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街の散歩…ひとりあるき

01-02 頬王曰く、王位を太子に譲りたし云々……『釋迦尊御一代記圖會』巻1

2024年07月13日 | 宗教

第三は白露飯太子(可難の父なり)、第四は斛飯(こくぼん)太子(提婆の父なり)。この四人、皆賢人智人に勝
れたまい、頬王(きょうおう)また聖徳明かにて、万民を撫育(ぶいく)なりしかば、八荒(國の隅々まで)従
いなびき五風十雨(平穏)時を違えず万方安寧なり。然るに師子頬王(きょうおう)年齢既に闌(たけ)たま
いしかば、ある日、文武の百官を朝廷へ召され、頬王(きょうおう)詔(みことのり)して曰く、朕 祖宗
の譲を受けて国政を□(きし)こと五十年。卿ら國忠を厲(はげ)み政を補佐するにより四天下昇平に
て逆乱の澜(なみ)起らず。故に 朕 宮中に安臥して無比の娯楽を極る㕝(こと)を得たり。
然れども齢(よわい)すでに傾きて起居心に任せず。朝政を□(きし)ども失忘するところ多かれ
ば、恐らくば万機の政を過つことならんか。因って王位を太子に譲り、朕は山居して
静かな老を養わんと思えり。卿ら然るべく商議して四人の太子のうち十善の
位を践(ふむ)べき器量を見定め帝位に即(つか)しめよと宣命なる。
群臣詔命(みことのり)を奉(うけたまは)りてなつと畏まり領掌しけるが、三公の第一日光臣 階を進出
(すすみいで)て奏すらく。詔命の赴き最(いと)も目出たく叡慮にそうろう。臣、愚案を回らしそう
ろうに、四人の皇子いづれも聡明叡智に渡らせたまううちに、こと分て淨飯太子
は仁徳天地に則(のつと)りたまい、人望昄(き)する所といい、古より嫡子に世を譲る

こと天下の大法にそうらえば、須(すべから)く浄飯太子に万乗の宝位を譲らせたまうべし
と奏したれば、満廷の月卿雲客口をそろえて、実(げに)も日光臣の啓奏(けいそう)、理の
当然にそうろうべしこと奏聞す。師子頬王(きょうおう)叡慮麗しく、日光臣は告(もうす)とこ
ろ能く朕が意にかなえりとて、譲位は浄飯太子に一決し、博士に命じて吉日
良辰を占わせ、程なくその日に成りしかば玉殿を七宝にて荘厳し、譲位の
儀式厳重に具え、浄飯太子を高座に請し三大臣を首(はじめ)として文武
の百官諸国の王侯位階に依りてきら星の如く列座す。師子頬王(きょうおう)は
天地を拝して御手づから摩伽陀國に傳わる宝貝七宝七流の御筐を
とり出したまい、浄飯太子に授与したまう。その品は
第一 月蔵轉倫王伝来の月氏国景普等宝璽
第二 四神龍道霊弓同四通神力霊箭
第三 四魔能莫悩之白蓮剣
第四 闇明如意宝珠所謂夜光珠

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