この度のヨルダン・イスラエルで学んだことの締めくくりは「オリーブ油」である。
オリーブはシリア・パレスチナが原産にして自生地である。聖書の舞台でもあり、聖書には三大農産物であるパン(麦)・オリーブ・葡萄の一つとして数多く記述されている。
聖書とオリーブ・・・・1:大洪水の後、陸地探しにノアが放った鳩がくわえてきたのがオリーブの枝であり、和解の象徴ともいえる。
2:主イエスが受難を前に血の汗を流して祈った所が、ゲッセマネ(油絞り)の園であった。(写真は今回撮影したゲッセマネの園)
3:ユダヤ人とクリスチャンの関係について、オリーブの接ぎ木で説明されている。「枝の中のあるものが折られて、野生種のオリーブであるあなたがその枝に混じってつがれ、そしてオリーブの根の豊かな養分をともに受けているのだとしたら」(ロマ11:17)
アノインテッド・・・・北海道にアノインテッドというゴスペルの賛美グループがある。これは油注がれた者の意味で、旧約聖書の時代においては祭司、預言者、王そしてメシア(キリスト)が聖なる油を受ける対象者だった。これは特別に調合されたオリーブ油(出エジプト30:25)で、おそらく香油(マタ26:7、ルカ7:37など)の一つだと想像する。私はこのアノイント用の油は聖霊と同じ意味なのだと思う。
特に神であるキリストをアノイントしたのが王でも、祭司でも預言者でもなく、なんと当時特に地位が低かった世俗の女であり、罪の女であったのが感動を覚える。
オリーブオイルの作り方・・・・エジプトでは種を取ってからするそうだが、イスラエルのパレスチナ地方では1:葉を取り除きザッと洗う。 2:圧搾機(油搾り器)で実と種を粉砕しドロドロのペースト状にする。(右写真の巨大な石臼のようなものが圧搾機) 3:水と油に分離する。
一番搾りとは? 一番に絞ったオリーブオイル(澄んだうす黄色)でエクストラ・バージンと呼ばれる。生野菜にかけたりする食用がメイン。化粧用もこれ。
二番絞りとは? 1番絞りで出来た滓(カス)を再び精製し油を取り出す。その過程でどうしても緑の色素とかオリーブ独特の匂いまで抽出されてしまうようだ。主に炒めたりするオリーブオイル、石けんになる。
三番絞りもあるらしい。これは主に石けんの原料になるらしい。しかし高級な石けんとはならない。
オリーブは素晴らしい・・・・オリーブ油は摂取しても純植物性なのでヘルシーで、他の油より太りにくいと聞いた。また人類との超長いお付き合いのある、これ以上の安心はない固形ボディソープである。以前サモス島のオリーブ石けん紹介時、「オリーブの匂いがきつい方は向かない」としたが、一番搾りのオリーブ油で作った石けんは、ほとんどオリーブ独特の匂いはないらしい。最も少々お値段は高くなる。これまでわが家は各種ボディソープの放浪を繰り返し、その薬品臭さや刺激性に懲りて、最近はオリーブ石けんに定着した。むろん匂いさえイヤでなければ、二番絞り以降のもので十分だと思う。 (ケパ)