茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

江戸の銭湯

2009年02月23日 | Weblog
こちらは日本茶インストラクター協会の会報誌
「茶論(さろん)」です。
なかなかお洒落なネーミングです。
いつも表紙がとても楽しみ!
今回は江戸時代のお風呂屋さんの情景で、
番台に座る女性の右膝元に見えるのはお釜です!
七輪のような竈(かまど)にかけられています。
そしてその向こうには茶碗が見えます♪

この絵は、
三代歌川豊国作「睦月わか湯乃図」。
埼玉県にある入間市博物館所蔵の浮世絵で、
学芸員梅津さんの解説によると、
『守貞謾稿』という書物にある記述、
「或ハ煎茶、多クハ素湯二香煎ノ類ヲ入レ浴後ノ客ニ出之」から、
江戸の湯屋では正月三が日、
客に湯茶を振る舞う習慣があったことがわかるといいます。
煎茶といっていますが、
粗末な番茶の類を火にかけて煮だしている様子とか。
湯上がりの喉をさっぱりと潤してくれたことでしょう。

仕事帰りの列車の中でこの「茶論」を読んでいて、
急に子どもの頃に行った銭湯の匂いがよみがえりました。
匂いの記憶ってすごいですね。
脱衣場でフルーツ牛乳の瓶を持っている自分を
うん十年後にこんな形で思い出すなんて。

江戸の煎じ茶は、
着流しで評判の髪結いさんの話でもしていたのかななんて、
湯気の中にそんな会話を思わせてくれました。
昭和のフルーツ牛乳は、
おばあちゃんとお風呂屋さんに行くと
フルーツ牛乳を買ってもらえる、
そんな秘かな小学生の楽しみを思い出させてくれました。
フルーツ牛乳がダメだった日は、そう、麦茶でした。
大きな薬缶にいつも麦茶がいっぱいできていたことを思い出しました。
そして今、お風呂上りに飲んでいるのは、
中国福建省の紅茶ラプサンスーチョン。
KIOSKで買ったペットボトルで~す。



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