2008年5月4日 (第2日 白馬山荘~鉢のコル~雪倉岳~蓮華温泉)
4時40分起床。寝過ごした。
急いでブーツを履いて小屋の外へ。
白馬岳の稜線の向こうが開けると既に朝日が顔を出していた。
今朝も快晴。
相変わらず気温は高い。朝なのに足元の雪はあまり締っていない。
朝の空気感ってどんな言葉で表現したらいいのだろう。
今日も文句なしの天気だ!
白馬の東壁を覗き込んでは肝を冷やす。あー、落ちたら大変です。
怖いのに2号雪渓も覗き込む。あー、あきません。
小屋に戻って朝食をモリモリ。昼の行動食分までお腹に貯めていきましょう。
7時45分。もう皆さん出発されて小屋には殆ど客はいません。
ゆっくり仕度をして出発。まずは旭岳とのコルへ。雪面はカリカリしてました。
旭岳とのコルから柳又谷源頭に滑り込んで、鉢のコル方面に向けてトラバース。
途中、適度な斜面を調子こいて滑っていたら、転倒してクルンと前転してしまった。ビビりました。
右の鞍部を目指してトラバース。
振り返って旭岳を仰ぐと、素晴らしくアルペンチックな景色。
白馬岳の北面も素敵な斜面が広がっています。
白馬山荘ベースであっち、こっちを滑るのも楽しそうです。
とにかく旭がカッコイイ。右手の斜面が昨日滑った北面。
白馬岳北面に回り込んだところでシールを履いて鉢のコルへ登り返す。
8時45分。少し雪が切れて鉢のコルに到着。
山稜の東面に出て鉢ヶ岳をトラバースする。
鉢のコルから雪倉避難小屋まではほぼ高度を一定に保ってトラバース。2箇所ほど雪が切れたところはスキーを脱いで夏道歩きになる。
鉢ヶ岳の山腹は雪崩れていた。恐る恐るトラバース。
9時20分。雪倉避難小屋に入って休憩。
9時42分。行動再開。雪倉岳に向かってあと200mちょいのアップ。
雪が無くなって夏道が現れるとそこは雪倉岳の山頂付近。
山頂の手前では雷鳥のつがいが、夢中で地面の何かを啄ばんでいた。
ちょっと分かりにくいですが、雷鳥のカップル
10時36分。雪倉岳山頂。
蓮華温泉から上がってこられた数パーティが先に到着されていた。
前方には今回のツアーの目的地朝日岳。雪倉山頂からだと意外と近い。
前回雪倉山頂に立ったときは遥かな山といった印象だったが。
11時13分。滑降開始。
今回は山頂からダイレクトに下降するラインを選択した。
どこまでも続く無木立の大斜面。雪面の状態は滑らかで最高に気持ちがいい。
十分に緩んだ雪を左右に分けながらターンを繰り返す。
でれでれに顔緩みっぱなしで滑る僕
一段目を滑り終え、2段目の斜面。
先を行くKさんに続いて僕も中間地点まで滑って立ち止まったところで雪倉山頂を目指して登高する方々の中にふと目が止まる。
ん?一瞬でピンと来たのはなぜだったのだろう。
10mほど先を歩いていたのは昨年のGW薬師黒五ツアーでご一緒させていただいたYさんのようだ。
最初はまさかと思った。でもよく見ると間違いない。
「Yさん?Yさ~ん!」と読んでも反応が無い。
もっと大声で「Yさ~ん!!」と呼ぶとようやくこっちに気付いていただいた。
山の世界はビックリするほど狭いです。そして時に神がかりな偶然が起こります。
Yさんも蓮華ベースで雪倉・朝日コースとのこと。あとで山小屋で再会するのを約して、その場をあとにする。
標高2,100mあたりまで軽やかに滑走。ここからやや左手の沢に入り込んでさらに下降。次第に谷が狭くなり両側に山肌が迫る地形に。
前回雪倉岳を滑ったのは3年前。下部で小さな尾根を乗っ越す地点があったのは覚えていたが、正確な場所が分からない。
いよいよ谷が狭くなり、雪の状態が悪くなってきたので、そろそろ乗っ越し地点を探したい。
標高1,700mあたりで谷が広がったところで、目の前に一本の登山者のトラバースルートがあった。
