟れ鮓

→【お酒】懐古酒

【ご飯】
ポルチーニ茸の炊き合わせご飯

→【お酒】五人娘のぬる燗

【メイン】
鹿肉とインゲン豆の粕煮

→【お酒】発芽玄米酒むすひ

【デザート】
酒粕とチーズのアイス、黒米のソースかけ

人参やパプリカなど日本でもなじみのある野菜でもこちらでは味が違って濃厚で、素材の美味しさを生かしたメニューとなりました。

おいでいただいたのは、ミラノの北のロンパルディア州のスローフードの会員の方々。
お料理とお酒をサーブされる順番にご説明しながら召し上がっていただきました。

お酒について、日本の発酵についていろいろとお話しし質問にお答えしながらのあっという間の4時間でした。

「味の繊細さとバランスが良かった」
「日本食のイメージが変わった」
「健康的で、身体に負担がない食事でした」
などなどたくさんの嬉しいお言葉をいただきました。

日本酒も、ヨーロッパでは「SAKE」というと中華料理店で出される蒸留酒をイメージする方も多いそうですが、今回本物の日本酒を召し上がっていただいて「驚いた」「また是非飲んでみたい」「購入したい」というお声もたくさんいただきました。

まずひとつ終えてほっと一息です。
今日は移動日。トリノに向かって明日はいよいよスローフードの祭典「サローネ・デル・グスト」でのセミナーです。


ミラノ郊外のワイナリー

2012-10-21 14:27:40 | Weblog
ミラノの郊外に来ています。
トリノで開催されるスローフードの祭典「サローネ・デル・グスト」で日本酒と発酵のセミナーをする前に、ミラノ郊外のレストランでプレイベントをすることになり、そのレストランを見てきました。

場所は地形的にすり鉢状にブドウ畑が広がっていて、底にあたる部分にある「la costa」というワイン醸造所の二階部分のレストランです。まるで、円形劇場のようにブドウという観客に囲まれていて、舞台にあたるところにワイナリーとレストランがある素敵なロケーションでした。今の時期はブドウの収穫を終え、セラーの中でワイン造りをしているところです。

建築家のお父さんが30年前にこの土地を買い求め、それからコツコツとブドウを植え続け、今は12ヘクタールのブドウ畑が広がっているそうです。他に、牛や馬の牧場もあり、全部で30ヘクタールの面積を家族で管理しているそうです。東京ドームで言えば7個分ほど!

すり鉢状になっている地形の3か所にローマ時代から続く遺跡があって、その3角形の中心にワイナリーが位置しているためにとても場所のエネルギーが高いところだと教えてもらいました。場所の持つエネルギーについては寺田本家で取り組んでいる炭を使って磁場を高めるという考えにも通じるところがあって、興味深くお話しを伺いました。

畑を見学させてもらって感じたのが、草の生え方が緩やかであまり長くならないんだなということです。
もちろん土の状態や雑草の種類によって違いがあるとは思うのですが、現地でワインつくりの研修をしている日本人の若者に聞いても、そんなには草は生えないし昆虫も日本ほど大きいのはいないと言っていました。
遠く離れたヨーロッパの様子を知って、いかに日本が豊かな地で植物が元気に育つところかということを垣間見た気がしました。

夕食をワイナリーを経営されているご家族とご一緒させもらいました。こちらの方の食事はよーくしゃべって、よーく飲んで、よーく食べるのです。一回の食事を4,5時間かけてゆっくりと楽しむんですね。とっても豊かな食生活なのですが、自分もなかじもお酒はそんなに強いほうではないしイタリア語が何を言っているのかちんぷんかんぷんなもので、後半にはふらふらしてお先に失礼させてもらいました。最後に「グラッパ飲むか」と勧められ一口味見してみたら、火を噴きそうになりました。

そんなこんなで毎日いろんな出来事があるのですが、今日からレストランの厨房を使わせてもらって、プレイベントと「サローネ・デル・グスト」の仕込みが始まります。

北イタリアに来ています

2012-10-21 06:48:41 | Weblog
ミラノの北に来ています。

今回、スローフードの「サローネ・デル・グスト」でセミナーをすることになり、その前にミラノ郊外のレストランで「日本酒と発酵の夕べ」というプレイベントを開催することになって、その食材探しに走り回っています。

コーディネーターのマイカさんの紹介で訪ねたレストラン「ostello dell crotto 」でアルプスで採れた鹿肉とポルチーニ茸をゲットしました。

一緒に行っている蔵人ナカジは今回はマクロビオティック料理人という看板は下げて、味噌・醤油・酒粕・甘酒などの日本の発酵食材と現地で入手する素材を組み合わせておもてなししようという趣向です。

自分は明日から麹作りをはじめようかと思っています。

写真はレストラン「ostello dell crotto」でいただいたお昼ご飯です。
左上から羊のハムと羊のチーズ
左下がトウモロコシで作ったポレンタのポルチーニ茸乗せ
右上が地元産ポテトとチーズを合わせたものに羊の肝臓と豚の皮下脂肪のサラミ
右下がニョッキにオルテッカソース掛け(オルテッカはアルプスで取れる野草で触ると痒くなるそうですが、火を通すとえぐみのない野趣溢れる味わいになるそうです。

北イタリアの食材の豊穣さは驚きです。



Artisan Sake Maker

2012-08-03 04:52:47 | Weblog


カナダのバンクーバーでArtisan Sake Makerという会社を立ち上げて、お米作り・日本酒造りに取り組んでいらっしゃる白木さんが寺田本家を訪ねてくださいました。 
カナダで初めてお米作りに成功され、日本酒造りをはじめられたと伺いました。

玄米を使ってお酒造りに挑戦したいということでわざわざ訪ねて下さいました。


そこでウチの醍醐のしずくをご試飲いただいたら、とっても気に入って下さって
今度カナダで醍醐のしずく造りに取り組んで見ると仰って下さいました。

お話ししてとても感心したのが、その挑戦する姿勢です。カナダで田んぼ造りに取り組まれたり、今はお米を使ってシャンパン造りに取り組んで、バンクーバーのワインの品評会で高い評価を得てるそうです。

日本の醸造業ももっともっと視野を広げて色んな事に挑戦するべきだと力強く仰っていました。
発酵という視点で見るとまだまだ醸造家には面白いことがたくさんできる。そんな勇気をバンクーバーから届けていただきました。

跡継ぎを育てたいと仰っていたので、カナダで日本酒造りに取り組んで見たいという方コンタクトを取られてみてはいかがでしょうか。