M.シュナウザー・チェルト君のパパ、「てつんどの独り言」 

「チェルト君のひとりごと」は電子ブックへ移りましたhttp://forkn.jp/book/4496

悔しい思い アリタリア め!

2014-06-24 | エッセイ

 悔しい、悔しい思いをしています。こんなに悔しいことは、めったにありません。本当は今日(6月22日)、僕はイタリア・ヴェネチアの空気を吸っていたはずなのです。

 ことの発端は、アリタリアのヴェネチア直行便。2012年のイタリア行が、僕にとっては最後だろうと覚悟していたのですが、心臓君が一応、元気そうなので欲を出してもう一度、イタリア行きを計画を始めたのが、今年の2月。



 2014年4月からアリタリア航空のヴェネチア直行便が飛ぶと知り、ヴェネチアを、そこから、あわよくばドロミティ、サンモリッツを旅して、ミラノをゆっくり歩いてこようと思っていたのです。

 病気もあるし、ほんとの最後かもしれないから無理をしないでと、フライトでは行きは「ビジネスクラス」、帰りは「プレミアム・エコノミー」をはりこんでチケットをおさえたのが3月。ビジネスは、昔はできなかったフルフラットで寝られる構造。ヴェネチアに着いた時に、疲れ果てていては困るから。帰りのプレミアムも、かなりリクライニングが出来るので、高額を払ったわけ。



 飛行時間は、成田―ヴェネチア12時間。これは従来のミラノ便と同じ長さ。なんとか耐えられる限界。「最長でも6時間のフライト」とお医者に言われているのだから、12時間でもお医者に言わせたら、とんでもないフライト。まぁ、2年前にできたのだからと、自分のリスクで決心したのだ。

 3週間のイタリア滞在で計画し、ヴェネチアをはじめ、サンモリッツに近いティラーノ、ミラノの下町のホテルも予約。4月までルンルンの気分。旅って、行っている時も楽しいけれど、あれとあれはやろう、これも見ておこう、あれも食うぞ、あれは初めてだから今度こそ、懐かしいからピッツ・ネールの4000mまで上がってみようとか、頭と心でのシミュレーションの時間が楽しいもの。

 しかし、4月の初めに突然、フライトは15時間に延びました…ときた。12時間でも持て余す長い時間なのに、最後の3時間プラスはうんときつい。そうなれば、僕にとっては、生涯で”The longest flight”になる。ニューヨークから成田の偏西風の中でも、最長13時間。それより2時間も長い。そんなの許されるかと思った。体は持つかとも…。

 アリタリアに問い合わせたら、当初から変わったから15時間だと答えが来た。納得できない。再度、Whyと聞いたら、飛行ルートに変更があった…と来た。

 実は15時間と聞いた時に、変だなと思ったのだ。帰りのミラノ・マルペンサからの飛行時間は従来通り12時間。ヴェネチアとミラノの間に2時間も差があるはずがない。フライトのルートが違うとしか考えられない。問い詰めたら、中東経由だから時間がかかる…との答え。北極経由、つまりロシア上空を飛ぶルートではなく、ロシアをかすめて飛ぶ長い距離になったわけだ。

 バカヤロー ! てことは、アリタリアは、ヴェネチア便の就航に当って、ロシアの飛行許可を取っていなかったことになる。バカヤローだ。ほんとに。

 若者には、「次があるさ」があるだろうけど、僕は、「次があるさ」とは言えないのだ。誰も、次があると僕に保障できる者はいない。神様しかいない。しかし、どの神様だ? わかんない。

 知っている人は少ないかもしれないが、来年、2015年はミラノで“EXPO15”が開催される。つまり、ミラノ万博だ。ミラノにはたくさんの人が押しかけるわけで、いつものミラノとは違うだろう。ホテルは取れないし、取れてもいつもよりウンと高額なものになる。世界中から人がワンサカきて、街はいつもの町ではなくなる。そんな街にはいたくない。



 すると可能性は再来年、2016年…てこと。心臓君のことなどを考えると、この2年は長い。この時間に僕が衰えていく体力を持ち続けられるかどうかは全く分からない。すごく大切なラストチャンスだったかもしれないのだ、今年は。

ミ ラノの近郊、モンツアには、僕の古い、古い、40年来の友がいる。前回、会えなかったので、今度こそと考えていた。彼の奥様は、重症筋無力症の難しい病気。再来年だと友達も80歳を超える。あと2年後に大丈夫かどうかも分からない。僕自身もわからない。

 体調と天候に寄るけど、できたら行きたいと思っていたドロミティとも会えそうにもない。がっかりだ。

 結果として、僕の最長のフライトとなる15時間には自信がなく、アリタリアAZ689便の搭乗をキャンセルした。エージェントのキャンセレーションチャージは仕方なく支払った。悔しいし、情けない思いが残る。

 本当に2016年に、イタリアを再挑戦できるという自信はない。悔しい、悔しいの僕です。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