TREK&RIDE

山と自転車!

雷鳥沢の怪

2010-04-22 | 山スキー
先日の立山での出来事。
夜、雷鳥沢でテントで寝てる時に息が出来なくなった。
誰かに首を絞められているような…
しかし、その時は夢の中の話か、実際の出来事かが分かっていない。

夢ではこうだ。
誰かがガサッガサッとテントに近づいてきて突然僕の上から首を絞めつけてくる。
自分は必至に逃げようとするがその腕を振り払えず、息が出来ない。
息が止まっては、一瞬ブハーっと呼吸、また息が止まる、というのが4~5回続いた。
30秒から1分間くらいの間の出来事だったか。
ようやく息が出来て目が醒めた時は半分夢の中…夢かどうかも分からないまま再び寝入った。

そして朝(といっても深夜2時)に起きて話をすると、やはり夜中に息が出来なかったという。
ちょうど同じ時間帯。
自分だけなら金縛りとか、変な疲れからきた症状かと思うしかないが二人同じように息が出来なかったとは驚いた。

ただその原因は分からない。
初めは地獄谷の方向から流れてきた有毒ガスがテント内に充満したか、とも考えたがあまりそのようなことは考えにくい。
それとも、テント内が酸欠状態になったか。しかしテント内で炊事はしなかったし、結露、凍結も然程ではなかった。通気口は空けていた。
はたまた、テントに忍び寄る足音…まさかそんなことはあり得ない。

一体何が起きたのかは分からないが、あれは相当に苦しい状態だった。ほんと「死ぬかと思ったよ」という体験。

空気の薄い山の上(といっても標高2,200m程度)で、狭いテントに二人、冬でテントの結露が凍結して通気性が悪くなる、冷気で喉が渇くとか通常より悪い環境での睡眠、そして疲労(といっても初日は全然行動していない)。
これらの条件が重なることによって、今回のような症状が出るのか。

素人が考えてみても結局は分からないのだけれど…やはり原因が知りたい。


パノラマで撮ってみた

立山(御前谷・山崎カール)/山スキー

2010-04-19 | 山スキー
2010年4月17日~18日 立山 御前谷・山崎カール

一月半苦しめられた風邪。僕は漸く治ったけれど…kobaさんなかなか治らないらしい。
ギリギリまで判断を待って届いた連絡は「予定通り決行」。
ちょうど季節外れの寒気がパウダーをもたらした。
アルペンルートが開通したらポンツーンを持って立山を滑る。その計画が実現する。

土曜日は午後から天気が回復しそうだったが、日曜日本番に向けて体調を整えるため行動は見送り。
昼過ぎにケーブルカーに乗車して室堂には2時過ぎに着いた。
重い荷物を担いで雷鳥沢のキャンプ指定地に着く頃には天気は急速に回復し、次々とスキーヤー、ボーダーが新雪の斜面にシュプールを描いていく。
室堂周辺の斜面はあっという間に食べつくされてしまう。4月の強い日差しが半日で雪質を変えてしまわないかも心配だ。
明日僕らが行く谷は…そんな気持ちをそっと胸に。テントを張り、食事を済ませ、温泉入って7時半に就寝。



翌朝は2時起床3時出発。
風弱く満点の星空。
静かなテント村だが明りが点いているテントもある。みんなどこを狙ってるのかな。
僕らは雄山から御前谷に滑り込み、また雄山側に登り返し、適当に斜面を遊んでから山崎カールを滑ってテントに戻る計画だ。

しばらくはブル道を、その後は一の越に向かってトレースとGPSを頼りに登高。
月が無いので真っ暗闇。ぼやーっと空が明るいのは天の川が雲のように流れているから。天の川を見るなんて随分久しぶりのことだ。ヘッドライトを消して暫し夜空を眺める。

気温は低くマイナス13℃。一の越が近くなるにつれ北西の風が強くなってきた。
立ち止まっているだけで体温はどんどん奪われる。
空が白み始め一の越から雄山への夏道に猛烈な雪煙が舞いあがるのが見える。
風を避けるため一の越へは行かず、途中から北側の沢にルートを変更。明るくなればこっちの方が安全に登れる。



雄山神社の社務所の直下まで登るといよいよ風が強まる。気温マイナス16度。
スキーは担ぎ、アイゼンで突破。
4月というのに今年一番の寒さ、今年一番厳しい登りとなった。





