阿武山(あぶさん)と栗本軒貞国の狂歌とサンフレ昔話

コロナ禍は去りぬいやまだ言ひ合ふを
ホッホッ笑ふアオバズクかも

by小林じゃ

PET検査

2019-12-11 15:26:07 | 父の闘病
 昨日は父のPET検査だった。咽頭摘出の手術から3ヶ月経過したからという主治医の説明だったが、通院している病院には設備がないため中区の病院へ行かなければならない。前回バスでの通院、そして検査で病院内を歩き回ったのは父にとってはかなりの負担だったようで、今回は運転して行くと言った。これは予想できていたことで、体調が悪かったらバスで行こうと言うに留めた。86歳の運転は心配ではあるけれど、病人扱いせず本人の意見をリスペクトすべき、という意見も多く聞いた。一言は言うけれど、それ以上は現状では逆効果のようだ。

 昨日の朝、道は比較的すいていて、40分ほどで中区の病院に着いた。途中二度ばかり気管孔のたんを拭き取った。一階の受付を済ませて、父は更衣室で検査着に着替えて二階に上がった。ここで私も荷物を一緒にロッカーに入れておけば良かったのだけど、この時はそこまで頭が回らなかった。

二階には検査を待っている人が何人かいて、呼ばれた人は扉のところで看護師に名前を告げて奥に向かっていく。扉の横には黄色の背景に赤の三角が三つ、放射線管理区域の標識があった。この検査は放射線を出す物質を注射して、CTでがんを検出するもの、という説明は読んでいたけれど、患者向けの説明書きでは管理区域のことはわからなかった。これでは私が扉の向こうへノコノコついていく訳にはいかないかもしれない。筆談ボードを持って来ていたのを二階の係の人が見つけて、一人で行けるか聞かれた。父はこの検査は二度目で、前回三月は一人で大丈夫だったと思う。もっとも前回はまだ声が出ていて筆談は必要なかった。今は更に耳も遠くなっていて、予定では2時間以上、たんも何度か取らないといけないだろうと伝えた。

その結果、私も一緒に行くことになった。しかし注射の後の安静室、検査の後の回復室には付き添いの居場所はないのだろうか、個室を用意するけれども区域内にいる二時間余の間に個室が必要な重症者が来た場合は移動してもらうこともあると言われた。そして、区域内に食品を持ち込むと放射線の影響を受けるから預けるようにと。ズボンのポケットにのど飴が3粒、不細工なことではあるけれど、ポケットから出して渡した。しばらくして名前が呼ばれて、扉のところで管理区域のマークがついたスリッパに履き替えて、まずは注射のあと、個室に案内された。薬が体中に行き渡るまで一時間の安静の間は脳を休ませないといけないそうで、テレビも読書もダメ、部屋はわざと薄暗く照明を絞ってあった。父はベッドに横になった。私は立派な椅子に腰をおろしたけれど、暗くて読書もできない。暇だからさっき履き替えた管理区域のスリッパの写真を撮った。


個室のトイレには注意書きがあって、おしっこが飛散すると放射性物質がスリッパや床面から区域外に漏れるかもしれない、男性も座ってするように書いてあった。最近は男性も座ってとよく言われるけれど、放射能漏れの恐れがあるからというのは初めて見た。
 
一時間たって、排尿してから検査に行くと声がかかった。トイレとたんを取ってから父は検査へ、また個室に戻って来るから私はここで待つように言われて、照明も明るくしてもらった。検査の間のニ十分間は落ち着いて読書ができた。

父が戻って来て、ここからは本来は回復室で過ごす1時間、放射線量を下げてから区域外に出る、ということのようだ。それでも帰りに自家用車などで妊婦や乳幼児の近くにいないようにと事前の説明書きにあった。放射線というのは本来厳重に管理されるべきものなのだろう。この1時間はテレビも見れてすぐに退室の時間となり、扉の前でスリッパを履き替えて管理区域を出た。できれば、そう何度も来たくない場所だった。受付で飴玉3つ、一階の受付にまで申し送りされているのは申し訳ないことだった。検査の結果は来週、通院先の先生から聞くことになる。何か見つかったとしても高齢であるから・・・というのは今考えても仕方のないことだ。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yutaka901)
2019-12-12 20:11:55
こんばんは、cachillatさん。

平和なにがしかという処で(同じ医療機関だと思いますが)、先月女房が同じ検査をしました。
ブドウ糖は癌を活性化するのですから患者にすれば必要最小限の検査でしょうが、
その医療機関が経済的に成り立たなければならない宿命があるのでは?
返信する
Unknown (cachillat)
2019-12-12 21:17:25
@yutaka901 こんばんは。yutaka901さん、コメントありがとうございます。
いつもの県病院にはこの施設が無く、車だと川沿いから入る病院での検査でした。父は被爆者で支払いはありませんでしたが、明細を見ると画像検査だけで八千点以上、健康診断だと結構な金額ではないかと思いました。父は高齢で今年3度の全身麻酔の手術をしており、これ以上の癌治療はどうしたものかと思いながらの検査であったため、本文のような感想になったこと、ご理解いただけたらと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。