茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

結界

2009年02月14日 | Weblog
春一番がどんな流木を届けてくれたか
楽しみに逗子海岸に行きました。
といっても、
すっかり寝坊をして、
さらにフキノトウ探しなどしてたので、
出遅れました。
流木マニアさんがすっかりさらっていかれたのでしょう、
海岸で待っていてくれたのは海草のみ。

姿のいい流木があっても、
軽いものは中が虫にやられていて使えません。
蹴飛ばしてみたり、
ホンダワラの中から引きづり出してみたり、
いろいろ発掘作業をしましたが、
釣果なし。
朝寝坊がいたい。

いい感じの流木があった時は、
きれいに洗ってよく乾かして
サンドペーパーで削ったりして、
結界に利用するのです。

結界というのは、
煎茶のお茶席で
点前座とお客様の座を仕切るために置くものです。
衝立を使ったり、
花を流したり
流木をおいたりします。

結界というと、
こちらとあちらという二つの世界を仕切るもののようですが、
文字通り、こちらとあちらの世界を結ぶものでもあります。
一方で主客の違いを際立て、
一方でそれらを結ぶ。
部屋に置かれた一本の流木が、
空間に意味を立ち上げ、
席中の人の役割をしめすのです。

結界はもともと仏教用語。
聖と俗、浄と不浄、修行の内と外を区切ります。

お茶を淹れるのは修行。
お客様と同席させていただいてますが、
茶の葉の加減に、湯の加減に意識を集中している
そんな半人前の者です。
どうぞお許しください。
そんな控えた気持ちが
「こちら」にいるものにはあるのです。