主婦は朝ドラの「ごちそうさん」ではないが、毎日の生きる糧、お料理を作ってくれる。同じNHKに「サラ飯」という番組もある。これらを観ていて、いつも思うことは<家庭であれ職場であれ、最高のごちそうは、実は食べ物をはさんでの会話>であることだ。
私はこの年まで、幾度かの独り暮らし、また孤食の時代を経験した。独り暮らしは学生時代、独身時代、そして家族別居の単身時代、つぎに娘はいても独り暮らし時代である。特につらかったのは後半の方で、壁に向かって食べる空しさは、たとえて言えばまるでガソリンスタンドでの「燃料補給」のようであった。
結婚するまでは一人で食べるのが当然で、つらくも何ともなかったことなのだが、一度家族を経験すると、途端につらくなった。
ところが、である。再び結婚すると「あれれっ」とばかりにウエストが急成長し、今やビヤ樽型体型に大変身。背広などのズボンがつぎつぎにはけなくなるという経済や、スタミナに課題が生じてテニスで勝てなくなるなど諸問題が噴出中である。メタボ予備軍で、健康上もイエローカードが出ている。どれもこれも理由はおそらく一つだけ。食事が美味しく、見事に身についてしまうからである。その正体は会話である。
さりとて二度と独り暮らしに戻りたくもなく、甘いものや量的規制を心がけてきたが、ことごとく失敗。しかし最近「祈り」でこのことを心から願っていなかったことを発見。これが最大の失敗ではないだろうか。だから食いではなく、悔い改めている。(写真は独り暮らしの名残り、たまには奥さんに感謝して夕食のカレーを作る) ケパ