TREK&RIDE

山と自転車!

旭・雪倉・朝日/山スキーツアー (第4日 蓮華温泉~白馬大池~船越の頭~金山沢~猿倉)

2008-05-12 | 山スキー
2008年5月6日 (第4日 蓮華温泉~白馬大池~船越の頭~金山沢~猿倉)

朝、また寝過ごした。
速攻で着替えて外に出る。


朝日岳が陽を受けていた。
昨日登ったルートを目を凝らして見る。


雪倉岳の堂々とした姿。

昨夜は結構雨が降っていたが、今日のルートに影響は出ていないだろうか…
気温のほうは空気が入れ替わったようで少し冷えている。足元の雪も固く締まった。

しばらく外で山を眺めて過ごしてから部屋に戻ると、みなさん朝風呂から戻られたところだった。
あっ、そうか、ここは温泉宿。朝風呂っつうのがあったのね…入りそびれた。
朝食をいただいてからのんびり準備。
小屋前で同室のMINMINさんと記念撮影をしてお別れです。

7時28分。蓮華温泉出発。
天狗の庭に向けての登りは仰ぎ見るような高さ。標高差は軽く700mはある。
シールは厳しそうなので小屋からアイゼンを装着して歩き始めた。


樺の木が青空に映える。

9時15分。天狗の庭のあたりで15分ほど大休止。
直下では巨大な雪割れの傍を通過した。昨日朝日岳からも馬蹄形に口を開けたのが確認出来て、今日の通過を心配していたが特に問題は無かった。

9時50分。標高2,200m。急坂を抜けたところで、もういっちょ休憩。


標高2,200mから振り返ると雪倉、朝日の展望がよく利く。


大きな樺の木を抜けて行けば白馬大池も近い。

10時25分。白馬大池手前の平原でシールを貼って休憩。
10時45分。行動再開。ここから船越の頭までが今ツアー最後の登り。旅の終わりが見えてきてちょっと寂しい。

昨夜の雨は標高の高い所では雪だったみたい。
所々に真っ白な雪が溜まっている。
そして白馬大池もまだまだ深い雪の中に眠っていた。


白馬大池山荘も雪に埋もれたまま。

大池をあとにして船越の頭への尾根を登る。
その先の小蓮華岳までとなると結構距離がある感じ。
新潟県側から見ると小蓮華岳も立派な山だ。


船越の頭はもうすぐそこ。

11時45分。船越の頭に到着。
足元は雪庇なのか、安定しているのか、恐る恐る信州側の斜面を覗く僕。
結構みんな平気でギリギリの所に立ってます。
大丈夫っすか?怖々と近づいてみると、大丈夫でした。
後立山の山々を目にして「帰ってきた」という感覚になる。
最後の滑走を前に稜線でランチライム。

12時20分。ドロップイン。
最初はやはり緊張した。けど、適度な斜面。
天気も最高。雪は重いがターンが気持ちいい。


Kさん行っちゃってください。


やっぱテレマークは絵になりますね。

標高2,200m。金山沢の入り口まで思い思いにシュプールを描く。
金山沢に入っても暫くは広い沢が快適でウハウハ。

んが、標高2,000mを下回ると急に雪の状態が悪くなる。
左はデブリ、右にトラバースすると巨大なクラックがパックリ。
土で茶色く汚れた雪が不気味。気温も高くていつドドーンと底雪崩れが来やしないかと不安になる。

クラックを通過したところで、下の方から上がっていた登山者の方が「金山沢は行けないよ」と大声で伝えられる。
下部は雪が割れて通過できない、途中から小蓮華尾根を乗り越えて行くしかない、と言われた。小蓮華尾根の乗越地点にテープがあるからそれを目指せと教えていただいた。
上部からの落石が無いか注意しながら高度計で確認しつつ高度を下げてゆく。



13時10分。教えられた標高1,550m地点で確かにテープを発見。
ここからが修羅場だった。
乗越までは不安定な雪斜面。そこからスキー板を脱いで3m程先の尾根までがズルズルの岩と草地なのだが。
まず板を外すのに難儀。雪の状態が悪いので一人ずつ順番に板を外す。
待機中に僕だけ一回ズルッと落ちた…どんくさい。
先に3人がトラバースを済ませて最後に僕の番。
怖々と不安定な雪の上で板を脱いでザックに装着してから担ぎなおした。
ここからたった3m先のブッシュまでのトラバースがさぁ大変。

Kさんがロープを出してくれていたので、それを頼りにジリジリ横這いしていたのだが、途中の藪木を乗り越えるのに失敗。変な体勢になってしまってモタモタしているうちに足を滑らせてしまった。
ズルっとすべって1mほど滑落。あぁ落ちていく、と思った。
どうやら咄嗟に途中のブッシュに両手でしがみついた(横で見ていたKさん談)らしく、事なきをえた。ブッシュがあって良かったぁ。

暫く呼吸を整えてから、Kさんに押し上げてもらってなんとかトラバース終了。もう汗ビッチョリです。心理的ダメージもキツイ。

14時10分。尾根を乗っ越すのに1時間もかかった。
僕たちが崖にへばりついているその間に2パーティが下方をそのままスキーで通過していった…
結局下部はスキーで問題なく通過できたようだった。

大雪渓との合流地点には大きな岩との間を抜けて下りる。ここは雪が切れていたが、スキーを担いで下るには特に問題はなかった。

14時20分。大雪渓に降り立ち、苦い思いで白馬岳を見上げる。
楽しかったツアーの最後がこのような形になって後味が悪いが、山はいつも楽しいことばかりではない。自分の力量の無さを思い知らされ、いい経験をさせてもらったと考えたほうがいい。まずは今日の失敗を謙虚に受け止めなければならない。

また山を見上げる。強い日差しを浴びた白馬岳の雪は嫌らしいほどギトギトに光っていた。


白馬の岩壁が大きく、そして怖く見えた。


また来ます。

さ、気を取り直して猿倉まで。
この4日間で随分と林道の雪が少なくなっている。
長走沢は水の流れが顔を出し、下部では林道が露出し始めていた。

14時43分。猿倉駐車場到着。
Kさんご夫妻、Yさん、どうもお疲れ様でした。
今回も最高のツアーにご一緒させていただき本当に楽しかったです。


雪解け水でスキーを洗ってやる。お疲れさん。

下山後、とりあえず荷物を車に積みこんでから、車を回収するため栂池を回って倉下の湯で汗を流す。
ツアーの締めくくりは某有名中華料理店。おいしい料理にモリモリごはんが進む。
大盛ごはん1杯を食べてからおかわりを聞かれたので、「あっ、僕も普通で…」。
ちょっと遠慮してしまいました。

食事を終えて駐車場でお別れのあいさつ。また雪山でお会いする日まで。

そしてそれぞれの家路へ。
僕も久しぶりに中央道を利用した。割引適用のため伊北、中津川で途中下車。2回下りるとあんまし効果なしですね…
春日井で高速を下りてから下道で頑張ったものの桑名で撃沈。結局帰宅は午前様でした。はぁ…明日から仕事頑張れるかしらん。