記憶に比べてやや前方の樹林が密で雰囲気が違ったが、さらに下ると滝に出るかも知れないと考えてしまい、ここから尾根を乗っ越すことにした。
尾根を乗っ越したものの、やはりルート間違いのよう。
尾根の左手、先ほどの谷筋を後続のスキーヤーが2組続けて滑降してゆくのが見える。
一旦は元のルートに戻ることも相談したが、尾根から見下ろしてみると右の斜面を回った先で通常ルートに合流することが確認できたので右側から滑降し、無事瀬戸川に戻ることが出来た。(後続の方には紛らわしいトレースを残してしまったかもしれません)
12時30分。スキーを脱いで尾根に向けて登り返す。
暫くシールは貼らずに板を両手に持ってツボ足でボチボチ歩く。
中央やや左寄りのバーンが正しいルート。僕たちは先に尾根を乗っ越してもっと左手の斜面に入ってしまった。
瀬戸川から蓮華温泉までは結構距離が長い。担ぎは止めてシールを貼らずにヒールフリーにしてスキー歩行で進んだが、ここはシールを貼ったほうが正解だったかも。
13時40分。キャンプ場を抜けた先で蓮華温泉が見えた。
左手の平地に顔を出した水芭蕉の群落に呼ばれるようにして少し寄り道。
こんなに咲いてちゃ窮屈でしょ!
14時00分。蓮華温泉到着。
早速ビールで乾杯と行きたいところだが、カメラのレンズキャップが…無い。
どうやら先ほど水芭蕉の写真を撮ろうとしゃがんだ拍子に落としたみたい。
重いザックを部屋に下ろして空身でキャップを探しに行くと、やはり水芭蕉の畔に落ちていた。もう一度水芭蕉の甘い香りを鼻先に感じながら小屋に戻った。
天気も最高なので露天風呂に向かう。仙気の湯には二人の先客。
お邪魔させてもらおうとしたら「こっちは冷たいよ~」。
手を浸けさせてもらうと、あらら水のよう。よく入っていられますね。
(水ホースがずっと入っていたためお湯がすっかり冷めてしまっていたらしい)
ちょうど上部から女性客2名が下りてこられ、上の薬師湯の湯加減がいいわよ、と教えていただく。
それではと薬師湯に上がってウェアーを脱ぎ捨てて湯船にドボン!
あ~っ、最高です。
お湯の向こうに雪の朝日岳。この上ない素晴らしい景色です、天気です。
天気といえば、予報は下り坂。明日は雨も予想されるらしいが…そんな予兆は全くないドピーカン。
部屋に戻ってビールを一杯。濡れた物は宿の階段に広げて天日干し。
こんなにのんびり出来るのは標高の低い温泉宿ゆえ。
(実は当日蓮華温泉に向かうまで、今回のスキーツアー中に「温泉」が付いていることに全く思い至らなかった私です。蓮華温泉ツアーなのに…)
しばらくしてYさんが雪倉から下山してこられた。僕たちの部屋に顔を出してくれたYさんと再会を祝してビールもう一杯。
夕食後、気になる天気予報を聞くと明日は曇り々雨だとか。
天気次第では朝日岳は諦めなければならないし、停滞するか栂池に下山するかも検討が必要になる。
ただ、小屋の方に伺うと「天気はそれほど崩れないと思う。夕方の雲を見た感じでも降ってもパラパラくる程度と思う。」との予報。
協議の結果、朝の天気を見て朝日岳アタックしようということになり、厨房に翌朝の弁当を頼んでおく。
部屋に戻って消灯時間までYさん持参のバーボンをちびちび。去年の太郎小屋を思い出しますね。
あっという間に21時の消灯10分前。慌てて仕度を整えてから横になる。
さて、明日の天気はどうなるのかな。おやすみ~。
4時40分起床。寝過ごした。
急いでブーツを履いて小屋の外へ。
白馬岳の稜線の向こうが開けると既に朝日が顔を出していた。
今朝も快晴。
相変わらず気温は高い。朝なのに足元の雪はあまり締っていない。
朝の空気感ってどんな言葉で表現したらいいのだろう。
今日も文句なしの天気だ!
