小野寺昭金田一耕助第4作。
これでこのシリーズは最後みたいです。
「真珠郎」「仮面舞踏会」「三つ首塔」「夜歩く」をシリーズでドラマ化するなんて金田一ドラマとして、ちょっと外したラインアップだなあと思いますが、2時間ドラマ枠で金田一ものを作るなら、正しい選択だったのかも知れません。
「夜歩く女」の原作は「夜歩く」。
1978年に古谷金田一でほぼ原作に忠実なドラマになっています。
今回は1978年版のアンチテーゼのようです。
原作での不満はヒロイン八千代がものすごく魅力的なのに、ラストであっけなく首切り死体になってしまうこと。
ところが今回のドラマでは八千代さん、金田一が助けて生き残ります。
たしかにできるものなら、原作でもこんな展開が見たかった。
でも、そのおかげでドラマはなんのこっちゃになってしまいました。
八千代さんは南条玲子さん。たしかに南条さんが流行ってた時ありました。
で、原作では八千代が夢遊病を装うのは、父が夢遊病である直記に、実の兄妹なのではないかと疑わせるためなのですが、今回のドラマでは八千代は直記に襲われていることになっています。
しかも、八千代の義理の母お柳さまがいい人になってしまいました。
そんなわきの甘さだったから、これで終わってしまったのかな。
小野寺昭さんの金田一耕助は女性にもてて、優しくて、ちゃんと和服着てよかったので、もっと続編が見たかったです。
といっても、初回放送時の記憶がまったくなかった私にはそう語る資格がありません。
YouTubeでDS「犬神家の一族」を見ました。
「犬神家の一族」がテレビゲームになったのは知りませんでした。
YouTubeでこのゲームの模様がアップされていたのでした。
これがびっくりするくらい原作に忠実に作られていました。
今までの映画、ドラマでは次の2点が原作どおりではありませんでした。
1 宮川香琴(松子の琴の師匠)が実は青沼菊乃だった。
2 連続殺人事件の犯人として雪山に逃亡した佐清を追って、金田一耕助がスキーをする。
この2点が私の知る限り、初めて映像化(ゲームアニメですが…)されていました。
ファイルが001から009まであり、010が非公開になっていました。
009まで見るといいところで最後のシーンが見られません。
でも、いまさらニンテンドーDSとか買うのもどうかと思いますし、だいたい、想像できるからよいです。
で、第2弾DS「八つ墓村」も公開されていて、今、楽しく見ています。
こちらでは映像化でカットされがちな里村典子ちゃんが出てきます。
小野寺昭金田一耕助第3作。
上杉教授は露口茂さん。
「太陽にほえろ」してますねー。
ヒロイン宮本おとね(このドラマでは音禰と表示されていませんでした)は松原千明さん。
第2作「仮面舞踏会」に引き続き出演でした。
ちなみに第1作は「真珠郎」ヒロインは真野響子さん。
これがまた美しいのでしたが、真野さんは1977年版の「三つ首塔」のヒロインでした。
やっぱり真野さんの宮本音禰は最高でした。
今回は2時間ドラマなので仕方ありませんが、かなり人間関係が省略されていました。
でも、大筋で原作どおりでした。
おとねと五郎の出会いのレイプシーンが時代が経つにつれ、ドラマ化を難しくしています。
今だとただの犯罪にしかなりませんもの。
ドラマの冒頭で金田一はおとねと結婚しないかと上杉教授に言われます。
原作だと音禰にとって金田一はただの敵役に過ぎないのですが、このドラマではもっと親しい間柄になっています。
ラストで金田一はおとねとの結婚話はどうせ金田一が断ると思って上杉教授が言ったと見破ります。
