雪の高原沼

ずっとほったらかしにしていた北海道旅行記…書きます。

9月24日　曇り時々雪

未明に雨が降っていた。
朝起きて車から出ると、層雲峡の駐車場から見える山の上の方がクッキリと雪化粧している。しかもそれほど標高が高くないラインだから驚いた。

上空はみっしりと雲。北からの寒気が大雪にブチ当たって雪を降らせているが、まだこの時期それほど強いものではない。東側を向くと晴れ間がある。

高原温泉に行っても展望はよくないだろう。さらに南の沼の原に行けば晴れ間があるだろうか、とも考えたが展望が得られる保証はないし登山道の近況情報も持っていない。
ここは安牌で高原温泉リベンジが正攻法だろう。

午後から天候が回復するとの予報を見てゆっくり準備、7時の高原温泉行き第2便に乗る。
林道の途中から積雪が現れ、高原温泉に到着すると一面の雪であった。

今日もヒグマ情報センターでレクを受ける。
さて、雪の影響であるが現在パトロール中で1周できるか確認中とのこと。とりあえず高原沼までは入山できるので、その先は現地のパトロールの方から情報を聞くようにとの案内だった。

しっかりと積もった雪の感触を楽しみながら歩き始める。このあたりでも3㎝くらいは積もっているだろうか。
昨日通った道だが景色は一変している。最初の沼に向かって黙々と歩いていると、いつしかあられが降る中を歩いていることに気がついた。
おぉ！雪の中を歩いてる！！


土俵沼、芭蕉沼、滝見沼、緑沼。紅葉は雪に覆われてしまったが雪の日本庭園のような景色もなかなか美しい。



さらに奥の沼をめざして足早に駆けてゆくが…式部沼の先あたりからちょくちょくと引き返してくる登山者が目立つようになってきた。
どうもこの先で通行止めのようだ。

そして高原沼まで行ったところで通せんぼ。
先は道が不明瞭との理由での通行止であった…
雪が降ったら道が不明瞭となるのは当然、と言いたいけれどここは管理された遊歩道。従うしかない。
パトロールの方も雪の中でじっと監視していて大変そうだ。無線のやりとりが聞えてくる。
それによると、昨夜白雲小屋に泊まった登山者数名が銀泉台に向け下山しているが銀泉台のバスは雪のため通行止になっている、どうすべか？ということだった。どうするんだろう？

高原沼を出発して高原温泉に向けて下山開始。天気は午後にかけても回復する様子もなく雪が降り続いていた。

高原温泉に下山。そのままバスに乗ってレイクサイトに戻った。
さて高原沼も十分楽しんだ。北海道滞在も残りあと2日。
最後はやっぱ富良野に行こうかな。そうだな、十数年ぶりに富良野岳なんかもいいな。

とりあえず東大雪のどこかで温泉でも浸かってから夜までに富良野に行けばよいと車を走らせる。


士幌線

山田温泉は平日休館、鹿の湯・管野温泉への林道は崩落のため通行止ということで温泉は断念。
そのまま狩勝峠を越えて富良野まで一気に走る。

麓郷に差し掛かった時、ふと素晴らしい景色に遭遇した。


興奮した。富良野岳に虹がかかっていた。
虹は時間とともに鮮やかなアーチを描いた。



麓郷のホクレンで給油して、ベベルイの丘を抜けて十勝岳温泉へ。
陵雲閣は入浴料がちと高かったので、吹上温泉で入浴。冷えた身体がよく温まった。

風呂から上がり望岳台に行ってみる。ちょうど芦別岳の向こうに陽が沈むところだった。
まだ厚い雲に覆われた十勝岳連峰がオレンジ色に染まっていた。

望岳台。ジーンと胸が熱くなるものがそこにあった。

陽が落ちてゆっくりと雲が動き始めていた。明日は好天になりそうだ。

美瑛の街に下って夕食を食べ、再び今夜の寝床望岳台に戻る。
白金温泉へとまっすぐ延びる道の向こうに雪を纏ったオプタテシケが蒼く浮かび上がっていた。