TREK&RIDE

山と自転車!

笠ヶ岳 穴毛谷

2014-04-29 | 山スキー
ご無沙汰してます。
2年半ぶりのブログ更新です。

山スキーもご無沙汰しておりまして、山に行くのもちょうど1年ぶり…
ということで、今シーズン初滑りに行ってきました。

☆ヤさんほか3名のグループに誘っていただいた行き先は笠ヶ岳・穴毛谷。
初滑りでいきなり笠ヶ岳とは、体力的にも技術的にもかなり心配でしたが、気合いと根性でなんとか登らせてもらいました。

4月26日朝4時半に新穂駐車場に集合、準備をして出発です。

林道の先、堰堤を幾つか越えて穴毛谷に取り付いて、しばらくはデブリがひどいのでスキーは担いだまま。久しぶりに担ぐ山スキー装備が肩にずっしりと重く足元もおぼつかない。
笠ヶ岳は一昨シーズンのGWにも登ったが、あの時はかなりマニアックなルートで自分の経験上1、2を争う「やばい」山行だった。今回はどうなるか?

穴毛大滝の先で左手の台地に登りあげたところで、時間の都合上笠ヶ岳方面隊3名と抜戸岳方面隊2名に分かれた。
この時点ではまだ体力に不安はなかったので、笠ヶ岳方面隊に加わる。
この日の天候は晴れ。霞がかかり遠望は利かないのだが、久しぶりに目にする山の景色はやはりいいものだ。

しばらくはシールで登っていたが、徐々にスキーで登るのは困難となり、アイゼンに切り替える。
40度ほどの斜面を笠ヶ岳山頂方面に向けてトラバースしてゆく。陽光に緩んだ雪面はそれほどシビアではないのだが、下を見ると200メートルほど何の手掛かりもない斜面が落ちていて、それなりの緊張感はある。ひさしぶりで感覚が「慣れ」てないので、冷や汗ものだ。

笠ヶ岳はでかい山だ。先行2名が作ってくれたステップを一歩一歩確実に進んでゆくも、なかなか稜線は近づかない。徐々に体力に余裕がなくなるのを感じる。

ようやく稜線に達したころには、既に体力は底をついていた。
目指す笠ヶ岳の山頂が遥か遠くに思える。今日は山頂に立てないのではないかな、というのが正直な気持ち。シーズン中何度も山に通っている2人との体力差を埋めうるものは「気合いと根性」しかない。

しかし苦しいのは自分だけではなかったようだ。山頂を目の前にした小屋のあたりで、それぞれもがきつつも「克つ」の一念で最後まで登り切る。

いや、疲れました。疲労困憊。
春の北アルプス無風の笠山頂。ピラミッドのとんがりに三人が大の字になっていた。

20分ほど休息しても、あまり体力は回復せず少し吐き気のようなものも感じていたが、いよいよ滑走の時。
1年ぶりの滑りなので、とにかく事故のないように安全に滑ることを心掛けた。
適度にブレーキがかかる雪の状態のおかげで、気持ちよく滑ることができる。

8時間の登りで得られた数十秒の幸福。

そして再び稜線上の登り返し。これにはホトホト疲れたが、遅れながらもなんとか下り口に着いた。
笠ヶ岳の東斜面は日当たりがよいため、午後の下山時には雪が緩みまくっている。
2年前に来た時は強烈な日差しで雪面は砂場状態で滑れたものではなかったが、それに比べると今日はまだコンディションは良い。
それなりの斜度があるため、滑ると雪が落ちてくるのが怖いので慎重になる。
ただスラフの速度は極めてゆっくりしていたので、大丈夫のようだ。
転倒だけ気をつけて速度を落として滑った。
快適だったのは上部のみ。中盤以降は雪がモサモサの砂状に変わり、下部はデブリで滑れたものではない。

穴毛谷の下山はひたすらデブリの中を進むだけの、拷問としか思えない苦行だった。
堰堤に出たころには既にこころも折れ…ブーツの中では爪は痛いし、靴ずれは始まるし。
山頂で味わった幸福感など、もう頭の隅にもなく、「なんでこんなことしとんのじゃい?」とやさぐれ気味になっていた。
クタクタになって林道を歩いている途中で5時の鐘の音を聞く。
12時間超行動して駐車場に無事下山。

限界。

まさに己の力の限界を知る初滑りとなりました。
元気があれば翌日もどこか滑るところでしたが、翌日曜日の1日を残して、早々帰路につくことに。

昨年も初滑りはGWの槍ヶ岳。翌日御岳で靴ずれを起こしてしまい、そのままシーズン終了となってしまいましたが…
今年も1回目の山行でまた靴ずれ(防止パットを貼って対策したつもりが、全然見当違いの場所で靴ずれ発生)。
やはり冬の間に地道に慣らしておかないから、やわいんですね。。。

果たして今シーズンの初滑りは滑り納めになってしまうのでしょうか?