AXNミステリー放送。
片岡鶴太郎の金田一耕助第1弾。1990年作品。
原作にほぼ忠実かな。
早苗さん役は遥くららさん。
彼女は当時のドラマのヒロインをやっていそうな感じ。
でも、片岡金田一はそんなに早苗さんと絡まず、牧瀬里穂さんの月代と仲よくなるのがこのシリーズの特徴らしいです。
フランキー堺さんは了然和尚役。加藤武さんも磯川警部で出ていました。
このドラマの月代はけっこうまともで、巫女姿でお祈りをしません。
したがって子猫が鈴を鳴らして、月代が生きていると思わせるところとかの見どころがありませんでした。
あと、釣鐘のトリックも昼間になっていて、昼間だったら大道具の張り子の釣鐘だってわかるでしょうにとツッコミ。
ラストの金田一と了然和尚との問答は見どころがありました。
二人とも死者の声に動かされて、片方は生かそうとし、片方は死なそうとし、死なそうとした和尚が勝ったと思っていたら、結局負けていたというところよかったです。
そして、唐突な金田一の早苗への告白?「一緒に船に乗りませんか」って、月代に言えば従ったかもしれないけど、無理でしょ。
「女怪」に続いて「獄門島」と言えば、金田一耕助二大失恋エピソードなのがちょっとおもしろいところでした。
BSフジ放送。
片岡鶴太郎さんの金田一ドラマを初めて見ました。
「女怪」は前に古谷金田一で見ましたが、内容は微妙に変わっていました。
原作をまだ読んでいないのでなんとも言えませんが、古谷さんの時より、片岡金田一の方が虹子に好意を寄せられていたのがおもしろいところでした。
作家役にフランキー堺さん。声がおかしいなと思ったら、亡くなった年の作品でした。
虹子役の古手川祐子さんがきれいでした。
この作品の最大のトリックは、探偵が惚れた相手が犯人というところでしょう。
まさか、金田一耕助が惚れた相手が殺人を犯すわけがないという先入観がキモです。
鶴太郎さんは当時からやせたと思っていましたが、今の鶴太郎さんと比べるとまだふっくらとしていました。
もっと鶴太郎金田一が見たいなと思っていたら、AXNミステリーで今月から全作品を放送するみたいです。
しかも、中井貴一さんの金田一も放送予定になっています。
うーむ楽しみです。
これでAXNミステリー掲載の「金田一耕助シリーズ」はコンプリートしました。
「幽霊座」も原作を読んでいなくてなんとも言えませんが、ネットで原作のあらすじを見るとだいぶ改変しているようです。
マドンナは十朱幸代さん。
旅回りの女座長の役ですが、なぜか座員には女形もいます。
「男はつらいよ」の大空小百合を演じた岡本茉利さんも出ていました。
いつもの展開、犯人の自殺で終わります。
でも、殺された人々はみんな悪い奴ばかり、犯人は自殺しなくてもよかったのでは?と思ってしまいます。
さて、まだまだ未読の金田一もの、そのうち読む機会はあるのでしょうか?
ブックオフの優待券があるので、探してみましょうかね。
原作は「悪魔の家」由利先生シリーズらしい。未読です。
金田一の相棒は河合警部の谷啓さん。抑えた演技が好きです。
マドンナ(「男はつらいよ」みたいに呼びます)弓枝は高橋ひとみさん。
古尾谷雅人さん演じる鶴田が悪い奴で、結局、弓枝に殺されてしまいます。
原作が良いのに改変されてダメになるのも、原作は金田一ものでないのに金田一のドラマにして?になるのもどっちも残念です。
誘拐された子どもが生きていたり、女の子が不気味な人形を持っているのもスルーしたり、ご都合主義が目立ちます。
3本まとめて書きます。
「女怪」原作を読んでいないので何とも言えませんが、金田一の初恋の女性が出てくるお話。
しかし、金田一は相手にもされないみたい。
このドラマのヒロイン丘みつ子さんは薄幸の美女役で、濡れ場もありなのですが、ちょっと合っていなかったみたい。
脅迫者と恋愛相手が同一人物で、変装していて見分けがつかないってトリックなのですが、ドラマで見ると声は同じで明らかに同じ人とわかるのでありえないと思ってしまいます。
小説だとありなんでしょうけれど…。
「三つ首塔」1993年版。2時間ドラマにまとめられないなら、長編を原作に使うなと言いたくなるほど、改変がひどいです。
宮本音禰でなく座光寺音禰という名前の音禰ちゃんは、救いのないキャラクターでした。
そして岡本信人さんの怪演が目立つドラマでした。
「迷路の花嫁」これも原作読んでなくてよくわかりません。
荻野目慶子さんがヒロイン。
中尾彬さんが悪い霊媒師役。犯人かと思ったら違いました。
人の良さそうな宮川一朗太さんが実は…。
宮川さんはいつごろからこういう変質者的真犯人役をやるようになったのでしょうね。
いつも、そんな役をやっていたような気がしてしまいます。
出石が舞台のドラマ。木製トランクを下げて旅する金田一はまさに寅さんしています。
いろいろ「悪魔が来りて笛を吹く」を見てきた果てに再び1992年版を見ました。
西村知美ちゃんの美禰子はよいです。金田一と一緒に須磨に行くなんて映画版みたいでした。
このドラマの最大の設定変更は、三島東太郎を椿東太郎として初めから美禰子の兄として設定したところです。
なんでもそうですが、ちょっとした工夫でうまくいったつもりが、どんどん矛盾を生んでしまいます。
このドラマでの東太郎の両親は原作どおりですが、そうなると東太郎と椿英輔の関係がおかしくなってしまいます。
戸籍上一応、東太郎の父は英輔なのです。東太郎は父英輔が好きなのに、父と引き離されて英国留学させられてしまいます。
東太郎の指のケガは戦争によるものでなく犬にかまれた結果です。
英輔の性格から見て、こんな東太郎を悪魔の子呼ばわりするでしょうか?
