buriのフリーランスな日々 

東京武蔵野、赤松や桜、ドングリの木々に囲まれて育ち、原宿で青春をすごした後、中国と深く関わったburiのメモブログ

東京高等裁判所傍聴

2010年06月06日 | 授業

先日、東京高等裁判所の傍聴へ学生たちといっしょに行きました。
私が見た裁判は

9年間、埼玉県の零細企業でつましく働いていた中国人男性の『即決裁判』でした。
彼は偽造パスポートで入国。
他の犯罪歴はありません。
彼の60年分の年収に当たる70万円ほどを払って偽造パスポートをブローカーから買ったそうです。

9年間日本にいたのに、日本語はできません。
もしかしたら、通訳の話す、かなりスピードの速い専門用語いっぱいの判決文なども聞き取れていなかった
かもしれません。

とてもおとなしい人です。
1ヶ月前に警察に捕まりましたが、どうやら近所から警察へ通報があったようです。
検察官が『あなたは日本で働くために来たのですね』と問うと、
疲れ切った表情で「はい、そうです。すみませんでした。」と素直に答えていました。
彼には目の見えない母親と妻、子どもが故郷の村にいるそうです。
『罪を償い、帰国して、まじめに暮らしたい』と言っていましたが、、、

即決裁判ですから、この日の公判だけで罪が確定します。
彼は懲役2年6ヶ月、執行猶予4年の判決を受けました。
しかし、実際は裁判終了と同時に入管の職員に彼は質問を受け、
そのまま強制送還となります。

彼が意外にも穏やかな顔つきだったのは、すでに弁護士から『即決裁判』ということで
説明を受けていたからではないでしょうか。

貧しい村の出身者。
日本での9年間、切り詰めて暮らし,得たお金は彼の子ども、お母さんの目の治療費
家族の生活費に充てられたのでしょう。

このようなニュースは新聞やテレビでよく報じられます。
しかし、裁判所に足を運ぶと、人、ひとりひとりに壮大な物語があるとういうことがわかります。

学生たちが書いたレポートを読みました。
みなそれぞれ深い印象を持ったようです。
人の生きざまに触れる、というのは人を成長させるために必要なプロセスだと、感じました。

にほんブログ村
FC2ブログランキング
人気ブログランキングへ


写真はJR品川駅(入管最寄り駅)の不法就労外国人対策キャンペーン月間の案内






最新の画像もっと見る