映画「LIFE!」を観た。ひと言で言うと、難解な映画で、見終わって「何が言いたい映画?」と言う感じだった。
しばらくあちこちのシーンを思い出して考えてみる。すると「主人公の妄想癖、主人公が妄想並みの行動を余儀なくされて行く内に(妄想以上の実行をするので)見なくなっていった」とか、「最後の25番ネガの意味って、『青い鳥』みたいだ・・・・」と気づく。
最後まで「これって、あり得ないだろう」感はあるのだが、主人公ベン・スティラー演じるウォルター・ミティに対し、否定的なものから肯定的な「あり得ない感」に誘導されて行くのが面白い。
ズバリこの映画、ドラマとして人間性を掘り下げた深い内容は無い。しかし自分を変える、冒険する、恋を成功させる・・・・そういうポジティブを美しい映像を重ね、冒険に重ねて観る者をいい気持ち(成就達成感)にさせる映画に仕上がっている。しかしそれは非現実の、都合良く作られた映画の世界であって映画の世界だけのもの。そう映画のように簡単には乗せられる訳にはいかない・・・・現実はやはり危ういという冷静さ、警戒心をも同時に起こさせるものである。
よくも悪くも、映画らしさを凝縮した秀作だと思うが、どうもあまりにも都合よく作り過ぎているところが気にはなる。 ケパ