山頂に上がると東から太陽が体を温めてくれる。社務所が風避けになり休憩、落ち着いたところで滑走準備をし、お目当ての御前谷を覗きに行く。



うひょ~、と声をあげてしまうノートラックの大斜面。雪の状態もパウダーが溜まって良好のよう。
雄山神社直下からのエントリーは…またコケて無駄に高度を下げてしまいそうなので、少し南側の斜面からドロップ。
斜度はそれほどきつくない。お先にえいっ!
ワックス塗り立てのポン君が走る走る。少しビビってターンが小さくなってしまったが満足の一本。御前谷もなかなか良いです。



250mを滑ってまだ2,700m。ここから2,100mくらいまでまだまだ滑れます。
ただ、ここからは緩斜面。地形図では先が少し急になっていたので期待をしたが、それほどでもなく、下部は雪質がモナカに変化。その先にデブリ帯が現れたところで滑降中止。登り返します。

登り返しもなかなか豪快、デカイお椀の中をテクテク歩くのも春の北アならでは。
しかし今日は厳しかった。kobaさん体調がすぐれない様子でかなりしんどそう。高度を上げるにつれて呼吸するのも相当きつそう。
6時間の苦闘のすえ雄山山頂に14時前に到達。山頂から見渡す一帯の山々ではあちこちで滑走を楽しんでいる人たちが見える。
これは山崎カールもギタギタになっているだろう…と期待薄で覗きこむと…そこそこ。思ったほどには荒れていない。

さて、ここを下ればテントに戻れます…って心配していたkobaさん、シール剥がして滑走準備するの速っ!なんか急にイキイキしてるし、まったく。



では行きましょう!雄山山頂からしばらくはガリガリ斜面で高度を下げるだけ。ようやく滑れる地点まで下ると蝋燭岩に向かって一本のシュプールがあった。右手に状態の良い斜面を求めてトラバースして、そこから最後の一本。

完全フラット。所々に氷塊が潜っていそうなのでちょっと慎重に抑えてターン。
午後の時間にも関わらず雪質は上等。期待以上に素晴らしい斜面を満喫することができた。

雷鳥沢まで残り「2段」ほどの斜面も快調にかっ飛ばしてテントに無事帰着。
御前谷と山崎カール、今日はこの2本で十分満足のゆく滑りでした。



予定を一日切り上げて17時の最終バスに乗るため急いで撤収、重い重い荷物を抱えてターミナルまでまたガマンの登り…結構ギリギリに着いて無事下山。
体調不良にかかわらず御前谷、山崎カールだけに集中して文句なしの滑りを頂戴できました。
思い描いたとおりの一日。チャンスを与えてくれた山の神様と同行いただいたkobaさんに今日も感謝です。

御嶽/山スキー

2010-04-10 | 山スキー
2010年4月10日 御嶽

スキー場もそろそろ賞味期限切れ。今週はコソ練のため御岳のスキー場へ。
天気が良ければ午前中山スキー、午後からゲレンデのつもり。
2時出発で6時に御岳ロープウェイスキー場に到着し営業開始まで車内で仮眠。
8時過ぎに起きると隣に何やら見覚えのある車…去年GWご一緒したKさんが居てビックリ!!!
1年ぶりの再会でした。これまでも何度か…ほんとよく遭遇しますね。

9時半にゲレンデトップをスタート。
天気は快晴だけど南から湿った気流が入る予報のため雲が出やすい、早いうち勝負。
今日は気温が高い、雪も緩んで御嶽ねらいにはドンピシャだ。
二本は行きたいところなので殆ど休憩なしで登る。
山頂まで所要1時間42分。去年より4分短縮。雪の状態が良いので登りやすかった。
一の池、二の池方向に滑り込むつもりだったが、まだカチカチのアイス。去年のように滑落するのは嫌なので諦める。
一本目は登高ルートの南側の沢を滑る。
黄砂でちょっとストップのかかる雪だったがまずまずのザラメ。
2,570mまで一瞬。なかなか快適な斜面だったが、ちょっと標高差が物足りないか。
シールをつけて登り返し、二本目は北側のややルンゼ状の沢。
こっちも斜度、標高差ともやや小ぶり。あっという間に二本目も終了。
下山して思ったが、登高ルートのすぐ北側の斜面が一番距離が長くとれるようだった…また今度ね。

13時過ぎに駐車場に戻ったら、パンを食べてゴンドラ乗ってゲレンデへ。
今日は忙しい。
営業終了まで3時間。がんばって滑ってみたけれど…全然あきませんでした。
姿勢悪いし、板に乗れんし、外向してるし、腰高いし、板ずらしてるし
悪いとこばっか。
何が問題?センスの問題??
悲しくなって意気消沈して終了。