このドラマでは、金田一とおとねの結婚話がある意味犯人探しを難しくさせるトリックになっているのでした。
片岡鶴太郎金田一シリーズ第9話。
大道寺智子は牧瀬里穂さんでなく初瀬かおるさん。って川越美和さんじゃないのと調べたら、彼女は名前を変えていて、すでに亡くなっていたんですね。
これが今回の最大の驚きでした。
今回も犯人を変えていました。
登場人物も少なくて、怪しい人があまり出てこない展開になりました。
また、なぜか月琴の里は岡山にあるのでした。
事件の中心人物、神尾秀子は池上季実子さんでした。
どうせ犯人は原作どおりと思っていたらひねられました。
しかし、原作にあったドロドロとした欲望がまったくなくなって、犯人の行動や動機もちょっと変じゃないのと思ってしまうのでした。
片岡鶴太郎金田一シリーズ第7話。
と思っていたら今回のAXNミステリーでは第6話の「八つ墓村」を放送していませんでした。
ということは実際は第8話なのでした。
この頃になると片岡さんだいぶシャープになりました。
今回もかなり改変されていました。
登場人物が少なくなって、ということは犯人候補が減るということですね。
となると最初から三島東太郎が怪しいのでした。
悪魔の紋章は新宮利彦でなく椿秋(本当はへんとつくりが逆)子についていました。
しかも利彦と秋子はいとこって、生まれた子は悪魔の子でもなんでもないじゃないの。
しかも舞台は東京でなく岡山らしい。
みんな岡山弁をしゃべる華族なのでした。
秋子を真野響子さんが演じるので、いい人キャラになるんだろうなと思ったらそのとおりでした。
椿美禰子は牧瀬里穂さんかと思ったら遊井亮子さん。
牧瀬さんは磯川警部の姪になっていました。
東太郎の動機も親に捨てられた恨みくらいで、原作に比べると軽く感じます。
事件のカギもお手軽に金田一が手に入れて、全体にライトな「悪魔が来りて笛を吹く」でした。
中井貴一さんが金田一耕助を演じていたのは最近まで知りませんでした。
このドラマではらしくない洋装の金田一耕助なのでした。
脚本が長坂秀佳さんなのでひねりが効いています。
野々宮珠世が財前直見さん。
この頃のドラマのヒロインといえば財前さんだったんですね。
この珠世がまたかっこいい。
今までの珠世と違って自分の気持ちをはっきり言います。
そして犬神佐兵衛は若山富三郎さんなのでまたひねっています。
犬神佐兵衛が「愛」なんて口にします。
このドラマでは珠世の出生の秘密はどうでもいいとバッサリ切っています。
そこに事件のカギがあるんじゃないのと思いますが金田一もスルーします。
というのも、このドラマでは青沼菊乃こそ犬神佐兵衛が愛した人という設定だからです。
だから珠世の祖母のことは触れないのです。
青沼静馬はただの間抜けな男で佐武、佐智の殺害後の工作にも関わってなく、佐清が一人で死体処理をやったことになっています。
しかも、手形を押すところも静馬に脅迫されたわけでなく、佐清が自主的に押していました。
竹子、梅子は子どもが死んでも悲しまず、お金のために子どもを作ったと公言します。
松子は最初から佐清がニセモノとわかっていたというどんでん返し。
このひねりがたまらなく心地よいです。
宮川香琴が実は青沼菊乃だったという原作どおりの設定かと思ったら菊乃の妹の設定でした。
小林桂樹さん演じる古館弁護士は菊乃の元恋人で、犬神佐兵衛に奪われてしまったと言っていたのに金で菊乃を譲り渡したと香琴に真実をばらされるところもよかったです。
とにかく、この「犬神家の一族」は今までの映画やドラマをひねりにひねっていておもしろかったです。
片岡鶴太郎金田一シリーズ第5話。
なぜ、松子、竹子、梅子を犬神佐兵衛の娘でなく、愛人にしたのか?
