話の扉

一級建築士 野積基子所長のブログ

富岡市景観賞審査

2011-01-20 12:21:25 | インポート

富岡市の景観賞の現場審査に立会ました。

P1030477

審査メンバーは総勢20名ぐらいで

議員さんや富岡市都市建設部の担当者などで

車3台で見えました。

質問が多様で

Q:どの材を残した?

A:主要な構造部 柱 梁 土台で

土台と柱の根元は腐っている材が多く 

取り換えたり 根継ぎをしました。

基礎は元々無く 今回も予算の都合もあり

床下防湿コンクリートのみで基礎補強はしていません

300角の欅大黒はほぼそのままの利用です。

壁は出来る範囲の耐震補強をしました。

Q:大きさは?

A: 工事面積は約72坪

  既存建物から減築しています。

  元は80坪以上ありました。

Q:狂いは無かったか?

A:大きく狂ってました。

 水平 垂直な個所は1か所もありませんでした。

 屋根部 に向かって 全体が開いていて

 大きいところでは15センチくらい 平均12センチ 

 つまり 土台部と桁部では柱1本分~1.5本分狂っていました。

 屋根 棟は蛇のようにズバリ蛇行状態 

 雨漏り個所多数でした。

Q:屋根は?

A:元々瓦が葺かれていた様子は無かったです・

 ガルバリウムで仕上げてあります。

Q:確認申請的は 新築扱い?

A:この地域は確認申請のいらない地域です。(工事届けのみ)

 ちなみに市の固定資産税は新築扱いで

 施主さんは少し納得されてないようでしたよ。

Q:古い柱 ・梁はどの程度掃除(クリーニング)?

A:何度も洗浄しました。

 洗っても ・洗っても・洗っても・・・・・真黒な水が出ました。

 職人は毎日 夕方には全身真っ黒ケ でした。

 新しく入れた材は既存材に準ずる塗装をしました。

Q施主さんは一般新築と古民家再生の選択?

A:多少迷われていましたが

 当初より 再生 リフォーム希望で依頼相談されました。

 住み継ぐことへの強いこだわりをお持ちでした。

 迷われた理由は費用だと思います。

Q:費用は?

A:新築と同程度 またそれ以上かかりました。

 リフォーム・建て替えは解体費用が別にかかります。

 お施主さんのこだわり度で実現します。

Q:高さについて

A:当初は土間より70センチの段差が有 

 ご両親も歳と共に体に負担がかかっているため

 土間部をあげて 1階は段差無になっています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 土間玄関に全員入られて

「いい感じだね~」

「家(うち)もこんなだけど 直したいな~・・・お金が?」

改修前写真・工事中写真・ など見てもらいました。

審査結果はさておいて

質問者数と回答者1名はちと忙しかったけど

良い経験をさせていただきました。

ありがとうございました。