茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

高麗美術館

2009年02月16日 | Weblog
京都市街の北の方に
高麗美術館はあります
閑静な住宅街に
「石の文化」を感じさせる建物
あ、韓国で見た博物館!と感じました

高麗というのは
朝鮮半島の新羅・百済・高句麗が統一され
統一新羅の時代を経て
918年に建国された王朝です
では、そのころの美術品が展示されているのかと思うと
そういうことではありません

1700点に及ぶコレクションの年代は様々
共通項はすべて日本で収集されたものという点です
創設者の鄭さんが
日本に散らばる祖国を探し訪ねるうちに
出会った考古美術品の数々は
朝鮮半島の古代から近代にいたるまでの歴史を
雄弁に物語るものでした

高い技術や洗練された美のセンスが堪能できる
朝鮮民族の青銅器や金銅製品、陶磁器や彫刻、絵画などの展示や
古代の朝鮮半島と日本の歴史の研究に関する多くの書からは
茶道具の原型についても多くのメッセージをいただくことができました

また
上賀茂神社や下鴨神社、広隆寺や八坂さんなど数々の京都の史跡が
古代朝鮮文化ゆかりのものであることも発見
たとえば清水寺の開山にかかわる坂上田村麻呂は百済の人であったとか
興味深い史跡めぐりマップもありました

で、なぜ高麗美術館かといえば
北朝鮮と韓国に家族が住まう鄭さんは
望郷の念がどんなに強くても帰る祖国がない
朝鮮半島が統一され栄えていた高麗を想い
38度線が消える日を願っての命名ということでした

韓国の美術館!ではなくて
朝鮮の美術館!だったのです