白馬の東壁を覗き込んでは肝を冷やす。あー、落ちたら大変です。
怖いのに2号雪渓も覗き込む。あー、あきません。
小屋に戻って朝食をモリモリ。昼の行動食分までお腹に貯めていきましょう。
7時45分。もう皆さん出発されて小屋には殆ど客はいません。
ゆっくり仕度をして出発。まずは旭岳とのコルへ。雪面はカリカリしてました。
旭岳とのコルから柳又谷源頭に滑り込んで、鉢のコル方面に向けてトラバース。
途中、適度な斜面を調子こいて滑っていたら、転倒してクルンと前転してしまった。ビビりました。
右の鞍部を目指してトラバース。
振り返って旭岳を仰ぐと、素晴らしくアルペンチックな景色。
白馬岳の北面も素敵な斜面が広がっています。
白馬山荘ベースであっち、こっちを滑るのも楽しそうです。
とにかく旭がカッコイイ。右手の斜面が昨日滑った北面。
白馬岳北面に回り込んだところでシールを履いて鉢のコルへ登り返す。
8時45分。少し雪が切れて鉢のコルに到着。
山稜の東面に出て鉢ヶ岳をトラバースする。
鉢のコルから雪倉避難小屋まではほぼ高度を一定に保ってトラバース。2箇所ほど雪が切れたところはスキーを脱いで夏道歩きになる。
鉢ヶ岳の山腹は雪崩れていた。恐る恐るトラバース。
9時20分。雪倉避難小屋に入って休憩。
9時42分。行動再開。雪倉岳に向かってあと200mちょいのアップ。
雪が無くなって夏道が現れるとそこは雪倉岳の山頂付近。
山頂の手前では雷鳥のつがいが、夢中で地面の何かを啄ばんでいた。
ちょっと分かりにくいですが、雷鳥のカップル
10時36分。雪倉岳山頂。
蓮華温泉から上がってこられた数パーティが先に到着されていた。
前方には今回のツアーの目的地朝日岳。雪倉山頂からだと意外と近い。
前回雪倉山頂に立ったときは遥かな山といった印象だったが。
11時13分。滑降開始。
今回は山頂からダイレクトに下降するラインを選択した。
どこまでも続く無木立の大斜面。雪面の状態は滑らかで最高に気持ちがいい。
十分に緩んだ雪を左右に分けながらターンを繰り返す。
でれでれに顔緩みっぱなしで滑る僕
一段目を滑り終え、2段目の斜面。
先を行くKさんに続いて僕も中間地点まで滑って立ち止まったところで雪倉山頂を目指して登高する方々の中にふと目が止まる。
ん?一瞬でピンと来たのはなぜだったのだろう。
10mほど先を歩いていたのは昨年のGW薬師黒五ツアーでご一緒させていただいたYさんのようだ。
最初はまさかと思った。でもよく見ると間違いない。
「Yさん?Yさ~ん!」と読んでも反応が無い。
もっと大声で「Yさ~ん!!」と呼ぶとようやくこっちに気付いていただいた。
山の世界はビックリするほど狭いです。そして時に神がかりな偶然が起こります。
Yさんも蓮華ベースで雪倉・朝日コースとのこと。あとで山小屋で再会するのを約して、その場をあとにする。
標高2,100mあたりまで軽やかに滑走。ここからやや左手の沢に入り込んでさらに下降。次第に谷が狭くなり両側に山肌が迫る地形に。
前回雪倉岳を滑ったのは3年前。下部で小さな尾根を乗っ越す地点があったのは覚えていたが、正確な場所が分からない。
いよいよ谷が狭くなり、雪の状態が悪くなってきたので、そろそろ乗っ越し地点を探したい。
標高1,700mあたりで谷が広がったところで、目の前に一本の登山者のトラバースルートがあった。
