2010年6月12日 富士山(須走口から吉田大沢・須走)
一旦は板を納めたつもりが、先週の富士ヒルクラで雪たっぷりの富士山を見てしまったので、もう一度道具をひっぱリ出して出撃。
梅雨入り直前、土曜日の天気も東日本は雲が多めの予報だったがダメでもいい…とりあえず行ってしまおう。
出発が遅くなって21時出発、車に道具をブチこんで東名を走る。
高度順応?とか考えて前夜のうちに登山口に入るのがいいのかしらん、でも日付が変わったところで富士川SAで撃沈。
今回、富士宮口と須走口、どっちにしようか思案したが、なんとなく須走の方が大斜面な気がしたので(どちらも行ったことない)、雪のない火山礫の斜面を延々歩くこと覚悟で須走口へ。
5時40分須走口駐車場出発。
今回長いブル道歩きに備えて古いスキーブーツ、板はガタガタになってもいいようにATOMICで。
1時間ほどで残雪現れる。さらに1時間20分歩いたところで漸く雪が繋がりシールに切り替える。標高2,970m。
しかし斜登高では新雪にシールがスリップして難儀する。アイゼン歩行に変えようかとも思ったが直登に切り替えたらシールがしっかり効いて難なく登れた。
山頂まで直登可、斜度も想像していたより緩やかだ。
9時55分。山頂。快晴。四方の山々は雲の下。風も穏やかで静かだ。
剣ヶ峰には人がチラホラ。
これから剣ヶ峰に行って火口に滑るのも一案だが、雪があんまり綺麗ではない。
それよりも吉田大沢を滑ってみたかったのでそちらを選択。
初めてなので吉田大沢の降り口も知らないのだが…行ってみると一目瞭然、どデカい斜面があった。沢の中を数人がハイクアップ中。
準備をして腹ごしらえしてから滑降開始。
うひょ~、な大斜面。雪の状態も非常によくて超快適。
ただ、板の選択を誤った…この日の極上フラットザラメはGUNで来るべきだった。
SWEET DADDYではスピード出すと直進安定性が失われて僕の技術では制御が難しい。
なかなか板に乗れない感じの滑りではあったが、なかなかの1本。富士山素晴らしいです!
3,150mまで滑って、シール貼って登り返し。やたらと腹が減って喉が渇く。
途中から浅間大社の方へ進路を振って須走、吉田の登山道に合流すると、登山者、スキーヤーが続々と上がってきていた。(ここが須走の登山道であることを、この時知った。僕はもう1本南側の筋を登ったことになる)
12時15分。再び山頂。
須走への斜面は数人滑ったあとのようだが、まだ綺麗に残っている。
腹がめちゃくちゃ減っているが、いまいち食欲がない。軽くパンを口に入れて下山開始。
1本南側の登ってきた斜面から滑り込んでみた。場所を選べばノートラック斜面が得られる。
今回は、吉田大沢での不安定な滑りを反省して、スピードを落としてコントロールしながら滑る。
極上ザラメの上を板が気持ちよく走る。ノンストップで3,300mまで滑降。
これは堪らんです、気持良すぎる。
今シーズン最後、このまま帰るのはmottainai!時間はちょっと遅くなるが、もう一本行くか!
最後の登り返しは体力的に相当厳しかった、久しぶりに歯を食いしばって登り切る。
13時45分。今日3回目の山頂。
体力は限界近く、食欲もなし、水も切れかけ…
とりあえず滑降準備は整うが、まともに滑るだけの体力がない、5分ほど仰向けになって休憩。
目を開けると3,700mの上空は青く澄み、6月の太陽は力強い季節を感じる。
今日は来てよかった。これだから止められん。
ても、どんだけ休憩しても体力は回復しそうにないので14時になったと同時に滑降開始。
今シーズン最後の1本は力を抜いて大きく大きくターンをする!これだけ考えて滑った。
標高差400m、90秒の快感。
振り返ってみると、それなりに大きなターンを描けたような気がする。
十分滑った!これなら気持ちよく板も納められるだろう…か?
あとは、下山のみ。ブル道も快調に掘削が進んだようで…下部で斜面が分断。さらに下部は雪が切れたり、現れたり…
先行する登山者が道をよく知っている方だったので、下山方向を教えていただきながら2,750mまではスキー使用。
途中、えらい濃い藪漕ぎもあったりして…ブル道に復帰したら、そこから先は砂埃を巻き上げながら汗だくで駐車場まで。
15時40分。駐車場に無事下山。スキーブーツもボロボロです。
累積標高2,720m、カラダもガタガタ。
これで今シーズンの山スキーは、おしまい。
夜は神奈川の友人宅に泊めてもらって今期打ち上げの一杯をおいしくいただいた。
昼間の疲れがとろーんと心地よい酔いを誘い、とても楽しいひと時でした。ありがとう。