と、沈んだ気持ちでゲレンデを去ったのですが。
温泉入ったら気分も良くなり、帰りの道中は19号線に咲き乱れる桜見物。
春の19号線はほんま桜がきれいです。見事。
これで今日のモヤモヤも吹っ飛びました。

ところで、今日登ってる途中に咳こんだら、また腰をピキッとやってしまいました。トホホ。

唐松沢本谷/山スキー

2010-04-05 | 山スキー
2010年4月4日 唐松沢本谷

風邪がぶり返して体調不良でも楽しい週末がやってくる。気力で出撃。
土曜日は唐松沢を目指した。朝は快晴だったが八方池山荘を発つ頃には稜線に雲がかかり始めていた。
天候は急速に悪化して降雪とホワイトアウト。標高2,250m地点で行動中止、引き返す。
八方池山荘でウダウダ時間を過ごす間にも窓の外は吹雪で5cmの積雪…明日は!
余った回数券を利用して少しゲレンデで指導を受けてこの日は終了。

翌日はどこを滑るか。あれこれ悩み偵察もした結果、今期最後になるかもしれないパウダーを当てるには唐松沢しかないでしょう!ということでDルンゼ行き決定。

明けて日曜は朝から抜けるような青空、約束された一日。
ゴンドラも大賑わい…体調悪いなんて言ってられない、今日は気合で登る。
景色楽しむ余裕もなく、汗飛ばし、ねじり鉢巻きでがんばるが…ポン君が重い。
下の樺からはペースを落としての歩行、いつになく胸がゼェゼェしてた。

この日は風も穏やかに。ただ前々日の雨?のためか、これまでのようなパウダーは期待できそうにない。
Dルンゼには破断面が確認され、下部にはデブリが多く出現していた。
この時点でDルンゼは却下。本谷狙いに変更。
唐松山荘までは前日の降雪のおかげで稜線通しでシール歩行可の状態だった。

本谷エントリーポイントに到達し、ピットチェックの結果は20cmの新雪の下にガリガリアイスだが雪は安定しているとの判断で滑走決定。
前回ほどのビビりも感じることなく、先にエイッとエントリーする。
ワンターンして右から雪がパラパラっと落ちるのに気をとられた瞬間、板はアイスバーンに突入してた。
一瞬の出来事、大転倒。ゴロンゴロン激しく落ちた。
外れた左板で両足を強打するも怪我はなし。右人差し指を突き指してしまった。
気を取り直して、その後は快適パウダー。時々現れるアイスとデブリに要注意だが気持ちよく大回り。
急斜面を一通り滑って振り返ると本谷に描かれた二本のシュプール。
今日も大当たり、最高。



中間部はデブリ多く、場所を選んで滑降。
1,600mまで下ったところでランチをとっていると、本谷、Dルンゼほかから続々と滑り下りてくる。
あっという間に斜面はシュプールだらけに。



さて、今日は二股に車を置いていないので八方尾根に登り返さなければならない。
当初案は傾斜の緩そうな八方山に向けて登るつもりだったが休憩ポイントの目の前に登れそうな沢が一本あったのでそこに取りついた。
これがこの日一番の判断ミスだったか。
シールで登れると踏んでいたが、途中から斜面は氷化。そういえば…前々日雨だった。分かってたこと…見落とした。
シールが無理になったのでブーツを斜面に蹴り込みながら四つん這いで登る。
ここは北面、気温の高い午後でも雪面はしっかりと固い。
落ちたら危険、というほどの斜度ではないが、落ちたくないので余裕はない。
数十メートルをなんとか凌ぎ、ようやく岩場のテラスに這い上がってアイゼンを装着し一息。
谷を隔てて不帰二峰が素晴らしい。



今日は唐松沢を滑り終えてからが核心になってしまった。
ここから稜線までも四つん這いやら、重い担ぎやら…久しぶりに苦行とも思える登り。
稜線に辿り着いた時は既に日は傾き寒風が身にしみる。
再び板を履いて、さぁ麓まで急ぎましょう。
振り返ると不帰の岩峰に今落ちようとする太陽、白馬三山に西陽が差しこみドラマチックな夕暮れ。



営業終了後の八方スキー場に邪魔してギタギタのこぶ斜面をポンツーンで滑る、疲れる。
咲花ゲレンデに下りた時には17時30分になっていた。営業終了後にすみませんでした。

下山後の感想は…完全燃焼。
そのまま二股に下りれば、、、そうでもなかったかもしれんけど。
この日の唐松沢は登り、滑り、登り返し…どれも本気。
やっぱ完全燃焼の一言に尽きる一日でした。お疲れす!