だいたい英輔が須磨に行ったのは原作だと東太郎に脅迫されたからなのです。
このドラマで英輔が、東太郎が自分の子でないと知ったのは何がきっかけだったのでしょう。東太郎が英輔に言うわけなさそうです。
そもそも、こんな坊ちゃん育ちの東太郎が飯尾豊三郎なんて犯罪者を操れそうもありません。
このドラマで好きなのは鷲尾真知子さんの松月のおかみです。金田一との絡みが秀逸です。
「悪魔が来りて笛を吹く」のフルート曲を吹いて金田一が謎を解く手助けをしてくれます。
NHKのシリーズ深読み読書会で「悪魔の手毬唄」の犯人の動機について話していました。
1 妻としての嫉妬、2 近親婚を防ぐ、3 芸人としての嫉妬
そして犯人はサイコパスなのだというお話でした。
なんでもサイコパスにしてしまえば、すべてかんたんなんですけれどね。
でも、なんか引っかかるんです。で、ずーっと考えたんですけれど、こんな考えが出てきました。
何かミスしてしまったとき、しくじったとき、一番望むことはミスする直前に戻りたいということです。
犯人にとって最初の殺人は、激情にかられてしてしまった大きなミスでした。
そのために、娘は赤あざをもって生まれ、放庵には弱みを握られ、ずっと田舎の温泉にしばられて生活しなければならなくなりました。
彼女はずっと考えていたはずです。もう一度人生をやり直したいと…。
さて、ではいつに戻ればよいのでしょうか。
最初の殺人の直前でしょうか?いいえ、違います。
恩田幾三が鬼首村でいろんな女性に手を出す前でなくてはなりません。
放庵、恩田幾三が産ませた三人娘をこの世からなくすことで、犯人はもう一度人生をやり直せると思ったのではないでしょうか。
そのためにずっと計画を練ってきたのです。犯人を放庵に見せかけ、三人娘を殺す。
手毬唄の奇妙な符合もあり、大空ゆかりの帰郷、金田一耕助の温泉逗留という絶妙のタイミングで事件は起こったのでした。
このうち、一つでも欠けたら、事件は起こらなかったのでした。
という解釈はどうでしょうか。こんなに考えさせるんだから「悪魔の手毬唄」は傑作なんですね。
「悪魔の手毬唄」、「魔女の旋律」どちらも2回目視聴でした。
「悪魔の手毬唄」はこのシリーズの中の傑作です。うまく原作をまとめているのです。
藤岡琢也さんが磯川警部を演じているのが実によいです。
このシリーズだったらハナ肇さんにこの役をやらせても不思議じゃないのですが、そうしなかったのが素晴らしい。
前回もですが、里子が出てくるシーンを見るとウルウルしてしまいます。里子ってなんて悲しいんでしょう。
里子はおかあさんにわかってほしくて、でもわかってもらえなくて…。そこが悲しさの素なんです。
さて、今回はおりんが気になってしまいました。有馬稲子さんが演じているんでしょうが、妙に肉感的な腰回りをしているおばあさんなのです。
こんな色っぽいおばあさんだと金田一も磯川も出会ったら、もっとしゃべりかけそうな気がします。
それですべての殺人計画がご破算になったら、よかったのに…なんて。
「魔女の旋律」は前回はとんでもない駄作だと思ったのですが、今回はおもしろく見られました。
顔がそっくりな他人というトリックはいいのですが、それをドラマ後半に出すのはアンフェアな気がしたのでした。
でも、最初から出していたら、ドラマの展開がバレバレですもんね。
金田一が走る車につかまってふりおとされそうになったり、河に沈められて生死がわからなくなったり、神父に変装したりして、明智小五郎みたいな活躍をします。
金田一の妹のエピソードも出てきますが、これはこのドラマだけのオリジナルなのかよくわかりません。
怪盗「薔薇王」榎木孝明さん前半はかっこいい。金田一をだまして睡眠薬を飲ませるところまではよかった。
ところが、後半はストーリーが迷走してしまいます。
ニセモノの「薔薇王」が現れて、本物はどうなったかというと、あっさり殺されていたことが判明します。
なんじゃこりゃ。
金田一を演じたこともある中尾彬が悪い奴で、すべての事件の元凶ですが、彼もからくり人形の毒矢であっさり死んでしまいます。
ありゃりゃです。
結局、真犯人は自殺してしまうし…もうお約束の結末でした。
金田一耕助シリーズのエピソードガイドがAXNミステリーのホームページに出ています。
ここに出ている29話を全部見たいという気になってきました。CSTBSのホームページだと27話の掲載なのが?です。
原作を読んでいないとなんのこっちゃで、原作を読んでいると違和感が強いこのシリーズです。
「死神の矢」も原作を見ていないので評価しづらいのですが、パターン通りの展開です。
こうなるとこのシリーズは「男はつらいよ」シリーズなみの作品と言えるのかもしれません。
もうどんな事件でも金田一さんが出てくるだけでよいのです。
ありがたい、ありがたい。もう古谷さんが金田一を演じることもないでしょうからね。