matta

街の散歩…ひとりあるき

桂離宮 車寄 京錆壁(きょうさびかべ)

2016年12月09日 | 歴史
Leica SL/24-90Vario Elmarit SL Asph.

出発してすぐ、霰こぼし苑路の手前に
書院、御殿につづく臣下控所の車寄の佇まいを見る。
赤茶色の真壁…落ち着いて 気品ある佇まい。
京錆壁(きょうさびかべ)…錆壁の中塗り仕舞だという。

「酸化土やから、だんだん錆びてくる。そうするとやね、
錆が入ってるから強度が増してきて、壁がだんだん締ま
ってくるんです。それで色もずーっと変わってくるわけ
やね。その色がなんともいえん渋い味わいになってくる
んやねぇ。そういう特色を利休の時代に、もう極めとる
んですな。」
「錆土というのは、ものすごく粘いんですよ。鏝を引っ
張ったかて、なかなか塗れへんのですわ。それをムラな
くふわっと仕上げはるんやねぇ。ああいうむっくりした
壁は、まあまあ、この人(小川久吉さん)をおいて誰も
ほかにできる人はいないねぇ。これだけの人はいま居ら
へんわ。第一、使うてる鏝が違う。この人、入魂の鏝で
すわ。いつもちゃんと砥石で研いで手入れし、きれいに
してはるんや。そんで、使うときは肌で温めはるんでっ
せ。」(笠井一子著『京の職人衆が語る 桂離宮』
安井清氏(安井杢工務店顧問)の言より)

「塗りのコツですか?コテを手にしたら何も考えてはい
けません。ただ塗ることだけに専念する。少しでも邪念
が入ったらおかしくなりますな。表面をなでるときは息
をとめます。息をしているとムラができてしまうんです。
それと体のバランスも重要です。きちんと腰をすえてい
ないとムラになってしまいます。壁の上部は塗りやすい
んですが、中腰になっての下の方の塗りはえろうこたえ
ますね」(「左官-小川久吉」:毎日グラフ別冊
『桂離宮 昭和の大修理』に収録-昭和59年発行より)
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