buriのフリーランスな日々 

東京武蔵野、赤松や桜、ドングリの木々に囲まれて育ち、原宿で青春をすごした後、中国と深く関わったburiのメモブログ

O・ヘンリー的結末

2011年04月14日 | 本・映画・音楽・美術のページ


今日は4年ほど続いている授業『原作と映画』の第1回目の授業です。
大地震で学生が半分に減ってしまった教室ですが、それでも18人もの学生が集まってくれました。
授業では半年で4冊の小説を読み、映画化された作品を見ます。
集まって来る学生は『本好き』『映画好き』でちょっと作品にうるさい面々です。
今回は読書会の形式を取り入れた新しいスタイルで授業をしてみようと思っています。

ところで、
中学生の時に読んだ『O・ヘンリ短編集』
それから何十年もたったのですが、いまも大好きな1冊です。
O・ヘンリの物語には
ありとあらゆる階層の人たちが登場し、お話は最後にいつも意外な結末を生みます。

O・ヘンリの略歴でよく知られているのは、彼が出納係をしていた銀行から告訴され
公金横領の罪で3年間、刑務所に服役したということです。

刑務所の中は「人の命がここまで軽く扱われるのか」と自身が記しているほど、ひどいものだったようですが
この刑務所の体験がなければ、O・ヘンリの名作は生まれてこなかったのではないかと言われています。

起承転結がはっきりしていて、意外なオチ(結末)があるのは、人を惹きつけてやまないO・ヘンリの手法です。

私の元教え子の中国人は大学を卒業後、日本で就職。
結婚し、子どもが生まれたばかりです。
仕事も順調で、これから、というときに大地震が起きました。
地震から1週間もたたないうちに、彼は妻と幼い子どもを連れて、中国に帰国する決断をしました。
『仕事もうまくいっていたのですけれど、、、子どものことを考えると、、、。』
と言っていました。
人生の転機ですよね。

しかし、一方で3月に卒業し、その時点では就職がきまっていなかったのですが、
4月に就職が決まった留学生が2名。
それも誰もが知っている日本と韓国の大企業からの採用です。
前任者が地震で帰国してしまったのだそうです。
これもまた人生の転機ですよね。

人生って本当に不思議、そしてときに皮肉です。
Oヘンリの小説でなくても、驚いてしまうような結末、いろいろなところにありそうです。




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写真はニューオーリンズのベーニエ(四角い粉砂糖のかかったドーナツ)が有名な
カフェドモンデュのベーニエセット ちょっとアメリカっぽい雰囲気の中