まったく意図がわかりません。
この設定ですべての人間関係が破綻してしまいました。
佐清、佐武、佐智、小夜子、青沼静馬はみんな異母兄弟になりました。
となると、小夜子が佐智の子供を妊娠しているのはどうなんでしょう。
この辺はこのドラマの設定を忘れているのかもしれません。
原作どおりとすれば野々宮珠世も異母兄妹の一人ですが、このドラマではさすがに犬神佐兵衛と珠世の母野々宮晴世さんはプラトニックな関係で無関係なんですって。
松子さんは栗原小巻さんが演じたためか、アクの弱いいい人になってしまいました。
そして松子さんはタバコを吸わず、お茶を飲んで自殺しました。
禁煙運動はこのドラマにも影響を与えていたのでしょうか。
このドラマで牧瀬里穂さんが演じるとすれば野々宮珠世しかないわけですが、ちょっと荷が重かったかな。
映画で坂口良子さんが演じた旅館の仲居さんあたりが適役だったのかもしれません。
このシリーズも8話中6話見ましたが結局、鶴太郎さんが金田一耕助を見事に演じていたという印象が強くなって、ドラマ自体はたいしたことなかったなということになりそうです。
こう書いておくと後の2話で感想が逆転するかもしれません(そうなることを期待して)。
片岡鶴太郎金田一シリーズ第4話。
人間関係を改変してあって、底の浅い話になってしまったのが残念でした。
リカの息子だった歌名雄は、リカとは無関係な隣村のお金持ちのお坊ちゃまになっていました。
あーリカが実の母だったという設定なのかと思ったら、まったくそんなことはありませんでした。
この歌名雄が鬼首村の娘と結婚しなければならないという親の遺言で嫁選びをするというのが事件の発端です。
スター別所千恵子は金田一と知り合いで故郷の鬼首村に帰郷しようとすると「帰るな」と脅迫状が届きます。
金田一は脅迫状を出した犯人を探し、千恵子を守るために鬼首村を訪れます。
千恵子は牧瀬里穂さん。今回はリカの娘里子と二役です。
里子ってどの「悪魔の手毬唄」でも悲しくてついつい惹き込まれる役です。
今回は里子のあざの原因はやけどになっていました。この改編も微妙です。
リカはいしだあゆみさん。この配役は絶妙です。ぴったり。
リカはやっぱり細い体でなくてはいけません。
配役で言うと多々良放庵と仁礼嘉平は逆だろうという気がしました。
金田一さん放菴のサンショウウオは鳥目の薬でなく、精力剤なんじゃないのとつっこみ。
で、変なところをセーブしているくせに、文子は逆さづりにしておっぱいまで出させるところがもっと変。
歌名雄が暗闇で「里ちゃん」と呼んだとき、あまりに意外で頭の中で勝手に「千恵子」のことを呼んだんだと思い込んだら「里ちゃん」だったと後ではっきりして、このトリックにはびっくりしました。
リカが毒入りすしを食べるシーンが妙に場違いな感じがして印象的でした。
この破綻したシーンがリカの狂気を表していたのかもしれません。
いしださんのリカがよかっただけに、シナリオの出来が残念でした。
片岡鶴太郎金田一第2話。
「獄門島」に続いて第2話が「悪霊島」だったのは意外な感じがします。
原作にほぼ忠実でしたが、2時間ドラマなのであっさりとしています。
その割に犬にかまれて運ばれる片帆の腕の描写はしっかりと出てきたのは意外でした。
牧瀬里穂さんがまだ幼い顔をしていてかわいいです。
映画で古尾谷雅人さんの演じた役を男女入れ替えて演じていました。
このシリーズは牧瀬さんにこだわりすぎて、金田一ワールドに破綻をきたしているのが残念です。
なんせ金田一と絡むので、原作で元々いるヒロインが金田一にあまり関われないのです。
さて「悪霊島」と言えば巴御寮人です。
今回は島田陽子さんが演じていました。
でもドラマのつくりのせいか、あまり狂気を感じられません。
こうなると映画版の岩下志麻さんってとってもすごかったのがよくわかります。
次郎丸が出てこない赤ちゃんがいこつでは巴御寮人の狂気の説明がつかなくなりますが、この辺は当時のテレビドラマの限界だったのかもしれません。
片岡鶴太郎金田一シリーズ全話を録画できたのでこれからレビューしていきます。
片岡鶴太郎金田一耕助第3話。
出だしはアメリカ時代の金田一耕助。
これはおもしろいと思ったのですが中身の「本陣殺人事件」についてはこんな話だったっけ?というほど変でした。
主演女優は佐久間良子さん。
その回りに美人女優さんがいっぱい出てきて、もうドラマの筋に混乱をきたしています。
古手川祐子さん、森口瑤子さん、小田茜さん、おまけに牧瀬里穂さん。
これらの一人一人に金田一が関わるのですから、時間がいくらあっても足りません。
古手川さんの演じていた一柳妙子なんて今までの「本陣殺人事件」ドラマには出てこなかったので、そこで頭の中がぐるぐるしました。
女性たちの哀しみがメインテーマになってしまったので、パズル的要素が減ってしまったのでした。
加藤武さんの磯川警部も優しすぎでしょう。
このシリーズは原作に忠実なのかと思っていましたが、そうでもないようです。
「本陣殺人事件」のおもしろさって、アメリカ生活で病んだ金田一耕助と一柳賢蔵、三郎という日本の旧家の病んだ兄弟の推理対決なのではないでしょうか。
トリックのためなら命も捨てちゃう病んだ兄とそれを助ける弟。
弟もトリックのために大けがをするほど病んでいるのです。
こうなるとATG映画の「本陣殺人事件」も見てみたいな。