記憶に比べてやや前方の樹林が密で雰囲気が違ったが、さらに下ると滝に出るかも知れないと考えてしまい、ここから尾根を乗っ越すことにした。
尾根を乗っ越したものの、やはりルート間違いのよう。
尾根の左手、先ほどの谷筋を後続のスキーヤーが2組続けて滑降してゆくのが見える。
一旦は元のルートに戻ることも相談したが、尾根から見下ろしてみると右の斜面を回った先で通常ルートに合流することが確認できたので右側から滑降し、無事瀬戸川に戻ることが出来た。(後続の方には紛らわしいトレースを残してしまったかもしれません)
12時30分。スキーを脱いで尾根に向けて登り返す。
暫くシールは貼らずに板を両手に持ってツボ足でボチボチ歩く。
中央やや左寄りのバーンが正しいルート。僕たちは先に尾根を乗っ越してもっと左手の斜面に入ってしまった。
瀬戸川から蓮華温泉までは結構距離が長い。担ぎは止めてシールを貼らずにヒールフリーにしてスキー歩行で進んだが、ここはシールを貼ったほうが正解だったかも。
13時40分。キャンプ場を抜けた先で蓮華温泉が見えた。
左手の平地に顔を出した水芭蕉の群落に呼ばれるようにして少し寄り道。
こんなに咲いてちゃ窮屈でしょ!
14時00分。蓮華温泉到着。
早速ビールで乾杯と行きたいところだが、カメラのレンズキャップが…無い。
どうやら先ほど水芭蕉の写真を撮ろうとしゃがんだ拍子に落としたみたい。
重いザックを部屋に下ろして空身でキャップを探しに行くと、やはり水芭蕉の畔に落ちていた。もう一度水芭蕉の甘い香りを鼻先に感じながら小屋に戻った。
天気も最高なので露天風呂に向かう。仙気の湯には二人の先客。
お邪魔させてもらおうとしたら「こっちは冷たいよ~」。
手を浸けさせてもらうと、あらら水のよう。よく入っていられますね。
(水ホースがずっと入っていたためお湯がすっかり冷めてしまっていたらしい)
ちょうど上部から女性客2名が下りてこられ、上の薬師湯の湯加減がいいわよ、と教えていただく。
それではと薬師湯に上がってウェアーを脱ぎ捨てて湯船にドボン!
あ~っ、最高です。
お湯の向こうに雪の朝日岳。この上ない素晴らしい景色です、天気です。
天気といえば、予報は下り坂。明日は雨も予想されるらしいが…そんな予兆は全くないドピーカン。
部屋に戻ってビールを一杯。濡れた物は宿の階段に広げて天日干し。
こんなにのんびり出来るのは標高の低い温泉宿ゆえ。
(実は当日蓮華温泉に向かうまで、今回のスキーツアー中に「温泉」が付いていることに全く思い至らなかった私です。蓮華温泉ツアーなのに…)
しばらくしてYさんが雪倉から下山してこられた。僕たちの部屋に顔を出してくれたYさんと再会を祝してビールもう一杯。
夕食後、気になる天気予報を聞くと明日は曇り々雨だとか。
天気次第では朝日岳は諦めなければならないし、停滞するか栂池に下山するかも検討が必要になる。
ただ、小屋の方に伺うと「天気はそれほど崩れないと思う。夕方の雲を見た感じでも降ってもパラパラくる程度と思う。」との予報。
協議の結果、朝の天気を見て朝日岳アタックしようということになり、厨房に翌朝の弁当を頼んでおく。
部屋に戻って消灯時間までYさん持参のバーボンをちびちび。去年の太郎小屋を思い出しますね。
あっという間に21時の消灯10分前。慌てて仕度を整えてから横になる。
さて、明日の天気はどうなるのかな。おやすみ~。